ポーカーなら世界と戦えるかもしれない。僕は確信した。

「メジャーリーガーになる」

小学校の卒業式でのこと。壇上で僕は、自分の夢を語った。僕はずいぶん前から、世界を見据えていた。

だけど、現実は理想通りにいかないものだ。高校野球ではベンチ入りすら果たせなかった。野球では世界と戦う土俵にも立てなかった。

メジャーリーガーへの夢は諦めたけど、世界への夢はまだ終わっていない。むしろ、ここからが始まり。

ポーカーなら世界と戦える。

たまたまYouTubeで目にしたポーカー動画に目が離せなかった。そこには運と実力の世界が広がっていた。

トランプの前ではみな平等。

言語も国籍も肌の色も体格も関係なし。自分の手札と場のカード、ライバルたちのアクションに応じて、瞬時にベストな判断を下す。

一見シンプルなゲームのようで、判断基準は無数だ。長期戦になると経験者に分があるものの、全くの初心者がプロプレイヤーに勝つ可能性だってある。

野球を10年続け、やっとわかった。自分の才能のなさに。ただ、自分には何かしらの才能がある。もしかすると、ポーカーの才能かもしれない。ちょっくら、ポーカーで世界を目指してみる。

10年くらい続けたら、1回くらいは勝てるのではないか。ポーカーなら世界を目指せる。世界の壁は遠いかもしれない。

それでも、僕は今後10年以内には世界と戦える力を身につけ、世界と戦う。