見出し画像

化粧品販売コーナーで妻の横に座る非モテのオレ。オトコのアンチエイジングはコスパがすこぶる良いと確信した。

「ご主人様もぉ〜、お子様もぉ〜、ご一緒にぃぃ〜、どうぞお座りください〜」

百貨店の化粧品販売コーナーで、妻の尻にしかれて子どもたちとゾロゾロと歩いていたら
揃いの制服で、ひっつめたような髪型、決まりまくったメイクの店員から、
そう呼び止められた。

そこにズラリと陳列された
美を追い求める商品たちのネーミングに目をやると、

「パーフェクト」
「クリア」
「モイスト」
「モイスチャー」
「リキッド」

完全体、永遠性、水々しさ。
アンチエイジング。
回復してる感。
それは見事なまでに若がえりのフレーズ。

企業のターゲットのメインはいつだって女性。美を追い求める女性は、そのたぐいの言葉に惹かれまくり、年齢を重ねても自身への投資を忘れることを知らない。

オトコの“アンチエイジング”はコスパがすこぶる良い(キリッ)

ボクは社会人になってからというもの流行りのツーブロックに流されることもなく、周囲から“カツラ疑惑”を持たれながらも、首尾一貫してウッチャン内村光良ヘアである。

それだけ髪が長いと、
表層の毛をめくれば内側に大量の白髪が見つかり、たまに鏡の前でこれをやって、ウギャっと言いながら軽く興奮を覚える。
それはなんとなく、川辺で巨大な石を裏がえして、虫がウヨウヨいたときの興奮によく似ている。

ついにはその興奮を自分だけで終わらせたくなく居ても立っても居られずに妻や子どもに
“見てみー”と、
自慢にもならない老化自慢を始め、「うえー」の反応を頂いたあとに、そそくさと上半身ハダカになって毛染め液で髪をオールバック。

そしてグラサンかけて、
「タモリです」
と言ってクスリと笑わせる。

これが我が家の毛染めの茶番劇。
一連の流れだ。
昨晩もその茶番劇をガツンとかました後に、白から黒褐色に染めた。


当たり前だが、人間は年を取ると、
“普通”を維持するだけでお金がかかる。

電車通勤の同世代、それ以上の“中年メンズ”を見ていてつくづく思う。
ボクはオトコでよかったな、と。

髪はボサボサ、
服はシワシワ、
肌はカサカサ、

もはや「最低限の清潔感」も満たしていない人が半分以上もいるのだ。

一方で女性。
年齢関係なく大半が小綺麗にして、そして99%が化粧をし、スペックを上げる努力を怠っていない。

ここがボクがオトコで良かった、と思う所以ゆえんである。

以前、こんな記事を書いた。

需要はある。でも供給がない。そういう道はおそらく「美味しい」のだ。
〈中略〉
人が群がって果実を奪い合う場所よりも、
人が集まらない地味な場所に落ちている‘’甘い木の実‘’を探すことに勝機がある。

つまるところ
‘’非モテのボクが、モテるためにとる戦略‘’
のまるでそれである。

強いやつは人気のあるところに集まってくる。だから不人気のところに行けば、甘い果実を掴むチャンスは増えるのだ。

我が記事『いいかい。仕事は‘’非モテ戦略‘’「競争を避けること」で劇的に楽しくなるのだ。』一部抜粋

ボクの人生観。
ボクの持論。

見た目の印象は相対評価だから、
女性のようにみんなが小綺麗にして、みんなが化粧してスペックを上げている中で自分が努力しても「他の人に比べて見た目が良くなる効果」は小さい。

しかし、おっさんの場合は、
何もしていない人が半数以上もいるので、見た目への投資は非常にコスパが良い。

肌をみずみずしく保つこと。
青ヒゲを残さないこと。
体型を維持すること。
歯を白くすること。
白髪を撲滅すること。

たったこれだけの投資で、
キモおっさんのボクなんかでも

年齢より若く見えるね、
美意識高いね、

なんて若い子から言ってもらえて、
そのたびに胸が“キュン”とできちゃうのだ。

そう。
何度でも言おう。

オトコの“アンチエイジング”はコスパがすこぶる良いのだ。

美容クリニックは、おっさんが思っているほど敷居が高くない

ボクは、じいちゃんになってから水戸黄門のようなヒゲをしようと思ってもムリ。
official髭男dismスタイルもできないし、
イスラム教への入信も諦めた。

ボクのヒゲは、もうきっと
ほぼ生えてこない。

遡ること8年前。

S南美容クリニックでヒゲ脱毛を約10ヶ月かけて完了させた。
それ以降、毎朝、面倒だったシェービングはなくなり、出張や旅行先にシェーバーを持参することもない。もちろん夕方に青ヒゲが気になることもない。

当時は美意識から脱毛を決意したわけではなく、タイムイズマネーを超重視するボクは、ヒゲ剃り自体が毎朝の苦行でしかなかった。

シェービングに一日5分使っているのなら、年間30時間もこれに使うことになる。
仮に20歳から80歳までシェービングし続けるとしたら、合計1800時間もの時間が無価値な時間に消える。
それだけでなく毎日、ジョリジョリ剃ることで肌に傷がつき、ばい菌が入りやすくなり、その結果、吹出物ができやすくなる。
だから当時のボクは自分の口周りを人に見られるのがとてもイヤだった。

そこで、ヒゲ脱毛を決意し、
値段的にも、クチコミ的にも良かったS南美容クリニックへ行くことに決めた。

値段にして5万円ちょっと(6回コース✕2)。
これで永久とまでは言えないが、1週間に1回剃れば十分の域にまで達する(大半の場合)。

脱毛できてからの生活。
先にも書いたが、
これが本当に楽である。

きっと、いまボクのnoteで初めてこの実態を知ったヒゲに悩むメンズにとっても、
いまの苦労と5万円を天秤にかけると、迷うことなく一瞬で結論は出るのだ。
やりたい、と。

が。
一歩が踏み出せない。
なかなか。

び、美容クリニック……

わかる。

たしかに、こんなに図太い神経をしているボクでさえも、初めてS南美容クリニックに行くと決めたときは予約をとるところから、とても恥ずかしい思いをした記憶がある。

アラサー非モテオトコが一人で、
美容クリニックに行って、どんな目で見られるのか。恥ずかしくないだろうか...勧誘すごくないだろうか…
なんて思った。

しかし。

ここで断言するが、
全く恥ずかしくない。
そしてボクが行ったS南美容クリニックのことしか分からないが、強い勧誘は一切ない。

待ち時間の客層は、老若男女、様々。
女性6、男性4の割合。
入ってしまえば小綺麗な歯医者さんの待合室とまったく変わりがない。そこで人目を気にしている人は誰一人とていない。

ボクの場合はヒゲ脱毛であったが、
仮に隣に座っていたおっさんが大整形を待ち構えていようとも、美容に関心がある“同志”としか思わないし、変な目でみる感覚はそこでは生まれない。
オレも、アンタも、綺麗すぎる受付のネーチャンも、そこにいる人はみーんな
目的を同じにした“同士”
なのだから。


ホワイトニングだってそう。

高価なリナメルの歯磨き粉を使って、フィリップス電動歯ブラシで日々磨きまくれば、たしかに汚れや歯石をキレイに除去できる。
しかし、歯を今より白くして印象をあげようとするならば、これではまずもって無理。
ボクが、朝・昼・晩きちんとやって、それでも白さが徐々に維持できなくなるのが何よりの証拠である。

白くするためには、
過酸化水素が使える“医療系(≠美容系)”の歯医者でホワイトニングするのが一番手っ取り早い。

ホワイトニングほど、やって損することが一つもなく数多くある美容の中でも最もハードルが低いものである。

だから白くしたいと興味がある人は、
悩むことなく医療系のホワイトニングをさっさと始めた方がいい。

ボクは、Sターホワイトニングに行き、
最初は集中的にグッとトーンを上げるために4万円程度要したが、それで歯科衛生士の方から「(あなたの歯における)限界値に近い白さ」と言われるようになってからは、

1〜1.5ヶ月に1度ホワイトニング(2,750円/回)するだけで、そのラインを維持できるようになった。

たしかに一部の芸能人のように極端に白くしたい場合は歯を削って人工的な歯を入れる(インプラント)大修繕をしなければならないが、そこまでしなくとも、初対面の人に
「歯、白っ」
と言われるレベルにはなるので、ボクはそれで十分だと思う。


と……

長々と非モテが偉そうに美容について語ったが、おカネよりも、歯が白くなるのも、脱毛完了するのも時間がかかる。それも半年以上。

もし、コスパを考えてやってみたいな、
と思うのならば、
悩む時間が一番のムダなので、さっさと始めちゃったほうがいい。

何度でも言おう。
もう一度言っておこう。

オトコの“アンチエイジング”はコスパがすこぶる良いのだ。

アートを半分完成させ、いよいよ化粧品を売り込む女性販売スタッフ

「旦那さまぁぁ、見てくださ〜い。奥様のお顔、左右で全然違いますでしょぉぉ」

ニヤけながらボクの方を向く妻。

え?
…わからない。

子どももキョトンとしている。
ボクは素直に、
“いやわからへん”
と言った。

「実は左側だけに、下地にこちらの化粧水と乳液を加え直しているんですよぉぉお。右は先ほどまでのままですううう。ぜんぜん違いますよねぇぇえ」

左右の違いがボクにはいまいちわからない。
子どもはやっぱりキョトン。

妻は、
“はい、ぜんぜん違う!これすご〜く良い!”
と言って目を輝かせている。

ボクは女性販売員が手に持った、いままさに売りこもうとしている手のひらサイズの化粧水の値札にパっと目をやった。

え!?目を疑った。
い、い、い、1万5000円!!??
その小さい瓶が??そないすんの??

いや、ちょっちょっちょっ。

美を追い求める女性の強さ、そして女性店員の気圧から逃げるように、ボクは子どもたちと一緒に、妻を残して逃亡してしまう。

1時間後に合流。
ボクは茅乃舎のだしを手に持つ。
妻はオススメされた化粧水を持っていた。
それが理由なのかなんなのか分からないが、妻は終日ご機嫌であったが、まったくその意味がわからない。

結局、競争の激しい女性の世界で、
美を追い求めるとは、
かくも厳しく、摩訶不思議なものなのだ。

あぁ、ボクはオトコでよかったな、
と、改めて……

そう。
つくづく思うのであった。

※本文は“非モテ”のボクの妄想による“個人的意見”であり、一般論だとは思っておりません。それぞれの人がそれぞれの個性を無理なく楽しむことが絶対的に正しく、それが一番です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?