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漢方の考えを学ぶ『春の皮膚トラブル』

皮膚は乾燥が大敵なのでは?と思われるかもしれませんが、実は春から起こる皮膚トラブルも多いのです。

老廃物を排泄する季節

冬の間にためこんだ、老廃物を外に出す季節が春。
体にたまった悪いものを出すときは、皮膚にあらわれます。

冬は運動量や発汗量が落ちるので、代謝が落ちているのですが、
春になると、身体の「陽」が増えて、皮膚も代謝を始め、汗や皮膚分泌を始めます。
冬から春に変わる急な変化についていけない皮膚は、皮膚腺内にたまっていた老廃物を出すときに、吹き出物やぷつぷつとして発疹ができやすくなります。
苦みのある野菜がデトックスを助けます。タケノコ、うど、たらのめ、山菜など・・・積極的に食べた方がいいですね。

春の風による皮膚トラブル

春風は強いのが特徴です。
漢方では、風が体に侵入すると、体表を覆っている衛気の機能が乱れて(免疫が崩れる)、気血の流れが悪くなり、皮膚の症状が現れると考えます。

陰陽のバランスが崩れて起こる皮膚トラブル

漢方では自然界の現象は体の中でも起こると考えます。
自然界では春は『陽』がどんどん大きくなり、体内の陽も充実してきます。
陽が増えるということは陰が減りますから、血虚、陰虚、になり皮膚が痒い、乾燥してヒリヒリする、などの現象が出ます。
加齢などによって、陰液(血と水)が十分につくれないと、さらに症状が悪化することもあります。

ストレスによる皮膚トラブル 

春は『肝』が亢進してしまい、肝気が上がりすぎて交感神経優位になりがちです。
加えて、環境の変化の多い春は、知らず知らずのうちにストレスを受けやすい。
ストレスによって自律神経が乱れると、あちこち痒くなったり、じんましんなどが起こり易くなります。

皮膚のための漢方薬

皮膚トラブルの漢方薬はいくつもあります。
体質によって、どこからアプローチするのかが違うので、一概にはこれが合ってる、とはいえませんが、代表的な漢方薬を紹介します。

消風散 強い痒みがあり、分泌物が多いタイプの湿疹や皮膚炎

竜胆瀉肝湯 患部に水泡があり、春・夏に発症して悪化しやすいタイプ。
      帯状疱疹なども

温清飲・当帰飲子 血虚タイプの皮膚炎

薬膳茶で自律神経を整え、内側からお肌のケアを!

急に発疹ができてしまうとすぐには治らないことが多いです。季節に起きる皮膚の変化をしって、日ごろから薬膳茶でスキンケアをしましょう。
茶葉にはたくさんの効能があるので、他の問題も自然に解決することもありますよ♪

皮膚のための薬膳茶

ヨクイニン(はとむぎ) はイボを消してくれるくらい内側から皮膚の代謝
            を上げてくれる素材。
ドクダミ  は身体の老廃物を外に出してくれる働きがあります。漢方薬では
     「十薬」という名前で使われています。

自律神経を調える薬膳茶

ペパーミント
ウコン
ヨモギ(艾葉)
決明子
杜仲
紅花

リラックス効果のある薬膳茶は他にもたくさんあるのですが、今回は春の『肝』を鎮めるという目的で選びました。
お好きな味を見つけて楽しんでくださいね♪

『春と皮膚病』はポッドキャストでもお話していますので宜しければ聴いてください(^^)/

上級漢方養生士、医薬品販売業者、登録販売者、生態生薬研究会会員 
漢方ラボ チャカラティーズ 織田 縁

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