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漢方の考えを学ぶ『花粉症と水滞』

漢方では花粉症は『水滞症状』、水がからだで滞っていることが原因と考えます。「水毒」をいう呼び方もあるくらい、水巡りが悪いことは体に悪さをします。
花粉症もそのひとつです。

「水滞」になってしまう原因は人によって違います。
気が足りない、気が詰まっている、腎が弱っている、脾が弱ってる  など様々です。

花粉症を改善するとなると、この根本的な治療よりも、まずは出ている
症状を改善したいとみなさん思います。


私の話をさせていただくと・・・
食生活を改善し、薬膳茶を飲み始め、漢方薬を必要に応じて飲んで、体質が改善された結果、花粉が気にならなくなりました。
どんなことをしたかと申しますと・・・。

「花粉症」には水巡りを改善する漢方薬


当帰芍薬散 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)を飲み始め、その後漢方・薬膳を学んで、食事の改善、普段の飲み物は薬膳茶・・・という生活を続けて
気が付いたら、花粉症の薬はいらなくなっていたのです。


当帰芍薬散は、水の巡りをよくするだけでなく、養血、血流改善して、粘膜の浮腫、皮膚組織の下にたまった水も出してくれる作用があります。

「花粉症」には腸内環境の改善を

その他、食生活を白米から玄米や雑穀に、肉食から和食中心の食事に変えることによって腸内環境が良くなりました。便通が規則的になったことでわかります。


私は、上記のような取り組みによって、根本原因の悪い体質を改善した結果花粉が気にならなくなりましたが、人によって何が根本的に問題なのか、どんな体質改善をすれば良いのかは違います。

ここでは、根本的な治療よりも、まずは出ている症状を改善する対処療法のお話をしたいと思います。


「利水剤」の漢方薬を選ぶ



花粉症は、「水滞」「水毒」の症状と考えます
鼻水くしゃみ出る人が多いですよね?
水が体に余っているから、鼻から水があふれ出ます。

ですから、対処療法の漢方薬として『利水剤』という類別で、だぶついている水を尿として出しましょう、というものを選ぶのが一般的です。

まずは急場をしのぐための漢方薬。参考にしてください。

小青竜湯(麻黄、桂皮、芍薬、細辛、乾姜、五味子、半夏、甘草)

薬局で一番見かける「花粉症の漢方薬」といえば、これでしょう。
白い鼻がたくさん出る人のための漢方薬です。
寒症の人は白い鼻が出るので温め効果もあります。

小青竜湯だけで症状緩和がなかなか厳しい人は
五虎湯(麻黄、杏仁、石膏、甘草、桑白皮) 
と合わせることもあります。

石膏(硫酸カルシウム主成分)が入っていて冷やす効果があります。鼻水が粘ってきて鼻づまりになったり、少し黄色味ががったりしていると五虎湯と小青竜湯を合わせて飲むこともあり、最近のデータではこの方がよく効くとされています。
石膏は抗炎症作用もあります。

さらに

越婢加朮湯(石膏、麻黄、蒼朮、大棗、甘草、生姜)
麻黄湯(麻黄、桂皮、杏仁、甘草)

を合わせる処方もよくあります。

これらに共通の生薬は麻黄です。
麻黄にはアレルギー症状をひきおこすヒスタミンという物質の働きを抑える抗ヒスタミン効果があります。
又、エフェドリンという物質が気管を広げ咳を止める作用をもたらします。

但し、麻黄は、不整脈、虚血性心疾患、心臓弁膜症などの重い心臓疾患ある人は、控えた方がよい生薬です。

以下が花粉症で頻繁に使われる漢方薬です。広告や表示だけではわからない効能がありますので、専門家に相談して選ぶことをおすすめします。

1.   小青竜湯     
2.越婢加朮湯    
3.麻黄湯      
4.葛根湯加川芎辛夷   
5.辛夷清肺湯
6.麻黄附子細辛湯
7.苓甘姜味辛夏仁湯


毎日の薬膳茶が予防に


私のおすすめする免疫高める食養生として
薬膳茶をおすすめします。 殆んどの薬膳茶素材は利尿作用(水巡りをよくして尿量を増やしてくれる)があります。
体を温める素材、利水効果(≒利尿作用)のある素材 を選ぶと良いでしょう。
・ヨクイニン 利水
・南蛮毛 利水
・地膚子 利水
・紫蘇 温め 
・桂枝 温め
・艾葉 温め
・杜仲葉 温め
・大棗 温め
・ウコン 血流
・枇杷の葉  痰 咳を止める


まとめ

現在花粉症で悩まれている方が、花粉症から解放されるまでには時間がかかりますが、私のような例もあるので不可能ではないと思います。
漢方では 正気が体に十分あれば、外部からの邪は入り込めないと考えています。不調になるのは、体内の 気血水 循環のバランスが崩れて自然治癒力が低下したときです。

日頃から、自然治癒力を高めるために・・バランスの良い食事、薬膳茶、よい腸内環境、質の良い睡眠、適度な運動、という耳にタコができるかと思いますが、これを実践していただきたいです。
新しいのは、「薬膳茶」を日々飲む♪ ということでしょうか。

このお話はポッドキャストでも配信していますので良かったら聴いてください。


自分にはどんな薬膳茶が合っているのか、現在の体質はどうなのか、など、気になることがある方、体質改善したい方、カウンセリングもご用意しています。 薬膳茶の他に、漢方薬、健康食品、等をご提案することもあります。 お気軽にご連絡ください♪ 上級漢方養生士、医薬品販売業者、登録販売者、生態生薬研究会会員 

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