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主人公とエキストラ。

大学を卒業してから数年たった。「アラサー」と呼ばれる年になった。学生時代、共に過ごしてきた仲間たちはそれぞれの道を歩んでいる。

ある者は家庭をもち、ある者は異国の地で奮闘し、またある者は社会にもまれている。僕には僕の物語があって、彼らには彼らなりの物語がある。

僕は僕の人生の主人公。一方で、仲間たちの人生のエキストラでもある。ちょい役かもしれないし、悪役かもしれないし、もしかすると助演男優賞レベルの活躍をしているかもしれない。

学生時代とは違い、彼らと毎日顔を合わせることがなくなった。異国の地に住んでいる友人にはもう何年も会えていない。

それでも、会った時にきける物語は格別だ。幸せな物語、悲しい物語、予想だにしなかった物語、そのどれもが現実。

決してドラマチックではないかもしれない。過去に描いた未来からほど遠いかもしれない。けれど、いまを生きている仲間たち。

生きている限り、物語は続いていく。また物語の続きを聞かせてほしい。また会える日がくる日を願って。

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