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齢44なるおっさん。絶対に負けられない闘いがここにはある。ボクは先週、クマを退治してきました。

激闘の末、
それがなんと“ほぼ”無傷で帰還した。

ん。
待て。


ブラウザを閉じるのを待って欲しい。
テレビゲームのクマだなんて、くだらないオチは言わないから。

リアルだ、リアル。

ウソつけ、それならニュースでゆづおを見ているはずだ、と思うかもしれないが、これは正真正銘の、りあるマジなのだ。

ボクのnoteを楽しみにしてくれている希代の変態noterさんに、本日はお詫びをしたい。
クマ退治の激闘を伝えるため、期待の“ウンコ”と“エロ”の話は一旦封印する。

なぜボクはクマ退治でダメージを負わず、
“ほぼ”無傷で生還出来たのか。

『大真面目』な激闘感動物語。
本日は、その一部始終。
りあるドキュメンタリーをお届けしたいと思う。

話はさかのぼ

花吹雪が舞う4月。

ボクは、疎遠にしていた客先に訪問した。
商談室に通してくれたのは、事務職として働く2年目のOL。顔立ちは沖縄出身で目鼻立ちが濃く、どことなく黒木メイサに似ている。

取引額が小さいため、
ボクが同社に訪問することはほとんどないが、それでも彼女はいつも親しみをこめてとびきりの笑顔でボクに話しかけてくれた。

その日も例外なく
案内された商談室に入った途端、
彼女はボクの顔をしっかりとみて軽いノリで話しかけてきた。

“おひさしぶりですね。あれ?少しお疲れじゃないですかぁ。働きすぎて目の下にクマができてますよ。もっと休まなきゃです” 

さらりと気遣われた。

これだけはハッキリと言える。
彼女に悪意も嫌味もクソもない。
あれほど綺麗に優雅に「クマ」を指摘できる女性を、ボクは知らないと思ったくらいだから。

でもこのさりげない気遣いに対して、
なぜだか分からないけれども、心の奥底でヒヤっとした感覚が沸き起こった。

疲れていない。
働きすぎでもない。

皆様のおかげで毎晩8時間以上、ぐっすりと眠ることが出来ている。
それなのに指摘された、目の下のクマ。

ヒヤっとした正体は恐らく、
老化の現状認識によるものだ。彼女に会わなかったこの半年間で着実に劣化が進んだ、という客観的な事実。

併せて、やっぱりお美しい子からオジサン化を指摘されたことから来る、
オスとしての本能、
つまるところの羞恥心。

きっとその2つであろう。

さてと…
なんて返答しようか。

返答次第では、
「え?こいつおっさんのくせに、老化の自分を受け入れられていないの?」
とキモがられてしまう。

自分が23歳の時に44歳のおっさんが、年齢からくる老化現象を受け入れまいと、必死にもがいた発言をしていれば、
“いやいやあなたもう…”
と、思っていたから。

ここは、オジさんと認めてヘラヘラしよう。

オジさんを認めたところでボクに失うものはない。既婚者、アラフォー。子どもの友達からは、「おじちゃん」と呼ばれている。

相手が黒木メイサといえ、
もう、好きだ嫌いだ、いやんばかんの一線からは退いた。
だからいいのだ。

よし、

腹をくくった。

と、
その瞬間だった。
意に反して、自分の口からは想像もつかない言葉が飛び出した。

「そ、そうなんですね。ここ半年、コロナ明けで多忙でしたので。それと、9月に100㎞も走りました。人生で一番か二番目に結構やばめな半年で、昨晩も実は2時間くらいしか…………で…………そして、……あひゃひゃ…それでぇ…」

次から次へと、彼女が聞きもしないような苦労話を、意味不明な多忙な近況の話を、しまくったのだ。物凄い勢いで。

とんでもない鼻息で。

純粋な彼女はそれを黙って聞きながら
目をまん丸にして驚いた顔をみせたが、何を隠そう、一番驚いていたのはボク自身であった。

100㎞なんてまるっきり完走していないし、なにより我が社はコロナに業績が影響されなかった業種。そしてホワイト企業を株主にアピールするほどに勤務時間も休日も“the規則”どおり。だからプライベートの時間はしっかりと確保されており、連日8時間以上、睡眠は確保できている。

おっさんと思われたくない。
若い子からモテたい。むしろスゴイと思われたい。スゴいと思われてモテたい。その強い思いが、信じられない強烈な世界観を生み出し、ボクは平気で嘘をつく選択をした。
老化からきたクマの出現を、疲れと寝不足の原因に押し付けてしまったのだ。

驚きをもった彼女から
次々と投げかけられる質問。
ボクは、必死にそれをイナして
ウソまみれの回答をし続けたが、

ストレスフリーで眠りまくって全く疲れていないという現実と、
仕事のストレスが顔に出てきているという現実。

相反するその二つの現実が交錯し、
次第に危険な化学反応を起こしだす。

ああ、これ以上はもう無理だな。

そう思ったところで、
タイミングよく部長が商談室に入ってきて、黒木メイサとの会話は強制的に中断された。

助かった。

彼女は
「しっかり休んでくださいね~(ニコッ)」
ととびきりの笑顔でそう言い残して、部屋を退出していった。

商談が終わると、ボクの頭を占拠したのは部長との商談内容ではなく、彼女から指摘されたクマのことだった。

目の下のクマ。

ボクは、車に戻ると即座に、
ルームミラーで
マジマジと自分の顔をみてみた。

普段、鏡を見る時、人生で一度も気にしたこともなかった目の下なのに、
それこそ、その日の朝、顔を洗ったときでも気にならなかったのに、

急に気になるようになった。

たしかにしっかりとある。
プヨプヨしているクマ。

光の加減かな。
そう思って妙なポーズを取ったり、おぼこい顔をしてみたり様々なパターンで確認するも、クマだけはどうしても消えない。

あれ。昔からだっただろうか。
ボクは、Googleフォトで1年前、3年前、5年前の自分の顔を確認した。
どうだろう、う〜ん、よくわからない。

気にし過ぎかもしれない…

仕方がない。帰って妻に聞いてみるか。
出会って20年近くボクをみてきた彼女になら、わかるかもしれない。

直感的にそう思ったボクは、
家に帰って、妻に率直な意見をもらうことに決めた。


「ああ、たしかにそうやね。言われてみると目立ってあるね。なんか対策してみたらいいやん」

ボクの顔をマジマジと見つめた妻は、
そうボクに進言すると、すぐにスマホに目を落とした。

おぉ…対策をしてみたら……とな。
予想外の言葉にしばらくの間、ボクが戸惑っていると、

 「ほら、あった。amazonに目の下に貼るとシャキッとするものがあるよ。試しにそれを買ってみたらいいやん」
そう言って商品ページをボクのLINEに送ってきた。

この言葉、この即座の行動。
ボクは彼女が錯乱したのかと思った。

若さを売りにする最前線からは、はるか遠くほうむられてしまったおっさんのボクに美容商品への投資を促すなんておかしい。今までヒゲ脱毛もホワイトニングも家庭内稟議は承認されず、ボクの小遣いからやってきたのだ。

それをクマ対策は家計から出してくれるという。

しかし、

すぐに気付いた。

妻は数日前に1万円近くする化粧品を買っていた。その罪滅ぼしでボクに2千円くらいのものを良しとしたのだろう。
2千円くらいのもので釣っときゃ、この借りを次回の化粧品に使えばチョロいもんだ、
といっているような意味深な表情を浮かべ、それを購入するよう強く勧めてきた。

この野郎。
と思うのが常だか、
このときは、ありがたき提案に思えた。
彼女が対策をすることをとりあえずは許容してくれているのだから。

よし、そこまで言ってくれるなら、

と。
ポチっと……

いや。

ん、

んーー、
ん゙ーーーーー、

ボクはポチる寸前に迷った。
たったの2000円にすごく迷った。

妻の提案通り、対処療法でいくのも確かにいい。が、抜本的になくならないではないか。面倒くさがりぃのボクに続くわけがない。

あ、そういえば、
ボクには貯めてきた出張の日当がある。

じょ、じょ、除去手術…

迷った。

まよった。

マヨった。

時間をかけて迷った。


そして6月某日。

ボクはなんと、
ヒゲ脱毛でお世話になったS南美容外科にカウンセリングへと向かっていた。

………

………というか、
ここまでで3000文字大幅超か。
未だ激闘に一歩も足を踏み入れていない笑

どうしようか。
次回に続く?
いや笑

ここまでザーッと書いてきて、
途中から、この先のアラフォーおっさんの手術台でのクマとの激闘、美容に誰が興味あるのだろうかと、少々の疑問が生まれてきた笑

ねーだろよ。
だったら誰に向けてレポを書いているのだろうか、という、そもそも論すらある。

でも大腸内視鏡レポだって、
そもそも論やしな。それがボクのnoteなのかもしれないけれど。

…と、どうするか。
1週間、頭を冷やしてじっくり考えます笑


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