球技がヘタなほど運動神経が良いという話

「運動が嫌い」と思っている人は実は「学校の体育教育が嫌い」なだけかも?共感の声が多数集まるTL
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この話を見て、小学校の頃、父親が口から血を流して家に帰ってきたことを思い出した。

「会社の野球大会で、ボールが当たって前歯が折れた」と言う。

谷口家は伝統的に球技がヘタなのだ。私もヘタだし、学校の球技大会などは私がプレイするとみんなが爆笑するので本当にイヤだった。女子生徒の「なにやってんのよ…」という声が聞こえてきて哀しかった。

だから小中高と、周囲も自分も運動神経が悪いものだと思っていた。

しかし意外な事件から、その認識はガラっと変わる。高校2年生の時、滋賀県の甲西駅の自転車置き場で、知らないヤンキーに絡まれた。どうも学校でイヤなことあったらしく、特に理由もなくいきなり殴られたのだ。

呆然としたが、殴られても何もできない自分が情けなかった。そうして近所の空手道場に通うことにした。それから大学に入っても空手部に入り、3年生の時に主将になった時のことだ。

ある日ふと球技のことを思い出して、後輩に「俺、運動神経悪いからな」と言うとみんなが笑った。不思議に思って聞くと、冗談を言ってるのでしょうという。いつのまにか、運動神経が良いと思われていたのだ。

そこで武道系の人に聞きまわってみると、同じように、球技がヘタだったという経験をもつ人が多いことがわかった。そのため、小中高で運動がコンプレックスになっていた方もまた多かった。

そこで、ふと思い出したのは「ドラえもん」ののび太だ。のび太は運動神経がゼロだが、射撃だけは天才的な才能をもっているという不思議な設定だ。

しかし自衛隊の方から「足が遅いやつほど、不思議と射撃が上手い」という話を聞いたことがある。意外にリアリティのある設定なのかもしれない。

もしかしたら、ある分野のカラダの動かし方が苦手なほど、その分野と対極的な分野では、人よりも得意な可能性があるのではないか?

もしそうなら、色の補色のように、なにが対極な分野なのかが分かれば、ヘタな事から得意な事もわかるのではないだろうか。(そういった研究あるのかな?)


例えば球技と武道はかなり離れた分野だ。

そもそもなぜ学校では球技が多いのか?戦後、武道は一時禁止されたと聞くが、その時にできるだけ武道から離れたものが奨励されたのではないだろうか。その結果、本当は武道が得意な人が、運動神経が悪いと思って、生涯才能に気づかずにいることもあるのではないか。

実際に私もヤンキーに殴られなければ、ずっと運動神経が悪いと思って生きていただろう。

よく考えれば球技はかなり特殊なルールのスポーツだ。テニスのラリーが延々と続くときにたまに冗談で思うのだが、こんなに遠回りして勝敗を決めるよりも、直接ラケットで叩きあった方が決着が早いのではないか、と。

なにが言いたいかというと、球技はルールがやたら多いのが特徴だ。一方で武道は安全に関するルールはあっても、相手に対して直接的に戦うので、球技に比べれば自由度は高い。

つまり、ルールが多い分野が苦手なヘタな人は、ルールが少ない分野のカラダの動かし方が得意なのではないか。逆もまた真だが。

たから「運動神経が悪い」「運動神経が良い」といった評価は、ざっくりしすぎていると思う。学校によって運動神経が悪いと思い込んでいる方は、ぜひ色々な運動を試してほしい。

私が空手にハマったのは、ずっと運動神経が悪いという劣等感があったので、空手でやけに褒められたことが快感だったからだ。だから運動神経が悪いと思って劣等感があるほど、継続する可能性があるのではないかと思う。

読んでくれてありがとう!