【消滅都市】タロットシリーズ考察 スグル&サユ【死神】

YouTubeにて消滅都市のタロットシリーズをウェイト版タロットの象徴や背景と結び付けてキャラの特性や性質を深堀りしております。
今回はYouTubeに投稿した死神のタロットについての補足です。

死神のタロットについて、YouTubeの説明欄に記載した内容と一部重複していますのでご了承願います。

■時代によって変容した死の象徴
ほぼすべてのカードが残っているとして最古のタロットと呼ばれている
「ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット」というバージョンのカードがあります。
このタロットの死神には弓を携え鉢巻をした骸骨が描かれていました。

※鉢巻には目隠しと同じ意味合いがあるようですが、目を隠すと眼球がない骸骨の特徴が失われてしまうため鉢巻にしたという説があります。

ヴィスコンティ版タロットが制作された時代は、中世ヨーロッパを中心に疫病(ペスト)が猛威をふるっていた時期でした。
そのような疫病の被害を受けて当時は「死は誰でも平等に突然訪れる」として死の擬人化を描いた骸骨姿の絵画や音楽作品などが広まっていったそうです。
ちなみにカード名に死神やDEATHという名称はありませんでした。

■マルセイユ版タロットの登場
その後、16世紀から18世紀にかけて普及したマルセイユ版タロットは鎌を持った骸骨に描写が変わりました。
こちらもカード名は無題ですが「死と税金からは逃れられない」として肉体や精神の死の象徴として刈り取る骸骨が描かれています。

■ウェイト(ライダー)版タロットの登場
対してウェイト版タロットは大きくデザインが変わり、大きな旗を持ち白馬に乗る骸骨が描かれました。

19世紀に制作されたウェイト版タロットは物理的な死ではなく、象徴的かつ精神的な死をあらわしていると考えられています。
カードの図像には倒れた王や立ち尽くす聖職者、周辺には目を背けている少女や骸骨を真っすぐ見ている子供も描かれており、それぞれの立場で死と向き合っていることをあらわしています。

みなさまは、死神のタロットを初めて見たときに不気味さや怖いイメージを持つかもしれません。
しかし、このタロットは人間関係を断ち切ったり仕事を辞めて転職するなどといった新しい巡り合いやスタートを切れる、前向きな意味合いに捉えることもできるのです。

時代の流れとともに死の象徴も変わり、ウェイト版タロットでは神秘主義の思想を取り入れた図像に変化しました。古代エジプト文明の儀式にあるように、死の形態は常に変容し多様化しているもののようにも思えます。

◾️消滅都市のスグル&サユ
消滅都市の死神のタロットは『刈り取る者』としての意味で考えならばマルセイユ版タロットの解説が適していたのかもしれませんが、消滅都市のストーリーや意図を汲みとるためウェイト版タロットメインで進行させていただきました。

スグルがベオからタロットを受け取ったとき
スグルの天使の力=再生、復活
サユの死神の力=死、破壊

として、本来の2人の力がタロットにも反映されたのかもしれません。

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