共に民主党文在寅政権の世界人権宣言演説と功績。犯罪者にも犯罪被害者にも生得的生物学的女性にも外国人にもGIDにもDSDsにも全ての人に人権があるという話。

2023年5月18日国際協力と人権のPDF追加しました。
日本のラッパーさんが犯罪者にも人権あるって言って批判されている件、犯罪者だからって人権無視して拷問したりすることは人権侵害ですよ。
犯罪者にも人権はあります。
もちろん、犯罪被害者にも人権があります。犯罪被害者が日本の裁判に参加できるようになってきたのは犯罪被害者の方が司法に対し声をあげてきたのもあると思いますが日本において犯罪被害者の人権が守られる事が制度にされるようになってきたからだと思います。
生得的生物学的女性にも在日.在韓の外国人にも性同一性障害者GIDにも性分化疾患DSDsにも人権がある。
さて、誰にでもすべての人に人権があるというのが世界人権宣言であり国際人権規約である。
共に民主党文在寅政権の世界人権宣言演説と功績。犯罪者にも犯罪被害者にも生得的生物学的女性にも外国人にもGIDにもDSDsにも全ての人に人権があるという話。
性同一性障害者についてだが29歳の時に性同一性障害者のMTFとして診断された事で、私自身はほっとしました。むしろ性同一性障害者として診断された事でうつ等の精神疾患になるのではなく、小さい時小中学校の頃から身体の性別違和を自覚するが存在を無視され学校にも家にも居場所がなかったから心が病むのではないでしょうか?
子どもの権利条約が守られず存在を親などの世間から認めてもらえない、居場所のない存在である性同一性障害者GIDの立場で殺されたり、自殺せず、無事成人できジェンクリに繋がり性同一性障害者GIDとして診断され性別適合手術までたどり着けるのはどれくらいいるのだろうか?
私自身、存在が認められず学校で殺されそうになった経験は多々あり、自殺で命を失いかけた経験もあるGIDの1人です。プールで何度も投げられておぼれて命失いかけた事もありました。
社会人になってからの性同一性障害者GIDにとっての命の危機がコロナ禍の性自認至上主義でありGID患者から医師の診断やホルモン治療、手術要件等のGID患者が必須とする医療を奪う米共和党州等のGID患者を追い詰める政策ですよ。
学生のうちから性同一性障害という疾患について学べて性同一性障害との診断が受けられるジェンクリに行ける環境があれば、性同一性障害という診断を貰った学生の自殺者数や殺人された数等も判明してゆくでしょう。
私としては最低限成人になるまで生き残れるGID患者が増えて欲しいだけですよ。
ええ、TSであるGIDは厄介者ですよ、令和5年2023年になっても特例法の手術要件を必要とするGIDは性的マイノリティとしての存在としても認めてもらえてない状況である。
GIDが生物学的性別でのスペース分けを望み性別適合手術と性別適合手術後の身体に合わせた戸籍変更を可能とする疾患であり障害である事実が無視されています。
コロナ禍の性自認至上主義でGIDに対する人権状況が悪化しずっと手術要件等特例法上の権利を奪われそうになる危機に瀕してる。
性自認至上主義をやめて生物学的性別で対応するSexbasedRightsでの対応に戻し特例法の手術要件のある性同一性障害者特例法を守る方針打ち出してGID患者の身の安全が守られる社会になって頂きたいとGID患者の1人として私は思う。
私は手術要件のある特例法と生物学的性別で分けたスペースを守りたいだけですよ。
MTFSRS手術済みGIDMTFで小中学生時代からバカとテストと召喚獣の木下秀吉ちゃんのような立ち位置であり男女両方から排除される存在で私自身、MTFSRS手術済みの身体であるから戸籍上の男性をやめる必要がありつつ、生得的生物学的女性とスペース分けとデータ分けをする必要性を感じMTFSRS手術済みGIDMTF専用戸籍として性別秀吉の名前を使うことに決め、第三の性を必要とせざる得ない状況になりました。
属性って選べないんですよね。生まれて物心ついた時から、トランスの立場のMTFの立場でした。
私は生得的生物学的男性として生まれ、小中学生時代から生得的生物学的男性の身体に対し身体の性別違和を持ち女性の体になりたいと思いながら生活してました。
私は生得的生物学的男性として生まれたので生物学的女性と同じような性器を持つ性別適合手術つまりMTFSRS手術を必要とする性同一性障害者のMTFとしての診断を29歳で受け、37歳でMTFSRS手術をしたMTFSRS手術済みGIDMTFの1人です。後に続く人のためにも特例法の手術要件守りたい。
アメリカでのトランスジェンダーとされる子供の数の統計です。

https://www.reuters.com/investigates/special-report/usa-transyouth-data/


トランスセックスとされる特例法の手術要件を必要とする性同一性障害者GIDのgid.jp日本性同一性障害・性別違和と共に生きる人々の会さん統計の
性同一性障害者GIDの患者数の統計です。
ジェンダークリニックでの医師の性同一性障害者との診断を必要としており。かつ性同一性障害者特例法に基づいて性別適合手術を行っている特例法の手術要件を必要とする性同一性障害者の数(2020年度)



性同一性障害特例法による性別の取扱いの変更数調査(2020年版)

「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」により、2020年末までに戸籍の性別の取扱いを変更した者の数を調査しましたのでご報告いたします(2020年のデータは速報値)。
2020年は例年の3割近い減少となりましたが、これは新型コロナウィルスによる感染症の蔓延により、手術や海外渡航が制限された影響が大きかったものと思われます。累計はついに1万人を超えました。

https://gid.jp/research/research0001/research2021042201/
「gid.jp」「日本性同一性障害・性別違和と共に生きる人々の会」より引用

http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=64/9/06409N0220.pdf



性同一性障害の頻度 信頼するに足る統計はないとしながらも,1993年の DSM-Ⅳの記載では手術を求める 性同一性障害患者は,MTF で3万人に1人,FTM で10万人に1人とされており,DSM-Ⅳ- TR になっても改訂されていない2) .しかし,1999年から2009年の間に岡山県内から岡 山大学ジェンダークリニックを受診した患者数は,MTF で人口1万5千人に1人,FTM で は1万人に1人程度になる3) .受診者ではなく人口ベースによる調査では,2006年から2008 年に行われた米国での18歳から44歳の住民に11万人中,生物学的女性の0.6%,生物学 的男性の0.2%,すなわち女性170人に1人,男性500人に1人が生物学的性別と性自認が 異なると回答している4) .これらから推定すると人口2~3千人程度に1人医療を求めるト ランスジェンダーがいてもおかしくはない.従来考えられていたよりも性同一性障害の頻 度は高く,一般臨床医も遭遇しうる問題であると言える. 性同一性障害の治療 精神神経学会が「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」を発表しており, 1997年以来3回の改訂が行われた.現在は,2012年1月に改訂作業が終了した第4版が最 新である
初版以来,同ガイドラインでは,一貫して複数診療科が合同した医療チームによる診療 を求めている.詳細はガイドラインそのものにあたっていただきたいが,おおざっぱに要 約すれば,診断と精神医学的サポートを精神科が,身体的性別の確定およびホルモン療法 を婦人科・泌尿器科が,性別適合手術を形成外科・婦人科・泌尿器科が担当する.身体的 治療の適応の可否は医療チームの合議で決定し,性器に関わる性別適合手術は医学的正当 性を担保するために直接診療に関わらない専門家も交えた性別適合手術判定会議で検討す ることになっている. ガイドラインでは,地域性などを考慮して専門医療チームを有する医療機関が近医や非 専門医にホルモン投与の実施を依頼することも認められているため,医療チームに属さな い婦人科クリニックなどでも性同一性障害患者の診療に関わることがあり得る.この状況 では,遠方の医療チームの専門医よりも地域の医療者の方が,ホルモン剤の処方や注射を 求める当事者により頻繁に会うことになり,単に「ホルモンをもらう」医療機関ではなく, 日々の困りごとの相談先になることもしばしばある.性同一性障害患者は,性自認と生物 学的な性別の関係が非典型的である以外,「普通の人」が多いため,性同一性障害患者のメ ンタルヘルスに関しては,精神科医のフォローが不要なことも多い.医療者として,患者 が経験した苦痛に耳を傾け,受容的・支持的かつ共感的に理解しようとする態度があれば, 統合失調症や薬物療法を要するほどのうつ病などを合併しない限り,十分なサポートにな る. 若年症例へのアプローチ 日本精神神経学会のガイドライン策定から10年以上が経ち,多くの患者が専門施設を 訪れるようになったが,これまでの受診者は若くても10代後半からの者が多かった3)6) . 若年者の性同一性障害の存在は,海外では以前から知られており,1990年代にはその特 性もある程度明らかになっている7) .児童期までの性同一性障害は,思春期に性別違和感 が軽快し,生物学的性別に適応した生活が可能になる例が多いとされるが,逆に違和感が 悪化する例では,何らかの対応をしなければ苦悩が深まり,自殺や自傷といった行動に発 展する可能性が高い7)8) .我が国でも,性同一性障害の受診者(主に成人)は,「性同一性障害 について説明を受けるとすれば何歳の時が良かったか」という問いに,FTM は平均12.2 歳,MTF は平均10.7歳の時点が良かったと回答し,多くは児童期の終わり頃までには説 明を受けたいと考えていたことが判明している9) . 国 際 的 に は,思 春 期 を 迎 え る 頃 の 若 年 の 当 事 者 に 思 春 期 の発来を遅らせる gonadotropin-releasing hormone agonist 等の投与が行われ,二次性徴抑制療法と呼 ばれる10) .これまで,我が国のガイドラインには記載されていなかったが,最新の第4版 ガイドラインに取り入れられた.この治療は,別項に詳しいように10歳過ぎに開始の可 否を決断する必要がある.前述のように当事者は自分の問題を隠す傾向があり,家族や周 囲が問題をいかに発見するか,あるいは当事者が話しやすい環境を整えておくかがカギに なる.性教育を含めた学校保健に関わる産婦人科医の役割は大きいものと思われ,性同一 性障害を含めたセクシャルマイノリティーの問題は常に意識されるべきであろう.

http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=64/9/06409N0220.pdf
生殖・内分泌 クリニカルカンファレンス GID(性同一性障害)と産婦人科医 2)性同一性障害とは―セクシャルマイノリティーの基礎知識


私としては手術要件を必要としない性分化疾患(DSD)と特例法の手術要件を必要とする性同一性障害は異なる疾患であるから区別し誤診を減らすためにもDSM4基準による診断を望みます。



性分化疾患(DSD)  

[disorders of sex development]

2010/09

イミダス編



胎児の発育過程で、性分化と呼ばれる雌雄決定プロセスが正常に行われず、染色体による性に対して、社会的に性を区別する性腺、性器などの性徴が生まれつきあいまいだったり、統一されていない状態のこと。厚生労働省では、発症頻度を約4500人に1人と推定している。正確な患者数は不明。以前はインターセックス、半陰陽(雌雄同体)などの用語が使われていたが、2006年に国際的な専門家会議がDSDを正式な医学用語として提唱し、染色体、性腺、または解剖学的性が非定型である先天的状態、と定義した。そのため、身体性と性自認が一致しない性同一性障害(GID)は、定義が合致せず、性分化疾患には含まれない。現在では原因解明も進み、性分化の過程で最初に発生する胎児精巣から出る男性ホルモンが関係していることがわかっている。ただし診断については、十分な知識をもつ医師や医療機関が限られるため、性徴による判断ミスや不適切医療の報告もある。そこで日本小児内分泌学会では、患者やその家族に対するケアも盛り込んだ、診療ガイドラインの策定に着手した。また近年は、男女という性区分の絶対性を見直す動きもあり、10年1月には国際オリンピック委員会(IOC)と国際陸連(IAAF)が、性分化疾患をテーマに専門家会議を開催している。

https://imidas.jp/hotkeyword/detail/F-00-209-10-09-H017.html
時事用語事典

性分化疾患(DSD)

 [disorders of sex development]



男でも女でもなく生まれたことの苦悩。自分が何者かを自覚する前に、性を割り当てられる更なる苦悩。性を決定するために行われる幼少期の性器形成外科手術や、ホルモン療法に反対するインターセックスの人々による運動を受けて、スイス当局はこのほど、男女の性別が中間の状態にあるインターセックスで生まれた子どもの権利を守るため、国レベルでの審議に着手した。

このコンテンツは 2013/01/232013/01/239 分

イザベル・アイシェンベルジェー, swissinfo.ch

「助産師が母親に男の子か女の子か告げられない、生まれた子どもにどう名前をつければよいか分からない、我が子の誕生を友人や役所にどう通知すればよいか分からないという状況を想像できるだろうか。私の子どもは男性の性染色体XY型を持ち、同時に子宮と未完成のペニス、それから肥大した陰核(クリトリス)を持って生まれた」と、13年前に第一子を出産したカリン・プラトナーさんは当時の苦悩をこう語る。

「両性具有」、「仮性半陰陽」、「半陰陽」、「インターセクシュアル」、「性発達障害」、「性分化変異」。性別の判断がつかない状態は、これまでにもさまざまな呼称で呼ばれてきた。北米インターセックス協会(ISNA)によると、1000人に1人の割合でインターセックスの子どもが生まれるという。

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男性の役は、もう演じられない

このコンテンツは 2013/01/232013/01/23 都市計画者のニーナ・シュティーガーさんは、最近になって戸籍上の性を女性に変更した。それ以前の54年間は、ウエリという男性の名前だった。差別などの長くつらい経験を乗り越え、彼女は今、夢をかなえた。...

ヴォー州大学病院センター(CHUV)の小児外科医、ブレーズ・メイラ医師はインターセックスを「性器の形状から直接性別の判断がつかない、または与えられた性が内性器や外性器の性と一致しない新生児や思春期の子どもの状態。男か女に、より近いということはあっても、中間的な状態を指し、それも発達の段階によって異なる」と要約する。

ジュディス・バトラー、『ジェンダートラブル』、1990年

ジェンダーに関する決まりきった用語に挑戦を挑むことは、まさに性決定に揺れる自分の体を見つめ直すことにつながる

社会的な性

1950年から1990年代にかけて、インターセックスの子どもたちを男女に二分された戸籍に収めるため、インターセックスの状態が健康を害する恐れのない子どもたちにも、幼少期に性別を割り当てるために性器形成外科手術やホルモン療法が施された。言ってみれば「社会的な性別」を割り当てていたのだ。

「当初は、個人を社会に組み入れるため、また両親の深い苦悩に応えるため、早期に処置を施すことが重要だと考えられていた。だが研究が進むにつれ、外科手術がもたらす結果は、単純なものでも満足のいくものでもないことが分かってきた」とメイラ医師は続ける。

実際に、施された外科手術が不可逆的な場合、もしも割り当てられた性別が子どもの自認する性と一致しなければ、子どもに重大な損害を与えかねない。当時、前出のプラトネーさんは子どもの外科手術を拒否し、子どもが自分自身で性を決定するまで娘として育てた。性の自認は6歳ごろから、遅くても思春期には現れるからだ。

2008年に立ち上げられた団体「インターセックス(Zwischengeschlecht)」の共同創設者ダニエラ・トリュファーさんは、生後3カ月で外科手術を施され女児となった。手術は生後すぐだとリスクが少ないという理由でこの時期に多く行われる。「私は去勢されたのだ。性器切除を罰するこの国で、単に『外見上』を理由とする手術がこれ以上許されてはならない。治療に関する慎重さを求める勧告にも関わらず、いまだに手術を続ける医者がいる」と憤る。チューリヒに住む47歳のトリュファーさんは身体の完全性の尊厳のために活動を続けている。

数年前からはメイラ医師のように、医学的に緊急を要さない場合にはすぐに手術するべきではないと考える医者も出てきた。「その子どもにとって何が一番危険なのかを見極めることが重要だ。インターセックスの状態が子どもにとって、身体的に、それとも精神的に危険かということだ。もちろん、親は切迫感でストレスの高い状態にある。しかし、数回の手術を要する幼児の性器形成手術もまた、リスクも含むストレス性の高いものだ」

インターセックス

一つの人権

連邦議会での質疑を受け、政府はインターセックスに関わる問題を「生物医学に関する倫理委員会」に付託した。委員会は昨年秋に「性別を決めるための手術が医学的に緊急を要さない場合には(中略)、倫理的、法的理由から、子どもが自発的に性を選択する前に、性別を明確にしようとするいかなる重要な決定もなされてはならない」とする画期的な勧告を出した。

この勧告は反響を呼んだ。ベルン大学学際ジェンダー研究所(Centre interdisciplinaire d’études genre)のジュディット・ヴィッテンバッハ副所長は「これまで医学に支配されてきた問題に介入する国レベルの第一歩」と高く評価する。「人権は全ての人に適用される。しかし、私たちの公的な社会制度は男か女かによって確立されていて柔軟性がなく、男か女でないと入り込む余地がない」と、この公法の専門家は強調する。

ジュディス・バトラー、『ジェンダートラブル』、1990年

人種的偏見とは、他人の生き方を取るに足らないものとみなす一つの考え方だ。それゆえ、セクシュアルマイノリティーと人種的マイノリティーの闘いは非常に似ているのだ

では、オーストラリアの例のように「第三の性」を作るべきだろうか。倫理委員会はむしろ「出生届に一応性別を記し、後に複雑な手続きなしに届出を訂正できるようにすること」を推奨している。

一方でヴィッテンバッハ副所長は、男か女かに二分された社会に対処するため、少なくとも「性別不確定」の記載を望んでいる。「インターセックスに対する対応は、親と子どもの利益の均衡が取れるものでなければならない。まず第一に、子どもには身体の完全性を侵害されない権利がある。もし両親が子供に代わって何らかの決断を下さなければならない場合、その決断は子どもにとって短期、長期的に見て有益なものでなければならない」と続ける。

倫理委員会の勧告は、前出のメイラ医師にとっては「うれしい驚き」だったと言う。しかし「従来の考え方から方向転換するには、時間がかかるだろう」と考える。そのためメイラ医師は、より強制的な、緊急を要さない場合は手術をさせないといった法律の必要性を訴える。「医学界で倫理的知識が欠けているために、法の力を借りなければならないのは残念なことだが、私の意見では、これが唯一の解決法だ」

https://www.swissinfo.ch/jpn/society/%E4%BA%BA%E6%A8%A9%E3%81%A8%E6%80%A7%E7%9A%84%E3%81%AA%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC_%E7%AC%AC%E4%B8%89%E3%81%AE%E6%80%A7-%E8%AA%8D%E8%AD%98%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%97%98%E3%81%84/34796484
第三の性、認識への闘い



韓国共に民主党のムンジェイン大統領が世界人権宣言の演説をしていました。ローソク革命で誕生したと共に民主党ムンジェイン政権下の韓国は労働環境が良くなり南北関係が良好で脱原発で活気があり朝鮮戦争終戦南北平和統一本当にできるんじゃないかっていう雰囲気であり、共に民主党ムンジェイン政権下の韓国がとても良く見えました。



12・15 私たちの声を国連へ ~国際基準から見た日本の人権状況~ 新倉修さん講演録より抜粋

「国際法から見た日本の刑法・人権状況」(講演録より抜粋)


新倉修(青山学院大学名誉教授/日本国際法律協会理事)
安倍政権は、「国連勧告に従う義務はない」ということを閣議決定しました。これはとんでもないことです。今年は、世界人権宣言70周年にあたる年で、世界中で、70周年を記念する催しが行われています。お隣りの韓国では、文在寅大統領が70周年を祝うスピーチをしました。安倍首相はそれを拒んでいます。小学校の道徳の教科書には、世界人権宣言が谷川俊太郎さんの分かりやすい翻訳で紹介されているものがあります。しかし、文科省の検定に合格した8社の小学校の道徳の教科書の中で、世界人権宣言を取り上げているのは光村図書1社のみ。しかも、世界人権宣言を教えることが学習指導要領にないので、単元ではなく、コラムとして取り上げています。世界人権宣言はバイブルよりたくさんの言語に翻訳されているほど普遍的なものです。これを子どもたちに教えないのは、人権を求めて闘い、獲得してきた国際社会の潮流に反します。マグナカルタ(イングランド王国)、権利の章典(イングランド王国)、人および市民の権利宣言(フランス王国)、世界人権宣言、人権および基本的自由の保護に関する条約(ヨーロッパ人権条約)、ウィーン宣言、人権理事会の設置など国際社会の長年に渡る人権確立の取り組みを現在の日本政府は軽んじています。国連憲章の第9章第55条C項には、人種、性、言語または宗教による差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守することが定められてます。さらに、第56条には、すべての加盟国は、第55条に掲げる目的を達成するために、この機構と協力して、共同及び個別の行動をとることを誓約することとなっています。つまり、日本政府の「国連勧告に従う義務はない」という閣議決定は、国連憲章のこの条項に反するわけです。日本は国連設立時の原加盟国(51カ国)ではありません。日独伊を敵国とする敵国条項(第107条)もまだ改正されていません。日本は国際社会と歩調を合わせていくと約束したので国連加盟を認められたのに、今は金持ちになったんだから何をしてもいいというような態度をとっています。しかも、安全保障理事会の常任理事国になりたいと言っています。ウィーン駐在の元日本大使は国連越境組織犯罪条約の締約国会議に参加したとき、立法を早く通して条約を批准しないと日本は国際社会で非常に肩身の狭い思いをすると発言しました。日本は9つの国際人権条約履行確保委員会に7人の委員を派遣しています。人権機関への拠出金もトップクラスです。それにも関わらず、数々の人権勧告を履行せず言い訳ばかりしています。肩身の狭い思い……というのなら、まず、こうした状況を恥ずかしいと思って欲しいものです。
 
 2013年、国連拷問禁止委員会で、モーリシャスの委員が「日本は自白に頼りすぎではないか。これは『中世』の名残である」と言って、日本の刑事司法制度を批判したことがありました。これに対し、日本代表である外務省人権人道担当大使・上田秀明氏は「日本は『中世』ではない。我々は、この分野(人権問題)において最も進んだ国家である」と発言しました。これには、会場の一部から笑いが起きました。これに対し、上田氏がさらに、「なぜ笑うのか! シャラップ! シャラップ!」と、「シャラップ」を連呼しました。この状況が今の日本政府の人権感覚の欠如を象徴しています。2018年には13人の死刑執行が行われ、世界を驚愕させました。死刑のことを批判されると、世論が支持しているとか、日本の文化だと言い分けします。ところが、英国は死刑を支持する世論があっても、50年前に死刑を廃止しました。やろうという政治意思があればできます。日産のゴーン会長を東京拘置所に長期間勾留しているのもおかしい。カナダで、中国の国際通信機器大手、ファーウェイの副会長の孟晩舟氏が逮捕されましたが、すぐに保釈されました。あれが世界標準です。日本の刑事司法制度が中世のままだと批判されても当然なのです。
 
 2017年、国連人権理事会の特別報告者ジョセフ・ケナタチ氏が、日本の共謀罪法案に対して、「プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる可能性がある」と懸念を表明したことがありました。これについて菅官房長官は「個人として述べたもので、国連の勧告ではない」と述べました。さらに外務省は、G7で、安倍首相が国連のグテーレス事務総長と会談した際に、グテーレス事務総長が「特別報告者は国連とは別人格であり、その報告は必ずしも国連の総意を反映するものではない」と述べたと説明しました。これは明らかに外務省のミスリードです。国連の総意とは何でしょう。総意とは総会で決議したものを指します。特別報告者のジョセフ・ケナタチ氏は単なる個人ではなく、人権理事会の委嘱を受けて調査し、報告しているわけです。その報告は国連総会でも報告され、承認されます。承認されたことは国連の総意です。決して無視できるようなものではありません。マスコミが政府の見解を無批判に報道しているのも問題だと思います。 

 最後に、国連の「人権のために立ち上がろう!」というポスターをご覧ください。まさにこの通りだと思います。人権のために立ち上がりましょう!
 

投稿者 国連人権勧告の実現を!実行委員会 時刻: 21:59
第28回学習会の報告

第28回学習会報告


 2018年10月19日に連合会館で、「日本の難民問題・入管問題」というテーマで学習会を行った。講師は、SYI(収容者友人有志一同)の柏崎正憲さんと織田朝日さんのお二人。SYIは日本の排外的な入国管理政策、特に入管収容に反対する団体で、2009年から活動し、主に収容者との面会や、非正規滞在の外国人の支援、デモ、集会などの活動をしているということだった。大変深刻な人権問題であるためか、会場いっぱいの参加者で、準備した資料が不足するほどの盛況だった。

 まず、柏崎さんから入管施設で、退去命令が出された外国人が無期限に収容されている問題、人権侵害の温床であるという問題が話された。医療へのアクセスも保障されずに、病人が放置されたり、死亡に至ったりする外国人もいるなどの悲惨な例が話された。2007年以降入管施設で合計13人が死亡したそうだ。収容理由や経緯も基準が明確でなく、難民審査が終わっていなくても収容したり、空港で難民申請をしたのに即時に収容されたり、犯していない罪を認めろという国選弁護士の勧めに従ったら実刑がついてビザがなくなり収容された人もいる。無期限の収容に耐えかねて、多くの収容者が自費で出国を余儀なくされている。2016年で強制退去を命じられた7,014人のうち6,575人(93.7%)の人が自費送還されている。2016年ごろから仮放免者の再収容の増加、収容の長期化が進んでいるそうだが、それが「もうすぐオリンピックだから」という理由に、愕然とした(2016年4月7日法務省入国管理局長通知を参照)。

 他方で、日本の難民認定基準も大変厳格で、許可が取れずに結果的に「不法残留」の状態に追い込まれるそうだ。2017年の難民申請者が19,629人いたが、そのうち難民認定が20人、人道配慮による在留許可が45人だった。合計してもわずか全体の0.6%という少なさに、日本の人権尊重主義の欠如、狭量さや、排外性を感じた。技能実習生や留学生が、多額の借金をして日本に来て、労働条件の劣悪さ、賃金の低さの中で、搾取労働の温床になり、そのような劣悪な境遇から逃れようとする人が入管取締のターゲットになっているという状況も話された。

 織田さんからは、東京入管での収容者への面会の実情が話された。いつ収容所から出られるかわからない状況、食事がひどい、時には腐ったものも出されることもある劣悪な状況、持病の薬も日本製でないという理由で差し入れを禁止されるほどの管理体制の厳しさ、医療ネグレクトの実情、トイレしかない部屋で24時間のカメラ監視の下に置かれる「隔離」(事実上の懲罰)措置などの、非人間的な処遇が話された。職員のいじめや馬鹿にする態度、人としての尊重が全くない状態に、収容された人が屈辱を耐えている状態も報告された。仮放免申請を出しても許可が下りずに、何年も収容が続き失望感を持つそうだ。

 質問もたくさん出て、さらに内容が掘り下げられた。また会場からの意見で補充された面もたくさんあった。

 最後に柏崎さんが、日本の入管はなぜ、こんなにも排外的で非人間的なのかという点を補足された。戦前から、植民地の朝鮮から「内地」への渡航者を警察が厳しく取り締まり、戦後は日本にいた朝鮮人を排除するために渡航取り締まりを強化した。在日朝鮮人を全員強制送還すべきだという吉田茂のマッカサーへの具申などもあったが、朝鮮戦争の勃発を受け、米国に後押しされつつ、1950年に入国管理局(当初は入国管理庁)ができた。当初は、「取り締まり」対象は韓国人だったが、バブル景気を経験した1980年代なかば以降には、収容対象者の出身国も多様化していった。そういう歴史を考えると排外主義が幅を利かせている状況が理解でき、改めて人権の問題として社会的に訴えていく必要性を感じた。



投稿者 国連人権勧告の実現を!実行委員会 時刻: 14:52

「国連・人権勧告の実現を!」ーすべての人に尊厳と人権をー

国連・人権勧告の実現を!実行委員会は、様々な分野の人権課題に取り組む団体が連帯し、日本政府に対する国連からの人権勧告を実現するために活動を展開しています。(お問い合わせは jinkenkankokujitsugen@gmail.com までどうぞ◎)







世界人権宣言(仮訳文)
前  文

 人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎であるので、
 人権の無視及び軽侮が、人類の良心を踏みにじった野蛮行為をもたらし、言論及び信仰の自由が受けられ、恐怖及び欠乏のない世界の到来が、一般の人々の最高の願望として宣言されたので、
 人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えることがないようにするためには、法の支配によって人権保護することが肝要であるので、
 諸国間の友好関係の発展を促進することが、肝要であるので、
 国際連合の諸国民は、国際連合憲章において、基本的人権、人間の尊厳及び価値並びに男女の同権についての信念を再確認し、かつ、一層大きな自由のうちで社会的進歩と生活水準の向上とを促進することを決意したので、
 加盟国は、国際連合と協力して、人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守の促進を達成することを誓約したので、
 これらの権利及び自由に対する共通の理解は、この誓約を完全にするためにもっとも重要であるので、
 よって、ここに、国際連合総会は、
 社会の各個人及び各機関が、この世界人権宣言を常に念頭に置きながら、加盟国自身の人民の間にも、また、加盟国の管轄下にある地域の人民の間にも、これらの権利と自由との尊重を指導及び教育によって促進すること並びにそれらの普遍的かつ効果的な承認と遵守とを国内的及び国際的な漸進的措置によって確保することに努力するように、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準として、この世界人権宣言を公布する。

第一条
 すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。


第二条


1 すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。2 さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。



第三条
 すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。


第四条
 何人も、奴隷にされ、又は苦役に服することはない。奴隷制度及び奴隷売買は、いかなる形においても禁止する。


第五条
 何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。


第六条
 すべて人は、いかなる場所においても、法の下において、人として認められる権利を有する。


第七条
 すべての人は、法の下において平等であり、また、いかなる差別もなしに法の平等な保護を受ける権利を有する。すべての人は、この宣言に違反するいかなる差別に対しても、また、そのような差別をそそのかすいかなる行為に対しても、平等な保護を受ける権利を有する。


第八条
 すべて人は、憲法又は法律によって与えられた基本的権利を侵害する行為に対し、権限を有する国内裁判所による効果的な救済を受ける権利を有する。


第九条
 何人も、ほしいままに逮捕、拘禁、又は追放されることはない。


第十条
 すべて人は、自己の権利及び義務並びに自己に対する刑事責任が決定されるに当っては、独立の公平な裁判所による公正な公開の審理を受けることについて完全に平等の権利を有する。


第十一条


1 犯罪の訴追を受けた者は、すべて、自己の弁護に必要なすべての保障を与えられた公開の裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪と推定される権利を有する。2 何人も、実行の時に国内法又は国際法により犯罪を構成しなかった作為又は不作為のために有罪とされることはない。また、犯罪が行われた時に適用される刑罰より重い刑罰を課せられない。



第十二条
 何人も、自己の私事、家族、家庭若しくは通信に対して、ほしいままに干渉され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。人はすべて、このような干渉又は攻撃に対して法の保護を受ける権利を有する。


第十三条


1 すべて人は、各国の境界内において自由に移転及び居住する権利を有する。2 すべて人は、自国その他いずれの国をも立ち去り、及び自国に帰る権利を有する。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/1b_001.html
世界人権宣言(仮訳文)

https://www.moj.go.jp/content/001271449.pdf




https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/pdfs/kiyaku.pdf#00



第 1 章 国際権利章典の成立 1.背 景 国際連合は、「われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨 害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権と に関する信念」(国際連合憲章前文)に基づいて 1945 年に設立されました。 この国際連合の基本法ともいうべき国際連合憲章(以下「国連憲章」と略称)は、第一 条 3 で、「人権及び基本的自由を尊重するよう助長推奨することについて、国際協力を達成 すること」を目的のひとつとして掲げるとともに、第五十五条及び第五十六条で「人権及 び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守」のためにすべての加盟国が「共同及び個別の行動 をとることを誓約する」旨規定しています。 国連の主要機関の一つである経済社会理事会は、この「人権及び基本的自由の尊重及び 遵守を助長するため」の機関として、1946 年に国連人権委員会(Commission on Human Rights)(2006 年 3 月に人権理事会(Human Rights Council)に改組)を設置し、同委員 会に対し、国際権利章典(International Bill of Rights)について提案を行うよう指示しま した。 2.世界人権宣言の作成及び採択の経緯 1947 年の第 4 回経済社会理事会は、国連人権委員会委員長の要請に基づき、国際人権章 典起草のための委員会を設け、オーストラリア、チリ、中国、フランス、オランダ、ソ連、 英国、米国を委員国に選出しました。この起草委員会は、事務局作成の章典概要、英国の 提出した章典案、米国の提出した章典条項案、フランスの提出した宣言条項案を基礎に審 議した結果、法的な拘束力はないが人権保障の目標ないし基準を宣言する人権宣言と法的 な拘束力をもつ人権規約の双方が必要であるとして、その草案を国連人権委員会に提出し ました。起草委員会は、人権規約の実施問題も審議し、メモランダムを国連人権委員会に 提出しました。 1947 年の第 2 回国連人権委員会は、国際権利章典は、人権宣言、人権規約及びその実施 措置の 3 分野のすべてを含むことを決定し、まず人権宣言の検討を行い、これを経済社会 理事会を通じて総会に提出しました。 同宣言案は、1948 年 12 月 10 日に第 3 回国連総会において「世界人権宣言」(Universal Declaration of Human Rights)として賛成 48、反対 0、棄権 8(ソ連、ウクライナ、白ロ シア、ポーランド、チェコスロバキア、ユーゴスラビア、サウジアラビア、南アフリカ)、 欠席 2(ホンジュラス、イエメン)で採択されました。同宣言は、人権及び自由を尊重し確 保するために、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準を定めたものです。 なお、1950 年の第 5 回国連総会において、毎年 12 月 10 日を「人権デー」(Human Rights Day) として、世界中で記念行事を行うことが決議されました。 3.国際人権規約の作成及び採択の経緯 世界人権宣言の作業を終えた国連人権委員会は、次いで、人権規約の作成作業にとりか かることとなりました。 国連における国連人権規約作成の作業は、国連人権委員会における規約草案の作成の段 階と国連総会第 3 委員会における審議及び採択の段階に大別することができます。 (1) 国連人権委員会における草案の作成(1949 年~1954 年) 国連人権委員会は、第 5 回(1949 年)から第 10 回(1954 年)までの 6 会期を費して、 草案の作成に努力しました。 国連人権委員会の第 5 回会期(1949 年)と第 6 回会期(1950 年)においては、第 2 回 会期(1946 年)と 1947 年及び 1948 年の起草委員会とで作られたテキストに基づいて審議 が行われ、一応の草案が出来たのですが、その草案には市民的及び政治的権利(Civil and Political Rights)(いわゆる自由権及び参政権)に関する条項と、その実施措置として自由 権規約委員会(Human Rights Committee)の制度に関するものが含まれていました。 1950 年の第 5 回国連総会においては、世界人権宣言が理想とする「自由な人間」である ためには市民的及び政治的権利が保障されるだけでなく、欠乏からの自由、つまり経済的、 社会的及び文化的権利の確保が必要であるとの観点から、規約草案にこれらのいわゆる社 会権と男女平等の規定を含めることが決定されました。 その後、1951 年の第 6 回国連総会においては、規約草案の作成に当たり、市民的及び政 治的権利に関する規約と経済的、社会的及び文化的権利に関する規約とに分けて 2 つの国 際人権規約を作成することが決定されました。 1954 年、国連人権委員会は、それぞれ実施措置を盛り込んだ 2 つの国際人権規約の草案、 すなわち、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(社会権規約)及び「市民 的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)の草案を作成しました。 (2) 国連総会第 3 委員会における審議及び採択(1954 年~1966 年) 規約草案は、第 9 回総会から第 21 回総会にかけて第 3 委員会において遂条ごとに審議さ れ、種々の修正を経た後、1966 年 12 月 16 日、総会において全会一致で採択されました。 また、これらの両規約のほかに、自由権規約の実施に関連して同規約に掲げる権利の侵害 について締約国の個人が行った通報をこの規約によって設けられた自由権規約委員会が審 議する制度について規定した「市民的及び政治的権利に関する国際規約の選択議定書」(以 下「選択議定書」と略称)が賛成 66、反対 2、棄権 38 で採択されました。 (3) 第二選択議定書の作成及び採択(1980~1989 年) 自由権規約第六条に言及されている死刑制度に関連して、死刑廃止を目的とする選択議 定書草案の起草についての検討が 1980 年の第 35 回国連総会で開始されました。その後、 検討は国連人権委員会及び国連差別防止・少数者保護小委員会(現在の人権理事会諮問委 員会)に委ねられ、同小委員会より任命された特別報告者は、1987 年、議定書草案を含む 報告書を小委員会に提出しました。同議定書草案は小委員会、人権委員会をコンセンサス で通過した後、経済社会理事会を経て、1989 年第 44 回国連総会に送付されました。同草 案は、「市民的及び政治的権利に関する国際規約の第二選択議定書」(以下「第二選択議定 書」と略称)として、同年 12 月 15 日、賛成 59、反対 26、棄権 48 で採択されました。 (4) 効力の発生 社会権規約は、1976 年 1 月 3 日に、自由権規約及び選択議定書は、1976 年 3 月 23 日に、 第二選択議定書は 1991 年 7 月 10 日に、それぞれ効力を生じました。 2008 年 4 月現在の締約国数は、社会権規約が 158 カ国、自由権規約が 161 カ国、選択議 定書が 111 カ国、第二選択議定書が 66 カ国です
第 2 章 世界人権宣言と国際人権規約 第 1 章で述べましたように、世界人権宣言と国際人権規約は、もともと国際権利章典を 作成するという国連での構想の下に作られたものです。従って、両者は密接な関係にあり、 両者が対象としている権利の内容もほとんど共通し、一般に、国際人権規約は、世界人権 宣言に示された権利を詳細に規定していると言えましょう。しかしながら、採択に至るま での時期の相違から若干の違いがあります。 世界人権宣言にうたわれており国際人権規約に規定されていない権利としては、迫害を 免れるため、他国に避難する権利(第十四条1)、国籍をもつ権利(第十五条)、財産を所 有する権利(第十七条)があります。担し、自由権規約第二十四条は、すべての児童の国 籍を取得する権利を規定しています。 また世界人権宣言にうたわれていないが国際人権規約に規定されている権利としては、 自決権(社会権、自由権両規約第一条)、戦争宣伝の禁止等(自由権規約第二十条)、児童 の権利(自由権規約第二十四条)、少数民族の権利(自由権規約第二十七条)などがありま す。 次に、以下の章において世界人権宣言及び国際人権規約の概要を説明しますが、先に述 べましたように両者が対象としている権利内容はほとんど共通しているところから、重複 を防ぐため、権利の具体的内容の詳細については、国際人権規約の概要の章で詳しく述べ ることとします。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/pdfs/kiyaku.pdf#00
世界人権宣言と国際人権規約


https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/kokunaijinkenkikan.pdf


https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/100331943.pdf



女性・性的マイノリティの人権
背景
人間の歴史は、戦争、災害、感 染症、経済情勢の変化など、衝撃 (ショック)の連続であるが、そこで生 じる困難はすべての人間に平等に負 担されてきたわけではない。特に近 代以降、ある属性に基づき、中間 を許さない形で人間を二分し、一方 が他方を従属させる構造が構築・ 再強化され、また、世界中に拡散 されてきた。冒頭にあげた衝撃は、 その構造の中で、従属させられる側 の人間により大きな困難を強いてき た。 そうした属性の1つが「性」に 関するものであり、人間を男性と女 性の2つに分け、前者が後者を従 属させる構造を作り上げてきた。ま た、その構造が前提とする社会文化 的な役割(ジェンダー)を強制し、ま た、その構造にそぐわない性的指 向や性自認、性表現、性的特徴(こ の4つをあわせて「ソジエスク(SOGIESC)」 と呼ぶ)を有する者を排除してき た。そして、その結果、生じる困難 は、人種や障がい、移住等の属性 と交差し、複合的な抑圧状況(イン ターセクショナリティ)を生成し、更なる 困難を人々に経験させている。
 「背景」で記したような構造のなか、女性については、 ジェンダーギャップ指数にもあるように、教育・経済・政 治・保健分野における男女格差が存在し、また、それを克服 した国は存在しない。さらに、後述する国際人権条約上、求 められる諸報告によれば、女性は、家事や育児、介護に関し て大きな負担を強いられている。性的搾取や DV など、ジェ ンダーに基づく暴力も深刻である。 性的マイノリティについては、1970年代後半以降は先進 各国のNGO、2000年代以降はHIV対策事業に取り組む国 際協力 NGO、2010年代以降は UNOHCHR による報告があ る。これらによれば、性的マイノリティは、差別的な法制 度、雇用差別、社会サービスの拒否、憎悪犯罪、家族からの 勘当等、多様な困難に遭遇している。 こうした困難を生み出してきた近代という時代は、同時 に、人権という考え方を生み出し、また、それを支える諸制 度を整備してきた。女性に関していえば、国際的には、戦後 早期に、世界人権宣言や国際人権規約に女性への差別禁止が 書き込まれたが、その後の重要な動きとしては、1979年、 女性差別撤廃条約の採択がある。2022年1月現在、189カ 国が批准する同条約は、前半部分で「女性に対する差別」の 定義や締約国の義務、女性の諸権利、後半部分で条約機関の 設置や締約国による報告等が記載されている。 もう1つ重要な動きは、1990年代、様々な国際会議にお いて、あらゆる政策・事業の計画・実施・評価段階にジェン ダー視点を取り込むという「ジェンダー主流化」が確認さ れ、それが MDGs や SDGs へと継承されてきたことである。 SDGsには、ジェンダーに関しては、目標5が置かれ、さ らに目標10などでも言及されている。そのターゲットには女性・女の子に対する差別や暴力、有害な伝統的慣行の撤 廃、家事・ケア労働負担の平等化、意思決定過程における参 画、性と生殖に関する健康・権利の保障等、女性の人権実現 に向けた目標が書き込まれている。加えて、統計や予算編成 においても「ジェンダー主流化」を図る動きが拡大してい る。なお、日本政府も、2019年末公表の「SDGs実施指針 改定版」において、「国際社会における普遍的価値としての 人権の尊重と、ジェンダー平等の実現及びジェンダーの視点 の主流化」が持続可能な開発にとって不可欠との認識を示し ている。 性的マイノリティについては、女性に見られるような国際 人権条約システムが存在せず、また、SDGs も、多様性尊重 志向が見られるものの、この問題については沈黙している。 しかし、注目すべき取組としては、「ジョグジャカルタ原則 (2006 年)(The Yogyakarta Principles)」と そ の 補 完 版 (2017年)の 採 択 が あ る。こ れ は、「SOGI(ESC)(Sexual Orientation & Gender Identity, Gender Expression and Sex Characteristics)」にどう国際人権法を適用するのか、計38 の原則を記したものである。同原則は、民間団体ながら、元 国連人権高等弁務官が代表をつとめた団体が中心になって策 定し、国際社会に対して一定の影響を与えてきた。実際、同 原則の採択後、国連人権理事会は、「人権と SOGI」決議 (17/19)の採択、日本政府も参加する国連 LGBT コアグルー プの形成を行うなどしている。 それでは、このような女性・性的マイノリティの権利の実現 を、国際開発の現場において、どのように図っていくのか。 人権基盤型アプローチに従えば、①権利保有者のエンパワー メント、②責務履行者の能力強化、③両者が対話する場の設 置と制度化、④これらを支える人権尊重の価値観の共有が必 要だが、筆者自身、事業案件の事前審査に携わってきた経 験、また、ジェンダー平等と人権基盤型アプローチに関する 文献を踏まえ、重要と思われることを1つ記しておきたい。 日本のNGOによる関連事業はなお、①に偏り、②③④に 手薄な傾向がある。また、性的マイノリティについては手薄 以前の状況である。確かに、権利保有者のエンパワーメン ト、しかも個人的・集団的エージェンシーの向上支援はそれ だけで大仕事である。しかし、それは、SDGs に照らして言 えば、目標5やその周辺に紐づけされる事業に留まる。今後 は、目標16や17が求めるように、行政機関と女性・性的マ イノリティとの対話とその制度化、国際人権条約の国家報告 書を契機とした団体間ネットワークへの参画支援等を通じ た、アクター間における社会関係性の対等化とその制度化に さらに取り組む必要があるのではないだろうか。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/100331943.pdf
国際協力と人権


リュ・ヨンジェ|議政府地方裁判所南揚州支院裁判官
 裁判をしていると、被告人が無罪を主張しながらも、一方では「道義的責任を負う」として被害者との合意を試みるケースがまれにみられる。それはありうるとしても、問題はその後に起きることだ。一部の被告は、有罪判決を言い渡されても、合意を酌量して罰金刑や懲役刑の執行猶予など希望する結果を勝ち取ると、態度を変えて裁判結果はすべて偽りであり、自分は無罪であり、被害者に対する道義的責任すら負う必要がないということを言う。被害者は後になって怒り、合意した自分をむしろ責めたりする。そんなときに思う。示談金が支給されたといっても、被害者にとってそれが終わりではないことを。  被害者は、加害行為の不法不当性、被害の認定、加害者の謝罪および反省、事実歪曲を正すことと名誉の回復、再発防止の保障などを認めてほしいと願う。私たちが普段考える「正義」の内容でもある。この「正義」の概念は、国際的にも認められた。1948年の世界人権宣言から、欧州人権条約(1950)、国際人権規約(1966)、人種差別撤廃条約(1965)、米州人権条約(1969)、拷問等禁止条約(1984)などを通して着実に認められてきた。そして2005年12月16日、大韓民国と日本がともに参加した国連総会で全員一致で採択された「被害者の権利の基本原則」(重大な国際人権法違反及び深刻な国際人道法違反の被害者のための救済と賠償を受ける権利に関する基本原則とガイドライン)を通じて再確認された重大な国際人権法違反と国際人道法違反の被害者の権利は、(1)「正義」に対する権利、(2)「賠償(reparation)」に対する権利、(3)「真実」に対する権利を包括している。こうした権利は、「反人道的犯罪または国際人権法違反の行為の事実認定と、これに基づく責任の認定」で始まり、「今後の再発防止のための記録の保存と制度の改善、教育の実行」に続く。金銭的賠償は一部に過ぎず、それさえも、事実と責任の認定がともなわなかったり、記録の削除、事実の忘却、教育の歪曲を条件とする場合、被害者の権利として認められない。  そうした意味で、2018年の日本企業の強制動員労働による人権侵害に関する韓国最高裁(大法院)全員合議体の判決は、大きな進展だ。その当時どのようなことが起きたのかに対する具体的な事実関係が記録され、加害行為の不法不当性およびそれにともなう被害者の損害賠償請求権が大韓民国の法律によって認められた公的文書であるためだ。  にもかかわらず、日本だけでなく韓国内でも公然と、2018年の最高裁全員合議体の判決は、政府の解釈と合致せず誤っており、国際法に違反するものだとする内容が主張されている。それは本当なのだろうか。  大韓民国の法制上、国家間の条約内容の解釈の権限は、行政府ではなく司法府が持つ。司法府が2018年の判決を下した際、条約の締結に関する大韓民国政府の立場を十分に考慮しなかったのか。そうではない。司法府は、強制動員被害者が2005年に日本企業を相手取り訴訟を提起した時から、2018年に最高裁が全員合議体の判決によって裁判を終了するまで、13年間にもわたって裁判を行った。その間最高裁は、韓国政府および日本企業とともに裁判に関する密談をやりとりすることまでしたのであり、韓国政府の立場を十分に聞いたといえる。それほどまでに忠実に政府側の立場を聞いても、「1965年の韓日請求権協定」によって強制動員被害者の日本企業に対する損害賠償請求権が消滅しないという解釈を下したとすれば、韓国政府は、1965年の韓日請求権協定と強制動員被害者の損害賠償請求権に関する最高裁の解釈に従わなければならない。それが法治主義だ。  2018年判決は国際法に反するのか。主に戦後処理などのために、国家間でしばしば締結される「一括補償協定」というものがある。被害国が自国民の被害を含む全体的な被害に対する責任を加害国に一括して問うという内容の条約で、国際法的にその効力は認められてきた。2018年の判決が国際法に違反するという主張は、「日本の不法な植民地統治行為について、韓国と日本が締結した一括補償協定が1965年の韓日請求権協定であるため、その協定の履行を通じて、日本の不法な植民地統治による韓国の被害者の請求権(訴求権)はすべて消滅した」とする内容が主になる。だが、2018年の最高裁全員合議体の多数意見(7人の最高裁判事)は、1965年の韓日請求権協定では日本の植民地統治の不法性に関して両国間の意志の合致が成立しなかったので、植民地統治の過程で発生した不法な人権侵害に関する損害賠償請求権も、同協定の内容には含まれないと判断した。ならば、国家間の一括補償協定によって国民個人の補償請求権が消滅することを認めるとする国際法上の主流の観点からしても、1965年の韓日請求権協定は強制動員被害者が被った不法行為に対する一括補償を含まないため、被害者の日本企業に対する損害賠償請求権は同協定によっても消滅しない。2018年の判決の論理自体は国際法違反にはなりえないということだ。  さらに、「1965年の韓日請求権協定の締結当時、韓国と日本の両国が日本の植民地統治およびその過程で生じた人権侵害行為の不法性に深く共感し、不法な植民地統治および人権侵害の加害国としての責任を負うために、日本が当時の朝鮮人が体験したすべての被害を大韓民国に一括補償するという内容でこの協定を締結した」と仮定しても、そうした1965年の韓日請求権協定によって強制動員被害者の損害賠償請求権自体は消滅しないとする判断(この見解は3人の最高裁判事が取った)について、国際法違反だと断言できるかは疑問だ。深刻な人権侵害に対する被害者個人の権利は、国籍国もむやみに消滅させることはできないとする法理がますます強くなっている国際法の流れに照らしてみた場合の話だ。  2018年の判決で認められた強制動員の被害の実状は、つぎのようなものだ。日本は太平洋戦争を起こして戦時体制に入ると、軍需物資生産に必要な労働力確保にまい進し、日本企業はこれに対して積極的に参加した。日本企業は朝鮮半島から朝鮮人を相手に労働条件をあざむいた虚偽の宣伝を行ったり、官を通じて朝鮮人をあっせんされた後、これらの人々を軍需物資の生産労働力として活用した。被害者が日本企業で実際に働くことになった労働環境は、宣伝または官のあっせん・指示内容とは異なり、きわめて苛酷なものだった。事実上の監禁状態で安全措置なしに非常に危険な労役に強制従事しなければならなかった。労働の強度に比べはるかに少ない量の食事しか提供されず、休息と外出は極度に制限された。被害者には雇用関係を終了する自由は与えられず、逃走を試みて発覚するとむごい仕打ちを受けた。  被害者が被った人権侵害は、韓国に限定されるものではない。人権尊重は人類普遍の価値であり、その尊重を要求するのは文明に対する訴えだ。人権侵害の被害者の権利を尊重した韓国最高裁の2018年の判決は、国粋主義的な判決ではなく、文明の発展に合致する判決に近い。被害者の国籍国である大韓民国が、人権侵害の加害企業らの国籍国である日本との間で未来志向的な解決策を模索することはありうるが、それは被害者の権利を尊重し、韓国最高裁の観点に合致する方向性のもとで進められなければならない。韓国政府が先に注いだというコップ半分に対して、日本が強制動員による人権侵害の存在とその不法不当性に対する認定、謝罪と反省に基づく教育の実行、人権侵害記録の保存で応じないのであれば、その半分は底にひびが入ってなくなってしまったのと同じことになる。 リュ・ヨンジェ|議政府地方裁判所南揚州支院裁判官 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

[寄稿]韓国が注いだ半分、日本が注がねばならない半分
4/3(月) 7:19配信





市民のための政治をとりもどした「ろうそく革命」

郭 辰雄(かく ちぬん)

(特活)コリアNGOセンター代表理事



「朴槿恵大統領は退陣せよ!」

2016年10月、韓国のテレビ局JTBCが大統領の友人である崔順実氏の処分したパソコンを入手してデータを分析したところ、大統領演説の草稿など文書44件を発表前に受けとっていた事実が明らかになったと報道した。

この報道をきっかけにして、いわゆる「崔順実ゲート」事件が大々的にとりあげられ、次々と明らかになる朴槿恵政権の疑惑をめぐり、韓国国内では大統領の退陣を求める国民の声に埋め尽くされていった。

「ろうそくデモ」、あるいはいまでは「ろうそく革命」ともいわれるこの大規模な市民の運動には、10月下旬からは1500を超える団体が参加し、毎週末ごとに大規模な市民集会が開催されてきた。これらは200万人を超える史上最大規模の市民集会であり、回を重ねるごとにその規模も大きくなり、開催地も全国に広がった。それと比例して朴大統領の支持率も急落、韓国ギャラップが11月11日発表した世論調査によると支持率はわずか5%で、19~29歳の年齢層では「支持」は0%、「不支持」は96%という結果であった。

こうしたなか、韓国国会は12月9日、朴槿恵大統領の弾劾訴追案を採決したが、世論の反発が激しさを増すなか、与党セヌリ党の朴槿恵大統領系議員までも多数が賛成にまわり、賛成票234、反対票56で可決された。

弾劾の主な理由としてあげられたのは、①崔順実氏を国政に介入させ、憲法の国民主権、代議制民主主義、閣議に関する規定、大統領の護憲義務などに背いた、②崔順実氏が主導して設立した「ミル財団」と「Kスポーツ財団」の資金集めに関与した贈収賄罪、③両財団に大企業が多額の寄付金を供出したことに関連した、大統領の職権濫用・強要罪、④青瓦台の機密文章が外部に流出したことは「文書流出および公務上の機密漏えい罪」、⑤旅客船セウォル号沈没事故への対応不備は生存権を保障する憲法に違反する、というものであった。

こうした韓国での大統領弾劾の動きに対して、日本国内では「政治的混乱をもたらす」、「自ら選んでおきながら無理やり引き摺り下ろそうとするのはおかしい」などの見方が散見されていた。

たしかに、日本のメディアではこれまでの韓国の民主化の歴史を見ずに、いま行われている大規模な抗議行動だけが切り取られて伝えられるため、「反政府」という印象ばかりが強調されるのかもしれない。しかし市民の行動は終始一貫して非暴力的で平和的であり、あらゆる地域、世代が参加して行われていた。

大統領退陣に追い込んだ「ろうそく革命」は、まさに国民による民主主義の実践であり、国民一人ひとりが自ら考え、社会に参加し、社会を発展させていく過程だったということができるだろう。



市民が勝ち取ってきた韓国の民主主義

ここで韓国の民主主義がどのように発展してきたのかについて少し紹介しておこう。

1948年、アメリカの世界戦略のもとで、ソ連、中国に対抗するためのアジアにおける「反共基地国家」として誕生した大韓民国は、その成り立ちからして国家権力と南北の平和統一や民主主義を求める国民との間の激しい矛盾関係を内包してきた。その矛盾は韓国社会の近代化のなかで市民社会が発展するにともない、反独裁民主化運動として表出した。まさに朴槿恵大統領の父親である朴正熙大統領は軍を基盤とし、財界と癒着し、民主主義を封殺することで権力を維持しようとした人物であった。そしてその時代に多くの犠牲を払いながらも韓国市民は民主化闘争を闘い、追い詰められた朴正熙大統領は最終的には部下の凶弾に倒れることとなった。

1980年に民主化を求める市民の声を、軍部の銃剣によって圧殺して登場した全斗煥大統領も、大統領直接選挙制の実現を求めて数百万人の市民が立ち上がった87年6月民衆抗争によって退陣を余儀なくされ、その後、新憲法のもと韓国社会は本格的な民主化の道を歩み始めたのである。

今回の「崔順実ゲート」事件とは、韓国市民が長年闘い、否定してきた過去の独裁政権を支えてきた構図、すなわち、大統領とその周辺の関係者による密室政治、民主的で公開的な政治手続きの無視、統合進歩党解散に象徴される人権蹂躙と政治的弾圧、財閥や特定個人への便宜供与などの腐敗・癒着、数多くの高校生が犠牲になったセウォル号事件への対応に象徴される国民の生命、人権の軽視などが、いまなお韓国社会に巣食い、社会を支配していることを白日の下にさらけだしたものだった。

だからこそ朴槿恵大統領の退陣を求めていた市民の声は、しだいに韓国社会全体の課題に広がり、当初は政権に対する怒りの場であった広場と路上は「少数者の声が増幅され、討論と熟議が行われる場に進化」(ハンギョレ新聞)してきた。大統領退陣のみならず、検察改革、格差是正と財閥改革、メディア改革、民主主義的制度の発展、マイノリティの人権保障、公開的で開かれた政治の実現など、韓国社会の基本構造を再び立て直そうという市民の要求がそこで深められていった。

それは当時、ソウルでの集会に参加していたある大学生が「社会の民主主義に疑問と無力感を感じていたが、『ろうそくデモ』で、一人ひとりが力を合わせれば政治も財閥も変えていけるという希望を感じた」と語る言葉に象徴されている。



新たな政権への期待

今年の3月10日、韓国憲法裁判所は朴槿恵大統領に対する弾劾審判の判決で、「大統領は憲法と法律によって権限を行使しなければならず、公務遂行は透明に公開しなければならないが、朴大統領は崔順実の国政介入を隠蔽し、疑惑が提起されるたびに隠した」とその容疑を全面的に認め、全員一致で罷免を決定した。

これにより即日朴槿恵大統領は解任、5月9日に大統領選挙が実施されることになった。選挙戦は政権与党であったセヌリ党が分裂し、共に民主党、国民の党など政権交代を訴える野党勢力が優勢のまま闘われ、結果的に共に民主党の文在寅氏が2位に560万票以上という過去最高の得票差をつけて当選を果たした。またその他の野党系候補の得票をあわせると、実に70%もの市民が「政権交代」を望んでおり、大統領就任後の支持率を見ても85%(5月最終週)もの高い支持率を得ており、国民の期待は高い。

就任演説で「統合と共存の新しい世界を切り開いていく」とし、「謙虚な心を忘れずに、すべての国民の大統領になる」と宣言した文在寅大統領は、優先的な課題として、雇用と格差の是正を掲げ、公共部門で81万人、民間部門では50万人の新しい雇用創出と最低賃金引き上げを打ち出し、同時に財閥改革を進めながら、国民生活の安定と改善を図るとしている。

また南北関係についても、これまで強硬姿勢一辺倒であった朴槿恵政権とは違い、「核・ミサイル」の放棄を求める基本姿勢を持ちつつも、民間団体による北朝鮮支援の承認や、2018年に開催が予定されている平昌冬季オリンピックの南北共同チームの提案など、対話を通じた南北関係の改善に向けた姿勢を鮮明にしている。そしてこれらの政策決定にあたっては情報公開と「疎通」が重視され、前政権との違いを浮き彫りにしている。

文在寅大統領はまさに、大統領を退陣に追い込んだ民意を受け止め、「ろうそくデモ」で示された市民の要求をどのように完遂できるのか、歪められた社会正義・公正をどのように回復できるかが問われる政権運営を迫られている。その一つの決意表明が、野党の反対のあるなかで、国連婦人の地位委員会議長や国連事務総長特別補佐官などの要職を歴任した康京和女史の外交通商部長官任命に表れていると言えるだろう。

いま韓国社会は「反日」や「親北」などのイデオロギーの政治ではなく、市民自らが参加し、市民が権力を監視しながら、市民のための政治を実現すべく新しい時代を迎えている。

市民のための政治をとりもどした「ろうそく革命」

https://mottokorea.com/mottoKoreaW/KoreaNow_list.do?bbsBasketType=R&seq=54349


https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10375758_po_02720115.pdf?contentNo=1











登録:2017-06-12 22:30 修正:2017-06-13 07:38

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世界兵役拒否者の日の5月15日午前、ソウル光化門広場で国際アムネスティが開いた記者会見で、兵役拒否で処罰を受けたり、裁判中の良心的兵役拒否者らが兵役拒否者に対する処罰の中止と代替服務制の導入を要求するパフォーマンスをしている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 良心に従っての兵役拒否者に対して、裁判所が相次いで無罪判決を出している。2004年の初めての無罪判決以後30件の無罪判決のうち、40%以上が今年下された。良心的兵役拒否者に対する刑事処罰は過去10年間余り、韓国国民の“良心”を重く押さえつけてきた事案だ。第一線の判事の相次ぐ無罪判決により、韓国社会がもうこうした圧迫から抜け出さなければならないという共感が形成されていることがわかる。

 韓国は世界で最も多くの良心的兵役拒否者が収監された国に挙げられる。4月基準で累積収監者は1万9000人に達し、今も400人近い人が監獄に閉じ込められている。今年5月、国際アムネスティはこうした現実に注目して、韓国政府に対し代替服務制の導入を促した。国家人権委員会も昨年、良心的兵役拒否者を処罰することが憲法に保障された「良心の自由」の侵害にあたると指摘して、代替服務制の導入が必要だという意見を憲法裁判所に提出した。

 一部の人々は、良心的兵役拒否の許容が国防力を弱化させ、国防の義務を回避する手段に悪用されることを憂慮する。しかし最近の判決文が強調しているように、代替服務制が兵役忌避者を量産するという国際的報告もなく、戦闘力に損失を持たらした事例も確認されたことがない。むしろ韓国と境遇が似ている台湾では、代替服務制を許容した後に問題がなく、代替服務期間を軍服務期間と同じに減らした。

 代替服務制は2007年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が導入すると発表したが、翌年発足した李明博(イ・ミョンバク)政府が撤回して原点に戻ったということがある。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、候補時期に代替服務制の導入を公約し、第20代国会に入り、共に民主党のパク・ジュミン議員らも代替服務制法案を発議した。法案の内容は、代替服務期間を現役服務の1.5~2倍に設定し、勤務強度が現役入隊に準ずる分野で24時間合宿形態で服務させるというものだ。この程度ならば国民的同意を得られると見られる。

 良心に従って執銃を拒否するという理由だけで、毎年数百人の若者が監獄に行かなければならない現実は苛酷だ。良心的兵役拒否者を前科者にするのでなく、共同体のために働く機会を与えることが、憲法を守るだけでなく国にも利益を与えると言える。政府と国会は代替服務制の立法化に力を集めることを望む。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/798486.html韓国語原文入力:2017-06-12 18:18
訳J.S(1086字)

http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/27608.html
[社説]良心的兵役拒否者「代替服務」導入を急ぐべき

登録:2017-06-12 22:30 修正:2017-06-13 07:38

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 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が12日、仁川(インチョン)空港公社を訪問し、「任期内に公共部門の非正規職ゼロ時代を切り開く」と明らかにしたのは、公共機関が「良質な雇用」を先頭に立って作るという公約を履行するための第一歩を踏み出したものと評価できる。これとともに、政府の非正規職政策だけでなく、公共機関経営評価の方式もまた質的に変わるだろうという宣言と受け止められる。

 文大統領はこの日、各省庁に公共部門の非正規職の実態に対する全面的な実態調査と非正規職問題を解消するためのロードマップの作成を指示した。これによって公共機関の非正規職問題解決の最初のボタンがかけられたということだ。ウ・ムンスク民主労総未組織非正規戦略事業室・非正規戦略局長は「労働界が10年間要求したが、政府は国庫補助金事業や民間委託社会サービスなど公共部門の間接雇用の働き口を一度も実態調査しなかった」とし、「常時・持続的業務の間接雇用の実態が初めて明らかになるだろう」と説明した。

 丁世均(チョン・セギュン)国会議長が国会の清掃労働者を、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長がソウルメトロと都市鉄道公社の安全分野の労働者を直接雇用したが、政府が先頭に立って公共部門の非正規職ゼロ時代を明らかにしたのは今回が初めてだ。公共部門の非正規雇用は、1997年の通貨危機以降から本格化された。当時金大中(キム・デジュン)政府は国際通貨基金(IMF)のガイドラインに従って公共部門の改革と公企業の民営化を強力に推進した。



文在寅大統領が12日、仁川空港公社で開かれた「訪れる大統領、公共部門の非正規職ゼロ時代を開きます」イベントに出席し、挨拶している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 これまで労働界は、公共機関の非正規職問題を解決するよう求めてきたが、公共機関は政府の定員と予算統制のため仕方がないと対抗してきた。政府が公共機関革新という名目でコスト削減を優先視するため、公共機関はこれに従うしかなかったということだ。仁川空港公社の関係者は「財政規模は悪くないが、企画財政部の指針のために(正規職の)人員と人件費を増やすことができなかった」とし、「政府が公共機関の経営評価基準を変えるなら正規職転換ができない理由はない」と話した。文在寅大統領は公共部門に「雇用にやさしい経営評価制」を導入し、非正規職の削減を誘導すると公約している。この日の仁川空港の1万人を正規職に転換する宣言は、他の公共機関と中央政府、地方自治体が直接雇用に乗り出すシグナルになる見通しだ。2016年現在、公共機関の非正規職は31万2千人に上る。

 公共機関が良質な雇用を拡大すれば、民間部門に対する政府の非正規職制裁も強力になる可能性がある。文大統領は非正規職の使用を入口から規制する「使用事由制限制度」を公約に掲げた。常時・持続的業務は正規雇用を原則とするが、出産・休暇など例外的な場合のみ非正規職を認めるというものだ。

 一方、民主労総はこの日声明書を出し、「大統領の行動は極めて象徴的で意味がある」と歓迎し、「これからは政府と労働組合が会って交渉と協議を通じて、低賃金や非正規職問題などを解決しよう」と提案した。

チョン・ウンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/794533.html韓国語原文入力:2017-05-12 20:17
訳M.C(1600字)

文大統領、公共部門の非正規職ゼロ宣言…「良質な雇用創出」実践の第一歩

登録:2017-05-12 22:09 修正:2017-05-13 07:08

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ムン・ジョンイン世宗研究所理事長 



「THAAD三不合意」というのはマスコミが作り出した用語であって、最初からなかった。一部の主張通り合意や約束をしたなら、これを文書化するか、慣例通り共同記者会見で明らかにすべきだっただろう。さらに、このような韓国政府の立場は、従来の政策に基づいた極めて常識的な説明に近い。この説明のどこに韓国の主権と独立を阻害する屈辱的な要素があるというのか。

 有力な大統領候補のユン・ソクヨル前検察総長のTHAAD(高高度防衛ミサイル)関連発言と、これに対するケイ海明駐韓中国大使の反ばくが波紋を呼んだ。ユン前総長は7月15日、あるインタビューで、THAADの配備は「明らかに韓国の主権的領域」だとし、「(中国が)THAAD配備の撤回を主張するなら、自国の国境近くに配備した長距離レーダーを先に撤収しなければならない」と主張した。ケイ大使は翌日、同じ新聞に発表した反論で「(THAADは)中国の安保利益を深刻に損ない、中国人民が不安を感じているという点を強調」する一方、中国レーダー脅威論を全面的に否定した。

 まず、ユン前総長の発言の一部は事実関係に誤りがある。THAADの配備が韓国の主権的事項であることは間違いないが、これは中国の脅威から身を守るためではなく、北朝鮮のミサイル攻撃を探知し、迎撃するためのものだ。これは韓米両国政府の公式立場でもある。ケイ大使の態度も問題だ。公報官がファクトチェックの報道文を出すだけで済むような事案に対し、大使が前面に乗り出して「韓中関係は韓米関係の付属品ではない」といった刺激的な発言をしたのは、反中感情を持つ一部の人々にはむしろ好材料を提供したことになる。

 ここで、流れ弾に当たったのは文在寅(ムン・ジェイン)政権だ。現政権を批判する人々は、すべての問題の根源が2017年10月に韓国政府が中国と締結したというTHAAD「三不(三つのノー)合意」にあると言う。当時の「合意」は、韓国の「外交権と自主権を放棄した屈辱的約束」であり、米中に対する現政権の戦略的曖昧性を如実に表すもので、将来、韓国の安保に災いをもたらすという主張だ。

 状況を振り返ってみよう。その頃、韓国側は中国の報復撤回と韓中関係正常化のため、中国と2回にわたり非公式接触を行った。ここで中国が4つの問題を提起したという。第一に、配備されたTHAADの即時撤収、第二に、THAADの追加配備に反対、第三に、米国主導の北東アジアミサイル防衛(MD)システムへの参加に対する懸念の表明、第四に、中国を狙った韓米日軍事同盟構築の可能性に対する問題提起だった。

 これに対する韓国側の対応は次のようだった。THAAD配備は、北朝鮮の軍事的脅威に対応するためのものであり、韓米間ですでに合意している事項であるため、変更できない。また、追加配備は様々な条件から困難であり、その点を中国側が懸念する必要はない。また、韓国は金大中(キム・デジュン)政権以来、政権の政治的なスタンスにかかわらず、韓国型MDを一貫して推進してきたため、費用と効果の面で米国主導の域内MDに参加する必要性を感じない。最後に、韓米日3カ国の軍事同盟については、韓国は韓米同盟と韓日米3カ国協力という従来の安保協力の枠組みは維持するが、日本との軍事同盟は日本の平和憲法の改正を前提とするものであるため、考慮の対象ではない。

 このように、当時の韓中間の非公式接触では中国の問題提起に対する韓国政府の対応と説明があったにすぎない。「THAAD三不合意」とはマスコミが作り出した用語であって、そもそも存在しなかったことを意味する。一部の主張通り合意や約束をしたなら、これを文書化するか、慣例通り共同記者会見で明らかにすべきだっただろう。さらに、このような韓国政府の立場は、従来の政策に基づいた極めて常識的な説明に近い。この説明のどこに韓国の主権と独立を阻害する屈辱的な要素があるというのか。特に理解に苦しむのは、中国側が主張する「合意や約束」という表現をそのまま受け入れ、これを根拠に現政権を批判する人々の態度だ。そしてこのような外交的努力おかげで、同年12月に文在寅大統領の訪中が実現し、まだ完全に解消していないが、THAAD配備をめぐる中国の報復制裁も以前に比べて大きく緩和されたのではないか。

 いわゆる「戦略的曖昧性」に関する批判も同じだ。THAADの追加配備を認め、米国主導のMD体制に積極的に参加すると同時に、韓日米3カ国軍事同盟を結び「戦略的明瞭性」を示さない限り、水平的な韓中関係と我々の安全が保障されないという主張は、事実と異なる。しかも、米国と同盟を強化すると同時に、中国と「戦略的協力パートナー関係」を維持するという政府の政策方向に、どのような曖昧性があるというのか。国益の基準からすれば、このような現状維持のアプローチが正しい選択ともいえる。敵味方をはっきり分ける外交で中国との敵対関係を招くことは、経済的理由だけでなく、北朝鮮の核問題を解決し朝鮮半島と北東アジアの平和と安定を築くうえでも望ましくない。

 中国に対する敵視政策を掲げるよう求める声が、果たして国益に合致するのか、そして米中競争に関する論議を政治争点化することが妥当なのか、熟慮しなければならない。



//ハンギョレ新聞社

ムン・ジョンイン|世宗研究所理事長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1006886.html韓国語原文入力: 2021-08-09 02:39
訳H.J

[寄稿]いわゆる「THAAD三不」をめぐる議論と韓国の国益
登録:2021-08-09 06:28 修正:2021-08-09 08:05
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韓国・光州で5月18日、光州民主化運動(光州事件)37周年の記念式典が開催された。5月9日の大統領選挙で当選した文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席したが、そこでの演説が「歴史的演説」として称賛されている。文在寅大統領Facebook公式ページに投稿された式辞(全文)には、4万のいいね!、3200件のシェアにものぼった(5/19 16:30現在)。

大統領が5·18記念式辞に出席したのは4年ぶりだ。朴槿恵前大統領は就任初年の2013年に出席して以来、2014年から昨年2016年まで国務総理を派遣した。李明博前大統領も初年の2008年だけ出席した。

韓国メディアは演説の様子をYouTubeで配信しているが、映像では、文大統領はほとんど手元を見ずに演説を行なった。インターネットメディア・OhmyNewsによると朴槿恵前大統領が4分程度の演説だったのに対し、文大統領は13分間行なった。

■光州事件とは?

朴正煕大統領の暗殺により一度は幕を下ろした軍事独裁政権だったが、粛軍クーデターにより、軍部の一部勢力が政権の実権を事実上掌握した。軍の実権を握っていた全斗煥(チョン・ドゥファン)氏は1980年5月17日、非常戒厳令を全国に拡大し、金大中氏や金泳三氏ら有力政治家を連行した。

軍事政権の復活を警戒する学生らの民主化デモは韓国全土に広がり、激しさを増していった。韓国南部の光州では空挺部隊が投入され、市民への発砲や暴行が行われた。「5.18記念財団」によると、認定された死者は154人、行方不明者70人、負傷者1628人に上る。

戒厳軍が市内を制圧するまでの間(80年5月27日まで)、光州市内の電話は通じなくなり、メディアも情報統制された。このため、光州市内で何が起きていたのか、真相は長く明らかにならなかった。当時撮影された写真から、光州事件の様子を知ることができる。


■文在寅大統領、光州事件の民主化運動を「誇らしい歴史」と振り返る

文大統領は記念式辞を通して「5·18精神を憲法前文に盛り込むという私の大統領選公約を守り、 真の民主共和国の時代を切り拓く」とし、「5·18民主化運動は全ての国民が記憶して学ぶ、誇らしい歴史として位置付けられるだろう」と明かした。

また「5·18は不義の国家権力が国民の生命と人権を蹂躙した私たちの現代史の悲劇だった」とし、「大韓民国の民主主義はこの悲劇の歴史を踏みしめて立ち上がった。光州の犠牲があったから、私たちの民主主義は持ちこたえて、再び立ち上がることができた」と強調した。

「しかし、強烈な独裁の暗闇の中でも国民は光州のともしびをたどって、一歩ずつ前に進んだ。光州の真実を伝えることが民主化運動となった」と語った。

つづいて、文大統領は「釜山で弁護士として活動した私も違わなかった」と明かした。

光州の真実は私にとって無視できない怒りであり、痛みをともに分かち合うことができなかったという、あまりにも大きな負い目でした。その負い目が民主化運動に乗り出す勇気をくれました。それが私を今日、この席に立つまで成長させてくれた力になりました。

また「新たに発足した文在寅政府は、光州民主化運動の延長線上にある」という点を強調した。彼は「新政府は5.18民主化運動とろうそく革命の精神を重んじ、この地の民主主義を完全に復元する」とし、「光州の英霊が安らかに眠れるよう、成熟した民主主義の花を咲かせるだろう」と誓った。

文大統領は「新政権は5·18民主化運動の真相を究明するのに、大きな更なる努力をする」と約束した。「ヘリ機による射撃まで含めて、発砲の真相と責任を必ず突き止める」としつつ、「5.18の関連資料の廃棄と歴史歪曲を防ぐ」という。


文在寅大統領と丁世均(チョン・セギュン)国会議長が5月18日午前、光州北部にある国立5.18民主墓地で開かれた37周年5.18民主化運動記念式で遺族の追悼式辞を聞く中、涙を流している。ⓒNEWS1

以下、文大統領の記念式辞の全文だ。

尊敬する国民の皆様。

今日5.18民主化運動37周年を迎え、5.18墓地に立って、非常に感慨深いです。37年前、あの日の光州は、私たちの現代史で一番悲しくて痛ましい場面でした。

私は80年5月の光州市民をまず思い浮かべます。誰かの家族であり、隣人でした。平凡な市民であり、学生でした。彼らは人権と自由を抑圧されない、平凡な日常を守るために命をかけました。私は大韓民国の大統領として、光州の英霊の前で深く感謝申し上げます。5月の光州が残した痛みや傷を秘めたまま、今日を生きていらっしゃる遺族と負傷者の皆様にも深い慰労の言葉を申し上げます。

1980年5月の光州は今なお生きている現実です。いまだに解決されていない歴史です。大韓民国の民主主義は、この悲劇の歴史を踏みしめて立ち上がりました。光州の犠牲があったからこそ、私たちの民主主義は持ちこたえて、再び立ち上がることができました。私は5月の光州の精神でもって、民主主義を守ってくださった光州市民と全南道民の皆様に格別の尊敬の言葉を差し上げます。

尊敬する国民のみなさん。

5.18は不義の国家権力が国民の生命と人権を蹂躙した私たちの現代史の悲劇でした。 しかし、これに対抗した市民の抗争が民主主義の道しるべを立てました。真実は長い間隠蔽され、歪曲され、弾圧されました。しかし、厳しい独裁の暗やみの中でも、国民ら、光州のともしびをたどって一歩ずつ進みました。光州の真実を伝えることが民主化運動となりました。

釜山で弁護士として活動した私も違いませんでした。私自身も5.18の時に拘束されましたが、私が経験した苦痛は大したことではありませんでした。光州の真実は私にとって無視できない怒りで、痛みをともに分かち合うことができなかったという、あまりにも大きな負い目でした。その負い目が民主化運動に乗り出す勇気をくれました。それが私を今日この席に立たせるまで成長させてくれた力になりました。

5月の光州はとうとう、昨冬に全国を灯した偉大なろうそく革命として復活しました。不義に妥協しない怒りと正義が、そこにありました。国の主人は国民であることを確認する喊声が、そこにありました。国を国らしくしようという激しい情熱とひとつになった心が、そこにありました。

私はこの場であえて申し上げます。新たに発足した文在寅政府は、光州民主化運動の延長線上に立っています。1987年6月抗争と金大中政権、盧武鉉政権の流れを継いでいます。

私はこの場で誓います。新政府は5.18民主化運動とろうそく革命の精神を重んじ、この地の民主主義を完全に復元するでしょう。光州の英霊が安らかに眠れるよう、成熟した民主主義の花を咲かせます。

私たちの社会の一角では依然として、5月の光州を歪曲して毀損しようとする試みがあります。容認できないことです。歴史を歪曲して民主主義を否定することです。私たちは多くの人々の犠牲と献身で成し遂げられたこの地の民主主義の歴史に自負心を持たなければなりません。

新政府は5.18民主化運動の真相を究明するのに、大きな更なる努力をします。ヘリコプター射撃まで含めて、発砲の真相と責任を必ず突き止めます。5.18関連資料の廃棄や歴史歪曲を防ぎます。全南道庁(*1)の復元問題は、光州市と協議して協力します。

完全な真相究明は進歩と保守の問題では決してありません。常識と正義の問題です。私たち国民みなが共に培わなければならない民主主義の価値を保存することです。

5.18精神を、憲法前文に盛り込むという私の公約も必ず守ります。光州の精神を憲法に継承する真の民主共和国の時代を切り拓きます。5.18民主化運動はやっと全ての国民が記憶して学ぶ、誇らしい歴史として位置付けられます。5.18精神を憲法前文に盛り込み、改憲を完了できるようにこの場を借りて国会の協力と国民の皆様の同意を丁寧にお願い申し上げます。

尊敬する国民の皆さん。

「あなたのための行進曲」は単なる歌ではありません。5月の血と魂が凝縮された象徴です。5.18民主化運動の精神、そのものです。「あなたのための行進曲」を歌うのは犠牲者の名誉を守り、民主主義の歴史を記憶しようということです。今日「あなたのための行進曲」の斉唱はこれまで傷ついた光州の精神をもう一度蘇らせることになるでしょう。今日の斉唱でもって不要な論争が終わることを望みます。

尊敬する国民のみなさん。

2年前、珍島・彭木港に5.18の母が4.16の母(*2)に送った横断幕がありました。「あなたの無念がよく分かる。頑張ってください。倒れないでください」という内容でした。国民の生命を踏みにじった国家と国民の生命を守れない国家を痛烈に叱る叫びでした。二度とこのような無念さが繰り返されないようにします。国民の生命と人の尊厳を天のように尊重します。私はそれが国家の存在価値だと信じます。

私は今日、5月の死と光州の痛みを自身のこととして世に知らせようとした多くの人々の犠牲と献身も共にたたえたいです。

1982年光州刑務所で光州真相究明のため、40日間の断食ののち、獄死した29歳、全南大学の学生のパク・ガンヒョン。

1987年、「光州事態責任者処罰」を叫びながら、焼身自殺した25歳、労働者のピョ・チョンドゥ。

1988年、「光州虐殺真相究明」を叫び、明洞聖堂教育館4階から投身自殺した24歳、ソウル大学の学生のチョ・ソンマン。

1988년、「光州は生きている」と叫び、崇実大学の学生会館の屋上で焼身自殺した25歳、崇実大学の学生のパク・レジョン。

多くの若者が5月の英霊の魂を慰め、身を投じました。責任者処罰と真相究明を促すため、命をかけました。国家が責任を放棄している時、すべからく明かして記憶すべきことのために自身を捧げました。真実を明かそうとしていた多くのジャーナリストや知識人も強制解雇されて投獄されました。

私は5月の英霊らと共に、彼らの犠牲や献身を無駄にすることなく、これ以上、悲痛な死と苦難がない大韓民国へと進みます。誠(真実)が嘘に勝つ大韓民国へと進みます。

光州市民にもお願い申し上げます。光州の精神で犠牲となり、生涯を生きてきた全国の5.18をともに記憶してください。もう差別と排除、銃刀の傷跡が残した痛みを踏まえて、光州が正義の国民統合の先頭に立ってください。光州の痛みが痛みにとどまらず国民みんなの傷と葛藤を抱く時、光州が差し出した手は最も丈夫で、強い希望になるでしょう。

尊敬する国民の皆さん。

5月の光州の市民らが分かち合った「おにぎりと献血」こそ私たちの自尊の歴史です。民主主義の本当の姿です。命が去来する極限状況でも、節制力を失わず、民主主義を守り抜いた光州の精神はそのままろうそく広場で復活しました。ろうそくは5.18民主化運動の精神の上で国民主権時代を開きました。国民が大韓民国の主人であることを宣言しました。文在寅政府は国民の意思を尊重する政府となることを光州の英霊の前で宣明します。

互いが互いのために、互いの痛みを労わう大韓民国が、新しい大韓民国です。常識と正義の前に手を差し出す人たちが多くなるほど、崇高な5.18精神は現実の中で生きる価値として完成することでしょう。

もう一度、謹んで5.18英霊らの冥福を祈ります。

ありがとうございます。

* 2016年冬、ソウル・光化門では連日、朴槿恵氏の弾劾を求めるデモが行われた。「ろうそくデモ」と呼ばれるものだ。だが、朴槿恵氏の弾劾要求デモ以前にも、同じ場所で遺族や市民団体などがセウォル号の真相究明を要求してきた。イエローリボンはセウォル号事件の追悼の象徴だが、光化門には今でもイエローリボンのモニュメントが置かれている。

*1 光州事件当時、市民が占領したのが全南道庁だった。

*2 セウォル号事件のこと。

ハフポスト韓国版より翻訳・加筆しました。

文在寅大統領「現代史の悲劇だった」 民主化運動を弾圧した光州事件から37年(声明全文)

韓国・光州で5月18日、光州民主化運動37周年の記念式典が開催された。文在寅大統領が出席したが、そこでの演説が「歴史的演説」として称賛されている。

허완— HuffPost Korea

2017年05月19日 18時5分 JST





韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は4月27日、朝鮮半島の「完全な非核化」を目標とする「板門店宣言」に署名し、発表した。その全文をハフポスト日本版で試訳した。全文は以下の通り。

韓半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言

大韓民国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長は、平和と繁栄、統一を願う全同胞のひたむきな意向を込めて、韓半島で歴史的な転換が起きている意味深い時期に、2018年4月27日、板門店の平和の家で、南北首脳会談を行った。

両首脳は、韓半島にこれ以上戦争はなく、新たな平和の時代が開かれたことを8千万の我が同胞と全世界に厳粛に宣言した。

両首脳は冷戦の産物である長年の分断と対決を一日も早く終息させ、民族的和解と平和繁栄の新しい時代を果敢に向かって行き、南北関係をより積極的に改善して発展させていくべきだという確固たる意志を込めて、歴史の地・板門店で次のように宣言した。

1.南と北は、南北関係の全面的・画期的な改善と発展を成し遂げることで、途切れた民族の血脈をつないで共同繁栄と自主統一の未来を早めていく。

南北関係を改善して発展させることは、すべての同胞の一途な望みであり、これ以上先送りできない時代の切迫した要求だ。

ⓛ南と北は、わが民族の運命は自ら決定するという民族自主の原則を確認しており、すでに採択された南北宣言とすべての合意を徹底的に履行することで、関係改善と発展の転換的局面を切り開いていくことにした。

②南と北は、高官級会談をはじめとする各分野の対話と交渉を早期に開催して、首脳会談で合意された問題を実践するための積極的な対策を打ち立てていくことにした。

③南と北は、当局間協議を緊密にし、民間交流と協力を円満に保障するために、双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城地域に設置することにした。

④南と北は、民族的和解と団結の雰囲気を高めていくために、各界各層の多方面的な協力と交流、往来と接触を活性化することにした。

内部では6.15をはじめ、南と北の両方に意義がある日を契機に、当局と国会、政党、地方自治体、民間団体など各界各層が参加する民族共同行事を積極的に推進し、和解や協力の雰囲気を高めながら、外部では2018年アジア競技大会をはじめ、国際試合に共同で進出し、民族の知恵と才能、団結した姿を全世界に誇示することにした。

⑤南と北は、民族分断により発生した人道的問題を早急に解決するために努力し、南北赤十字会談を開催して離散家族・親戚の再会を含む諸問題を協議し、解決していくことにした。

来たる8.15をきっかけに、離散家族・親戚の再会を進めることにした。

⑥南と北は、民族経済の均衡的発展と共同繁栄を実現するために、10.4宣言で合意された事業を積極的に推進していき、1次的に東海線および京義線鉄道と道路を連結し、現代化して活用するための実践的対策を取っていくことにした。

2.南と北は、韓半島で先鋭化する軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するため、共同で努力していく。

①南と北は、地上と海上、空中を含むすべての空間で、軍事的緊張と衝突の根源となっている相手側に対する一切の敵対行為を全面中止することにした。

来たる5月1日から軍事境界線付近で、拡声器放送とビラ散布を含むすべての敵対行為を中止して、その手段を撤廃し、今後の非武装地帯を実質的な平和地帯にしていくことにした。

②南と北は、西海の北方境界線一帯を平和水域にし、偶発的な軍事的衝突を防止し、安全な漁労活動を保障するための実際的な対策を打ち立てていくことにした。

③南と北は、相互協力と交流、往来と接触が活性化されることによる様々な軍事的保障対策を取ることにした。

南と北は、双方の間で提起される軍事的な問題を、滞りなく協議・解決するために、国防部長官会談をはじめとする軍事当局者会談を自主開催し、5月中に将官級軍事会談を開くことにした。

3.南と北は、韓半島の恒久的で強固な平和体制構築に向けて、積極的に協力していく。

韓半島で、正常とはいえない、現在の休戦状態を終息させ、確固たる平和体制を樹立することは、これ以上先送りできない歴史的課題である。

①南と北は、いかなる形の武力も互いに使用しないことに対する不可侵合意を再確認し、厳しく遵守していくことにした。

②南と北は、軍事的緊張が解消されて、互いの軍事的信頼が実質的に構築されることによって段階的に軍縮を実現していくことにした。

③南と北は、休戦協定締結65年になる今年に終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築に向けた南・北・米三者または南・北・米・中四者会談の開催を積極的に推進していくことにした。

④南と北は、完全な非核化を通じて核のない韓半島を実現するという共同の目標を確認した。

南と北は、北朝鮮側が取っている主導的な措置が韓半島の非核化に向けて非常に有意義で重大な措置だという認識を共にして、これからそれぞれ自身の責任と役割を果たすことにした。

南と北は、韓半島の非核化に向けた国際社会の支持と協力のために積極的に努力することにした。

両首脳は、定期的な会談とホットラインを通じて、民族の重大事を随時、真摯に議論して信頼を厚くし、南北関係の持続的な発展と韓半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくために、共に努力することにした。

文在寅大統領は、今年秋に平壌を訪問することにした。

2018年4月27日

板 門 店

大韓民国大統領 文在寅・朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長 金正恩

https://www.huffingtonpost.jp/entry/panmunjeonm-koreasummit_jp_5c5b7bdbe4b0faa1cb67fee4
「板門店宣言」の全文を、取り急ぎ日本語に訳してみました

韓国・文在寅大統領と北朝鮮・金正恩氏が4月27日、署名して発表

ハフポスト日本版編集部

2018年04月27日 19時29分 JST



韓国大統領に就任した文在寅氏が、環境・エネルギー面で独自色を打ち出した。大気汚染悪化の原因である老朽石炭火力発電所10基を6月に一時停止し、来年にさらに10基停止すると公表した。また原子力発電所も老朽のものを閉鎖、建設中のものは見直し、今後40年で原発に頼らないエネルギー政策に切り替えるとしている。





 発電停止対象の10基は、江原道、全羅道、忠清南道、慶尚北道の各地にある操業から32年~44年が経過している老朽火力発電所。この10基が現在の大気汚染物質の20%を排出しているという。韓国は中国からの黄砂やPM2.5の飛来も多いが、国内でも石炭火力が59基と多いため、ソウル市内などでもばいじんによる健康被害問題が深刻化している。



 文氏は大統領選挙期間中、就任後に、こうした大気汚染問題に取り組むことを宣言していた。韓国の大気汚染による健康被害は深刻で、2060年を見据えたOECDの調査でも、先進国中で単位当たりで、もっとも多くの死者を出すと推計されているほどだ。



文在寅大統領



 そこで、大気汚染の原因となる石炭火力の操業を低下させる発生源対策に加え、影響の低減策として、小学校から高校までの1万1000校に600億ウォン(約5300万㌦)をかけて、ばいじん測定設備を設置する。石炭火力の稼働低下によって、ばいじんの排出量を現状より30%削減することを目標とする。



 また原発についても、操業期限が到来した老朽原発については、日本のように操業を延長せず、期限通りに閉鎖する。安全性を重視するためという。また現在建設中の新規原発についても計画の見直しを行う。そのうえで、今後40年以内に「原発なしの国」になることを目指すとしている。



 文氏は「われわれは、もはや安全とクリーンなエネルギーを目指すことで(他国に)遅れをとっていられない。石炭火力と原発を減少させ、再生可能エネルギーと天然ガスの発電を増やしていく」と化石燃料と原発からの脱却を宣言した。



ただ、現在、韓国の発電の40%は石炭火力で最も多く、次いで原発の30%となっている。天然ガス発電は25%だが、再エネは2%でしかない。このため、想定通りの天然ガス・再エネ切り替えには、エネルギー安定供給のリスクがある、との指摘もある。



https://qz.com/983626/moon-jae-in-south-koreas-new-president-is-shutting-down-10-big-coal-power-plants-in-his-first-week-in-office/

http://www.koreaherald.com/view.php?ud=20170515000815

https://rief-jp.org/ct4/69951
韓国の文在寅新大統領、老朽石炭火力10基の一時停止を命令。老朽原発も閉鎖、新規建設見直しへ。「脱化石・脱原発」のエネルギー政策を打ち出す(RIEF)

2017-05-17 02:50:56



イム・ジョンソク大統領秘書室長が16日、南北首脳会談準備委員会(準備委)の初会議を終えた後に明らかにした南北首脳会談の「3大議題」は、歯車のような構造を成している。朝鮮半島の非核化や恒久的平和定着、南北関係の進展が歩調を合わせて回り出してこそ、朝鮮半島情勢も先に進むことができるからだ。

 準備委委員長のイム室長がこの日真っ先に取り上げた議題は「朝鮮半島の非核化」だ。大統領府関係者は「究極的な問題は非核化」だとし、「特使団の訪朝内容を見ると、北側も今回本質的な問題を解消するという立場ではないかと思う」と話した。南北首脳会談で朝鮮半島問題の“本質”である非核化問題を取り上げることに、南北の間で異論がないということだ。

 非核化は、朝鮮半島内部の問題であると同時に、朝米を中心とした国際問題でもある。2000年と2007年の首脳会談当時に比べ、北朝鮮の核・ミサイル能力がはるかに高度化しただけでなく、今回の会談に続き、北朝鮮の核廃棄問題をめぐり談判を行う史上初の朝米首脳会談も予定されている。したがって、南北首脳会談では非核化に対する原則を改めて強調する一方、朝米の談判に先立ち、南北両首脳がこれと関連し、胸を開いて話し合う必要がある。

イム室長が南北首脳会談の2番目の議題に「画期的な軍事的緊張緩和を含めた恒久的平和定着」を挙げたのは、「体制安定」に対する北朝鮮の憂慮を払拭してこそ、非核化対話を実際に進展させることができるからだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、平昌(ピョンチャン)冬季五輪閉幕式に出席するために訪韓した金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長に、「非核化の方法」を具体的に提示し、説明した。これに対し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は今月5日、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長などの訪朝特使団との面会で、非核化原則を明らかにしつつも、北朝鮮に対する軍事的脅威の解消と体制安全の保障をその前提として掲げた。チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「北朝鮮に対する従来の体制安全保障案は、朝米関係の正常化と平和体制」だとし、「今回の会談では、北朝鮮が憂慮する安保的状況を南北関係で補完する形で、平和共存を制度化する必要がある」と指摘した。

 「新しく大胆な南北関係の進展」も前の2つの議題と関連している。非核化過程の進展によって平和ムードが作られれば、国際社会の対北朝鮮制裁措置が解除され、南北関係も実質的な進展を成し遂げられるからだ。大統領府関係者は「根本的な問題に進展があってこそ、経済や交流も拡大できる」と話した。非核化と平和定着問題でどこまで成果が出せるかによって、南北関係の進展の幅も変わるということだ。

 ひとまず南北首脳間の直通電話(ホットライン)が開設され、板門店(パンムンジョム)で実務型の首脳会談が開かれるなど、出発はこの上なく良い方だ。政府が今回の会談を「第3回南北首脳会談」ではなく、「2018南北首脳会談」と呼ぶのは、南北の首脳がいつでもまた会えることを示すためと言える。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「国際法上、依然として“一旦停止”状態の朝鮮戦争の終戦を宣言し、南北関係の未来を規定する基本協定づくりに向けた共同推進機構を設置する問題などにまで、議論を拡大していく必要がある」と指摘した。

チョン・イナン、キム・ボヒョプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

[ニュース分析]非核化と体制安全の「ビッグディール」を仲裁

登録:2018-03-17 03:43 修正:2018-03-17 09:18

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南北会談3大議題の意味 
 
北朝鮮は体制安全、米国は非核化望んでいる 
文大統領が直接仲裁者として乗り出し 
朝米談判の地均しをするという意味 
国際社会の対北朝鮮制裁が解除されれば  
南北関係も実質的進展する



朝鮮半島平和定着の構想を始動 
推進委員長務めた10・4宣言の時も 
「南北、3カ国4カ国終戦宣言に協力」を明示 
中国も合流した場合は北東アジアの平和体制の動力に 
文大統領「当面の目標だけではなく先を見据えるべき」 
 
平和体制の構築における「米国の役割」を強調 
南北合意だけでは平和担保できない 
朝米関係の正常化超えて経済協力を強調 
朝米の国交正常化・対外経済への障害解消してこそ 
北朝鮮の改革・開放「普通の国」への道が開かれる


 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が21日、南北首脳会談準備委員会で「南北米3カ国首脳会談」の実現可能性を示唆し、今後の会談を通じて朝鮮半島の核と平和問題を完全に終わらせなければならないと述べた。4月末の南北首脳会談と5月の朝米首脳会談以降について、文大統領が描いている朝鮮半島平和定着の構想の一端を明かしたのだ。両会談を通じて非核化問題を含む朝鮮半島情勢に突破口が用意されれば、朝鮮半島で冷戦体制を終わらせ、平和共存の制度化に向けて朝鮮戦争の公式的な終戦を宣言し、経済協力と外交関係などを含めた「朝米関係の正常化」を推進する意向を明らかにしたものと解釈される。

 文大統領は同日の会議で、朝鮮半島の恒久的平和体制に向けた米国の役割を繰り返し強調した。朝鮮半島の平和定着は、南北間の合意だけで実現するわけではないという点を明確にしながら、「米国の保障が必要だ」と述べた。文大統領は特に「それには、朝米関係が正常化しなければならない。さらに、朝米間の経済協力まで進展しなければならない」とし、首脳会談準備委員会がこのような目標と見通しを持って会談の準備に取り組むよう指示した。現在の停戦体制では、南北が終戦宣言をして平和協定を締結したとしても、米国をはじめとする朝鮮半島周辺国の保障がない限り(恒久的平和体制の実現は)不可能だ。したがって、終戦宣言と平和協定、さらに朝米間の敵対関係の清算と経済協力はもちろん、朝米国交正常化まで念頭に置いた大きな枠組みの中で、北朝鮮に対する体制安全保障を制度化する方策を作ってこそ平和体制が確立すると見ている。

 文大統領のこのような構想は2007年、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時、南北首脳会談推進委員長として取り組んだ「10・4宣言」(南北関係の発展と平和繁栄のための宣言)を見ると明確になる。2000年の初の南北首脳会談の成果である「6・15宣言」の継承を皮切りに、計8項目で構成された10・4宣言の第4項で、南と北は「現在の停戦体制を終息させ、恒久的な平和体制を構築していかなければならないという点で一致し、直接関連した3カ国または4カ国首脳が(朝鮮)半島地域で会談し、終戦を宣言する問題を推進するため協力していく」ことで合意した。

 「3カ国または4カ国首脳」は停戦協定の署名当事国である米国・中国・北朝鮮、または戦争当事国である韓国と北朝鮮・米国・中国を意味する。したがって、南北に続き朝米首脳会談まで順調に進むと、南北米3カ国首脳が集まり、朝鮮半島の非核化と恒久的平和体制に向けた次の手順について協議することも可能になる見通しだ。ここに中国まで加わると、朝鮮戦争に終止符を打つ終戦宣言と共に、北東アジアにおける多国間平和体制の構築に向けた土台になり得る。大統領府関係者は「文大統領が準備委員会で目標やビジョンについて多く語った」とし、「当面の目標に向けた実務的なレベルだけで進めず、先を見据えて取り組んでほしいという趣旨だった」と話した。

 文大統領が「朝米間の経済協力」の重要性を強調したのも同じ脈絡からだ。非核化の進展によって対北朝鮮制裁が解除され、北朝鮮がいわゆる「普通の国」として国際社会の一員になるためには、何よりも朝米国交正常化と共に、北朝鮮の対外経済活動を妨げている米国の各種国内法の改廃が行われなければならない。これを通じて、国際通貨基金(IMF)と世界銀行への加盟が先行してこそ、北朝鮮も改革・開放に進む可能性がある。過去、中国とベトナムも米国と国交を正常化し、両機関に加入した後、本格的に改革・開放政策を推進することができた。

 キム・ウィギョム大統領府報道官は、文大統領が「今回の南北首脳会談の合意文に過去2回の首脳会談で合意した基本事項をすべて盛り込んで、国会批准を受けるように準備するよう」指示したと伝えた。文大統領は、大統領選挙候補時代から南北関係の持続性を維持するためにも、南北間の合意事項の国会批准を通じた「制度化」が重要だと強調してきた。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「これまでの合意事項と今回の会談の内容を忠実に盛り込めば、ドイツ統一の礎となった『東西ドイツ基本条約』同様、法的拘束力を持つ『南北基本条約』が作られることになるだろう」と話した。

キム・ボヒョプ、チョン・イナン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/837162.html韓国語原文入力:2018-03-21 22:56
訳H.J

[ニュース分析]文統領、南北・朝米会談が順調に進めば「終戦宣言」も推進

登録:2018-03-22 04:23 修正:2018-03-22 08:01

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「南北米3カ国首脳会談」取り上げた意味






韓国の市民10人のうち7人は4月末に開かれる南北首脳会談が南北関係の発展と朝鮮半島の平和定着に貢献するだろうと考えていることが分かった。

 大統領諮問機関である民主平和統一諮問会議が15日から18日まで、世論調査専門機関のリサーチ・アンド・リサーチに依頼し、全国の成人男女1000人を対象に行った「2018年度第1四半期・国民の統一世論調査」で、回答者の70.1%が4月の南北首脳会談が「南北関係の発展と朝鮮半島の平和定着に貢献する」と答えた。「貢献しない」という回答は25.2%に止まった。南北首脳会談の議題について問う質問に、回答者の50.3%が「朝鮮半島非核化推進」を挙げており、軍事的緊張緩和(36.8%)、朝鮮半島平和体制の構築(33.4%)、離散家族再会など人道問題の解決(32.2%)などがその後を続いた。

 今後の南北関係についても、回答者10人のうち6人(62.2%)は「良くなる」と肯定的な見通しを示した。「変わらない」(27.2%)や「悪くなる」(6.4%)という意見は相対的に少なかった。また、回答者2人のうち1人(50.1%)が北朝鮮を「協力・支援の対象」と認識しており、統一の必要性については、回答者10人のうち8人(79%)が「必要だ」と答えた。

 5~6日、平壌(ピョンヤン)を訪問した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対北朝鮮特別使節団の成果として「北朝鮮の非核化および朝米対話の意思表明」(38.1%)を1位に挙げた。「対話期間核・ミサイル実験の停止および韓国に対する核・在来式兵器の不使用を確約」(20.1%)、「第3次南北首脳会談の板門店(パンムンジョム)開催合意」(17.3%)などが続いた。一方、政府の対北朝鮮政策に共感するという回答は69.6%で、共感しない(26.9%)という回答を大きく上回った。今回の調査は電話面接方式で行われ、信頼水準95%に標本誤差±3.1%だ。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/836985.html韓国語原文入力:2018-03-20 21:02
訳M.C

市民10人中7人が「南北首脳会談、平和定着に貢献」

登録:2018-03-21 07:23 修正:2018-03-21 14:59

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民主平和統一諮問会議の世論調査結果