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【2022中国10大ニュース】激動のな一年を振り返る

世界から見ても、2022年は激動の一年となった。ロシアのウクライナ侵攻が世界の秩序を揺るがし、グルーバル的な景気後退も垣間見えてきた。

そんな中、ゼロコロナ政策を貫く中国において、2022年は歴史的に分岐点だと言えるほど、激動の一年であった。

この1年の中国の政治、経済、そして企業を巡る出来事の中から、チャイトピは10大ニュースをピックアップし、2022年を振り返る。


北京オリンピックでビンドゥンドゥンが大人気

2022北京冬季オリンピックが2月に開幕し、この行事が中国でウィンタースポーツのブームを巻き起こしたほか、マスコットキャラクターのビンドゥンドゥン(冰墩墩)が爆発的な人気に。

この背景として、日本テレビの辻岡義堂アナウンサーが現地の取材でビンドゥンドゥンのバッジやグッズをたくさん購入。そして、ビンドゥンドゥン愛を強くアピールしたことをきっかけに、中国国内で急速に人気となり、公式ショップでは品切れが続出し、工場が追加注文に応じて生産を急ぐなど、異例の事態となった。


中国政府が推奨アルゴリズムを規制

ユーザープライバシー保護の一環として、2022年3月に中国政府が利用者の閲覧履歴や嗜好などに基づいてコンテンツや商品のレコメンドを行うアルゴリズムを規制する新たな規定を施行。

同規定では、ネットサービスの提供者が消費者を中毒にし、過度な消費を誘導するメカニズムを禁じている。また、アルゴリズムによるコンテンツや商品推奨に消費者の同意が必要となり、バイトダンスなどのIT企業がこれに応じて推奨機能を調整する必要性が発生した。デジタルマーケティング業界においても、ユーザーの嗜好性に合わせた高精度な広告施策に影響を与えた規制である。


コロナ感染拡大で上海が約2ヶ月のロックダウンへ

ゼロコロナ政策を貫く上海では、感染拡大を受け3月28日からロックダウンを実施。元々4日間と予定していた封鎖は、予定通り解除できず、最終的には2ヶ月にも及ぶ長期封鎖となった。

この予想外な展開は中国の経済活動を大きく打撃。上海市の経済は大幅悪化し、4~6月のGDPは前年同期比13.7%減に。全国ベースでは前年同期比0.4%増と、伸び率は最初に新型コロナウイルス感染が流行した2020年1~3月以来の鈍い伸びとなった。

▲中国GDP伸び率推移(出典:wind)


政府がゲームのライセンス発行を再開

4月に中国政府がゲームのライセンス発行を再開。

未成年のゲーム中毒を理由に中国はネットゲームの数をコントロールし、2021年7 月から中国政府は新作ゲームの審査を停止。これにより、同年のライセンス発行数が急減し、ゲーム業界に打撃を与え、一部の中小企業が倒産に追い詰められる事態に。

今年4月にようやくライセンス発行再開となり、ゲーム企業の希望を見えてきたが、リスクヘッジとして、海外市場に事業の重点を置く企業が増加している状態だ。

▲中国政府によるゲームライセンス発行数の推移(出典:南都大数据研究院) 


中国BYDがガソリン車の生産を廃止、NEVに専念

4月に、中国EV大手のBYD(比亚迪)がガソリン車の生産を廃止し、今後は電気自動車とプラグインハイブリッド車に集中すると宣言した。

同社のEV車は低価格と豊富な品揃えで、販売台数が拡大しており、米テスラと世界一の座を取り合うまでに成長。日本市場においても、電動バスに次いで、電動乗用車市場にも参入し、2023年に初のモデルを販売する計画を公開した。

 

地方銀行で預金が引き出せなくなる事件が発生

4月下旬から中国河南省や安徽省の農村銀行では、預金が引き出せない事件が相次いだ。これらの銀行に出資している民間の金融グループが資金を不正流出したことが原因とされている。

その後、預金引き出しを求める抗議活動が広がり、社会問題にまで発展。政府が預金の払い戻しを肩代わりすることで事態を収束したが、この事件から地方中小銀行の経営への不安が強まる結果となった。中国政府は不良債権処理の加速や公的資金の注入で中小銀行の経営健全化を急いでいる。


人民元対ドルが2008年以降の最安値を更新

アメリカが利上げを発表して以降、世界の主要通貨に対するドル高が続いている。9月28日中国本土の人民元は1ドル=7.23元まで下落し、2008年以来の安値水準となった。

米国でインフレ抑制のため利上げが続く中、中国は景気回復に向けて政策金利を引き下げ、金利差が開いたことから人民元が売られやすくなっていることが要因である。


党大会で習近平の3期目続投を決定

10月に中国共産党の党大会が開催。5年に一度の党大会は、党のルールや幹部を決め、今後の5年間を大きく左右する重要な会議である。

今大会で、習近平国家主席が2期10年と言われていた慣例を破り、3期目続投が決定。最高指導部の7人も習近平主席と近い関係を持つ人が選出され、そのうち序列2位の李強氏は元上海トップであり、次期首相となる可能性が高いと見られている。


「独身の日」イベントで初めての売上非公表

11月では、中国EC業界の祭典で国民的イベントの「独身の日」セールが14年目の開催を迎えた。中国人の消費力を示すこのイベントは、かつて驚愕的な取引額を出し続けてきたが、今年はアリババ、JD(京東)のECトップ2社が初めてGMV(取引額)の公表を控えた。

これは政府のIT企業規制に対する配慮だとの見方もあるが、それ以前に個人消費の低迷、そしてEC市場の伸び率が鈍化する中で、EC大手がGMVの成長を追求しなくなったからだと分析されている。 

▲独身の日の全体GMV推移(ライブコマースプラットフォームを除く。
2020と2021年の伸び率は調整後伸び率)(出典:星図)


中国政府がコロナ規制を大幅緩和

ゼロコロナ政策を堅持してきた中国だが、11月末から上海や北京などで広がった抗議活動の後、ついに中国政府がコロナ規制を大幅緩和へ。

これにより、無症状あるいは軽症の感染者は、自宅隔離が可能となる。さらに、病院と学校を除くほとんどの公共の場においてPCR検査の陰性結果を提示する義務がなくなっただけでなく、国内移動の規制も緩和された。

これを機に経済活動の再開が期待されたが、実際は急速な政策転換により病院の発熱外来が患者で溢れかえるなど医療システムがひっ迫する事態に発展。経済が回復するのは、まだまだ時間がかかりそうだ。


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