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転売って許せる?許せない?アンケートで調査してみた

転売について調べたのですが、定量的な情報が調べても見つからなかったのでアンケートを作成し、アンケートの集計をしました。

前回の記事:「転売について一般的にどう思われているか調べてみた(ぜひアンケートにご協力ください)

アンケートの回答は30人で、note 、Facebook、Twitter で募集したので回答した人の属性は様々です。

前提として今回は、あえて「転売」を定義していません。
転売の解釈は人それぞれで違うと考えたからです。
定義していない以上、あくまで転売に対するイメージでの回答になります。
また、記事の内容は私の個人的な観点が多大に含まれているので、転売している方々、転売に対して良い思いをしていない方々に不快な表現があるかもしれません。
この記事はあくまで総括として残しておこうと思い記述していますので、ご理解いただけますと幸いです。

定量的なアンケート結果

Q1. 欲しい物が転売されていて嫌な思いをしたことはありますか?

73%以上の人が転売行為で嫌な思いをしていることがわかりました。
嫌な思いをしている人が多い結果でした。

Q2. 転売されている(定価よりも高額)な商品を購入しようと思ったことはありますか?

嫌な思いをしているにもかかわらず、46%以上の人は、転売品の購入意思があるようです。
ECで考えると、売れるけど顧客に満足な体験を提供できていないという状況でしょうか。満足な体験を提供できればその商品はもっと売れると思うので、転売でなければもっと売れていた可能性がその商品にはあると考えてもいいかもしれません。
消耗品など継続して購入し続ける商品には向かず、一回買いきりの商品だと顧客満足度が低くても売れるという現状と推測します。

Q3. 物販の転売についてどう思っているかをお答えください

物販ではなく物品ですね・・お恥ずかしい

「良いと思う」「問題ない」「物(ジャンル)によっては問題ない」という肯定的な意見が50%、「良くないと思う」「許せない」という否定的な意見が50%という結果になりました。(※下記「改めて、Q3 を集計します」で訂正)
これは意外でした、インターネットで調べると転売に対して否定的な意見が多いと思ったのですが、否定的な意見を持っている人が書き込むことが多いということでしょうか。
嫌な思いをしたことはあるものの、ある程度はみなさん受け入れているという状況のようです。

では、それぞれの回答理由から紐解いてみようと思います。

ここからはコメントでの回答になりますので、受け取る人によって観点が違うかもしれませんが、あくまで私個人の観点から記述しています。

「物(ジャンル)によっては問題ない」はどんな物(ジャンル)だと受け入れられているのか

Q4. 何なら転売しても問題ないと思いますか?

まず、明確な「物(ジャンル)」(以下、物(ジャンル)を全て「」と表現します。)の回答は1件でした。

「ジーンズやヴィンテージモノ!経年変化で価値が上がるモノ」

という回答です。
これは、回答者が定価より高値で販売されているもの全てが「転売」に当たるとイメージしていると推測します。
プレミアム価格も転売に含まれる場合は、希少性の高い物は問題ないという意見ですね。
が明確になっていない回答で類似の回答は、

「メーカーやブランドの限定品」
「生産が終了しているもの。希少価値があるもの。」

がありました。

次に気になったのは真逆の回答で、

「大量生産品」「量産型商品」

という回答がありました。
これは現状の「転売」というビジネスモデルからすると成立しないと私は考えます。現状の「転売」は欲しい物が手に入らない状況になることで、価格を上げても購入したい人がターゲットになっていると考えているからです。
なので、「大量生産品」「量産型商品」は上記の状況になりにくいため、この回答は現状の転売ビジネスを肯定していないと捉えました。

次に心情的な回答です。

「大人が購入するもの等でしょうか?子供のおもちゃはいい気持ちはしないです。」
「儲け上手だとは思うんですが、人の役に立つ対価としてお金をもらう「商い」の観点からすれば卑劣だなと思う」
「過度な転売はやめてほしい」

これは、感情面で「嫌」という心理の回答だと捉えました。
また、私が確かにそうだと思った回答を紹介します。

自分では手に入れられないけど、代わりに探してくれる人がいる場合など。

これは「転売」のあるべき姿だと私個人的には思いました。
ただ、これは「転売」かと言われると、現状の転売ビジネスとは違いますね。「代わりに探す」行為に対して、対価を商品価格に乗せて購入することになるので、サービス料金になるかなと思います。
類似の回答で

「販売者と購買者の状況次第」

という回答もありました。

あとは、やり方に関しての回答です。

「自動化ツール等の利用により買い占めを行い高額転売が行われているもの」

という回答がありました。
今ではそんな方法があるんですね。知りませんでした。。

改めて、Q3 を集計します

Q3. の記述で「物(ジャンル)によっては問題ない」を肯定的と書きましたが、コメントを見ると肯定している人があまりいませんでした。。。
これは質問が「問題ない」と書いてしまったため、私が肯定的と捉えてしまいました。質問の書き方が良くなかったですね。
「物(ジャンル)によっては問題ない」=「物(ジャンル)によってはしょうがない」など、「問題ない」という肯定的な書き方でなければ印象は大きく違った可能性があります。

「物(ジャンル)によっては問題ない」という回答は明確に良い悪いがわからないため、取り除きました。

こうすると明確で、良くないと思う、許せないと考えている人が83%いることがわかりました。

次に、「良くないと思う」「許せない」人たちは転売をどう捉えているのか

Q4. 転売の何が良くないと思うか、もしくは許せないかを教えてください

感情や文化、作法的な回答が多いと感じました。

「正規販売ルートの売上を無視して自分だけが良ければいいという思想が許せない。」
「本当に欲しい人に届かなくなるし、悪いことをしている人にお金儲けさせることになるのが良く無い」
「「トイレの後で手を洗わない」とか「迷惑撮り鉄オタク」とか「スーパーのレジに置いてある割りばし全部持って帰る」とか、そういうのと同じ類のアレなので…良くないというか、その、辞めといたほうがいいんじゃないですかね。」
「転売する人の言い分は「安く買って高く売るのは商売の基本」というのがあるが正直詭弁でしかない。社会的モラルに反した商売が横行するのは良くない。」
「コンサートのチケットや限定グッズなど、ファンにとって大事なものを不当に買い占めて転売されるのは許せないです。滅びてほしいです。」

転売行為は誰かのためとか、モラルなどの観点からは否定的に見られているということがわかります。
これは、心情論なので個人によって違うところですが、違法ではないから転売行為自体は問題ないという考えと、日本人のモラルや尊厳、常識的に考えてという生きていく上で育てられた暗黙のルールの範囲から外れる行為はどうか?という生きてきた環境によって違う捉え方がベースにあるように思います。
個人的な意見の例えですが、日本食を箸で食べる人、フォークやスプーンで食べる人、手で食べる人(他にもあると思いますが・・)がといるとして、日本人として育つと箸で食べる文化が常識で、フォークやスプーンで食べるのはまだいい、しかし、手で食べるなんてありえないという感じでしょうか・・
手で食べてはダメという法律はないので、手で食べること自体は何も問題ないけど、その行為に対して嫌悪感を抱く人は多いと思います。

次に経済や市場といった観点からの回答

転売益に対する課税がなされていない。不当に価格が釣り上がるが生産者に反映されない。長期的に見てコンテンツの消化を早めることになる。

がありました。
これは私も同意ですが、この回答を拝見して転売価格から適正価格を判断するといった生産者も出てきそうだなと思いました。
また、類似の回答として「正規の小売店や正規の中古流通ルート以外の闇ルートに流れる事。一人ならそれも問題ないが集団になり(最近は国レベルでの行為も見られますし)それが勝手市場になり、ひいては正規の販売ルートやメーカーの首すら締め、その後の製品展開や購入者の将来を奪う事。」がありました。

そんな中、誰かのためにならないという、買い手や作り手(生産者)を起点とした回答が一番多くありました。

「作者に利益が入らないこと、元値を遥かに上回る価格をつけていること」
「本当にほしい人が、または自分がほしいときに手に入れることができないため」
「本当に欲しい人に届かなくなるし、悪いことをしている人にお金儲けさせることになるのが良く無い」
「ほんとに欲しい人、必要としている人に適正価格で流通しなくなるので」
「利益目的の人が買い占め転売することで、本当に欲しい人が不当な値段で購入せざるを得ないということが起きる。」
「ブランドイメージがさがる」
「一般流通でメーカー希望小売価格で入手可能だったはずのものが入手できなくなるため」
「転売そのものというより、転売して利益を最大化するために高値で売れそうな商品を買い占めるため、一般ユーザーの人の手に定価で届きにくくなるのが良くない。 これを良しとして当たり前の価値観になってしまうと、一定以上お金を持っている人しか欲しい物が買えずに、それ以下の人は欲しくても買えない世の中になってしまう。資本主義的といえばそうだけど、そうなってしまうのはやりずぎだと思うし、商品を作って売る側が本当に届けたい人になかなか届かない構造になってしまうので良くない。」
「転売によって、ある人にとっての必要不可欠なものが手にはいりずらくなるのは良くないと思います。(薬とか衛生用品とか)」
「製品を作った供給側・購入側いずれにとっても一切メリットがない。」

転売に対しての否定的な意見は、買い手と作り手というバランスが第三者によって崩されてしまうことに対しての否定的意見が多いようです。
私が感じたのは、二者間の授受ルールに第三者が割って入ってそのルールが崩壊してしまうということに違和感、嫌悪感を感じているのではないかと思います。

私の個人的な意見

転売は商社と一緒、問屋業と同じという話を聞きますが、商社や問屋が何もせずに収益を上げているかと言えばそうではなく、商社や問屋が販売ルートの確保、担保、拡張、信用という仕事をしており、その対価として卸値での仕入れ、利益を乗せた販売というビジネスを行っています。
なので、転売と卸売は明確に違うと考えています。
転売は販売ルートの中に割って入る行為という印象が強く、否定的な意見が多いのではないかと推測しています。
この記事に書いたように、手に入らない人への販売行為は、課題解決の一つであり、サービス料を収益とするビジネスと考えられると思います。
なので、転売業が明確にサービス内容を言語化でき、そのサービス料金として価格の上乗せができれば、転売行為に対して否定的な意見が減るのではないかと思いました。

しかし現状はその逆で、転売業のサービス内容の明確化(言語化)が、現状でできていないために、それ以外の感情的な意見と法律違反ではないという、最低限のルールの論点のズレた論争をするしかないのかと思いました。

現実的には生産者が転売禁止とも言いづらく、法律としても違法とすることができないので、転売事業を行っている人たちで、その事業内容を明確にすることで新しいビジネスチャンスがあるように思います。

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