【消滅都市】タロットシリーズ考察 ホシ【星】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクターおよびタロットシリーズの考察となります。

ホシに関しましてタロットカードの星→月→太陽と連動する内容になっています。
ぜひ、消滅都市のストーリーやキャラクターたちと重ね合わせながら読んでいただきたいです。

また、ホシ・ツキ・タイヨウを別視点で知っていただくため

このキャラたちは

・西洋占星術
・ユング的思想(心理学)
・錬金術
・ギリシア&ローマ神話

これらの解説を中心に掘り下げています。

後半の記事にはノスタルジアに関わるセリカ・ソルも少々触れていますので、よければ併せてお読みください。

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■タロットカードに描かれた星の数と形
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もしお手元にウェイト=スミス版のタロットがありましたら消滅都市のタロットと見比べて欲しいのですが

ウェイト=スミス版には
小さな星→7つ
大きな星→1つ

合計8つの星に八芒星をかたどった形状があります。
人によってさまざまな解釈がありますので断言はできませんが、ウェイト版を考案したアーサー・E・ウェイト氏によると

・小さな星7→7惑星(曜日の由来となった惑星)
・大きな星1→シリウス(恒星)

だと示しています。

▼参考書籍
・The Pictorial Key To The Tarot Arthur Edward Waite
 (著:アーサー・E・ウェイト)
・シークレットオブザタロット
 (著:マーカス・カッツ/タリ・グッドウィン 訳:伊泉龍一)

ウェイト氏は自身の所属していた魔術結社「黄金の夜明け団(the Golden Dawn)」で使用していたタロットのデザインを改変して8つの星を採用しました。
これは神秘主義思想や彼らの理念が絡んでいるようなので、もし気になる方がいましたら調べてみてください。

元のデザインを考慮すると
消滅都市は物語に関連性がないデザインを
敢えて独自のアレンジに変えているように見えます。

たとえば、
消滅都市に登場した星のタロットでは

小さな星→5つ
大きな星→1つ

合計6つとなっています。

これは属性の数(火・水・木・光・闇)のようにも考えられますし大きな星を自らの【希望】として捉えることもできると思います。
(ただし、そうであるか定かではありません)

ただ、私はホシの立場で考えたとき
大きな星は輝く星の性質として【金星】ではないかと思い動画ではシリウスと一緒に金星も紹介させていただきました。

これはツキの話にも繋がりますので
次回の動画投稿の際にお確かめください。

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◾️★5旅の果てホシのイラストに描かれた星の意味
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タマシイに描かれたギザギザの星は、おそらく「ベツレヘムの星」を模しているのではないかと思います。キリスト教ではキリストの誕生を知らせた特別な星だとされています。

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■ホシが憧れたもの
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ベオからタロットを受け取り失われし世界に渡った以降(通称:大人ホシ)と
別の世界線として書かれた『小説版 消滅都市』を読んだ際の感想ですが
ホシがユキに惹かれた理由は

①母親と父親の元で暮らせずに実験室に閉じ込められていた

②知識を得られないよう本が読めない環境にいた

③たまたま同じ研究所で同じような境遇の少女を見かけた

④自分と同じ家族がいない境遇だと思い親しみを感じていた

1度目の消滅が起こった世界では
子どもの直感的な感覚でユキに家族的な親しみを感じていたのではないかと推察しています。

自分のように、孤独で両親もいないと思っていたユキのもとに突然タクヤが現れて研究所から連れ去った。子どもの感情ではいきなりタクヤが親近感を覚えていたユキを連れ去ったとなると肯定的な気持ちになりづらいかと思います。

ですから、このユキに抱く家族的な感情のまま成長した姿で失われし世界のユキと出会ったときには、子ども心のなかにも愛情が芽生えていたのかもしれません。

ホシが本当に憧れていたものとは
ユキのなかにみえた家族的な愛情もあるのかと思いました。

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■ホシ=星?
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星のタロットを受け取る以前のホシ(子ども)が
何の実験を受けていたのかを知るには、
少しだけ錬金術の話をさせてください。

錬金術とは、
化学の技術を用いて
卑金属を黄金に変えたり
不老不死の身体を手に入れようとする
一攫千金形式でお目当ての物質を作ることを目的とした業です。
(ただしこれは表向きです)

その錬金術の最初の工程に
様々な文献や著者のなかには

・孤児または息子
・寡婦=父と死別や離別した母

を示すものもあります。

そのせいか、
世の中の物語には未婚や未亡人、孤児など
同様の題材やテーマを組み込んだ作品も多く存在するのではないかと思います。

それは消滅都市にも同じことがいえます。
孤児をモチーフとした孤児院の子供たちが登場し、
組織の実験体として命を落としていきました。

いわゆる賢者の石という物質を錬成することが錬金術の最終目的ですが、

この工程通りの実験を組織が行おうとしていたのなら、サイドストーリーの孤児院の登場人物は錬金術の原理を成すために孤児でなければいけなかったのかもしれませんし、孤児を見守る先生はママでなければならなかったのかもしれません。

同様に、
ツキとホシも組織の実験を成功させるためには
夫のいない女性とその息子という条件が成り立たなければなりません。


(父)タイヨウ
(母)ツキ
(子)ホシ

ですが、タイヨウとツキは夫婦ではありません。
ゲーム設定や物語でもこの2人を夫婦と言及している描写がないためです。

みなさんもご存知の通り、タイヨウには実験中に命を落とした本妻がいました。

この男女の関係性は倫理的に好ましくはありませんが、錬金術の原理だけでいうと
ツキは【夫のいない母(寡婦)】でなければならないのです。

これは天体の太陽・月・星に対応しており、太陽と月の子どもが星の子=ホシであり錬金術の到達するべき第一原質の石(ラピス)となるのです。

しかし、私はタイヨウとツキを太陽と月だと考えていません。

その理由は追々の記事で書いていきたいと思います。

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■セリカとソル
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別ストーリーですが、セリカとソルを中心としたストーリーの構成と設定にはツキとホシを連想させるセリフを繰り返したり類似する設定が見受けられました。

この理由はノスタルジア組織が企てたソル計画と呼ばれる目的が、量産化されたソル(太陽の子)の中から完全な存在(太陽)を生み出す必要な前提条件だからだと考えます。

▼錬金術の原理になぞられたセリカとソル
 セリカ(母元型)→寡婦
 ソル(レプリカント)→孤児

個人的な意見ではセリカとソルにツキとホシの意思が宿ったわけではなく、2度目の消滅が起きたやり直しの世界で再び同じ条件下の実験が行われていたひとつの再現ではないかと受け取りました。

しかし、セリカにはひとつ疑問があります。

錬金術の意味合いでソル(太陽)の完全体を複製したかったのでしたら、女子高生のセリカを母(寡婦)とみなすには若すぎます。

セリカには予知夢を見る能力があり普通の女子高生ではなさそうですが、ストーリーもこれ以上の言及はありませんでした。
(参考:降臨クエスト静穏への祈り)

この予知夢の能力がもし、world:Aに存在するセリカの記憶の流入だったら…?

セリカはworld:Aに存在したタイヨウの元配偶者やその関係者と縁があったのかもしれませんが、これから話す内容には確固たる根拠がないため憶測で進めていきます。

例えば、心理学でいわれる母元型(※)の精神が少女のセリカに宿っており、そのような母の素質や記憶の流入している彼女をノスタルジア組織が狙っていたのでしたら、セリカの名と由縁のあるギリシア神話の地母神だった可能性もあるかもしれません。
(※)ユング心理学では、女性の心のなかに母元型と呼ばれる様々な女神・母性・魔女などの性質を抱えていると考えられています)


どちらにしても、特殊な環境のなかに置かれた少女セリカはソルたちと接するうちに、心のなかに存在する母性が芽生え【母役&寡婦役】の役割を担ってしまった。

セリカのような少女でさえ、強制的に特殊な環境下に置かれると母の代役を担う。

ノスタルジアの実験には

セリカとソルたちをツキ&ホシのような特殊な環境に母子を置き、「完全な生命体」いわゆる錬金術の賢者の石を錬成する材料「ラピス」を生み出す実験も兼ねていたのかもしれません。


▼太陽・月・星の関係性
 =父・母・子
※月は暗闇に輝く天体なので本来、母は闇属性のような存在です。

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■ホシの体に生えた鉱石と意味
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錬金術のあるひとつの過程によると、
第一原質に石=ラピスが必要だと記述されています。

鉱石の説明によると純粋なラピスは青々とした輝く石だそうです。
逆に不純物が混じったり失敗したラピスは緑色に変化するといわれています。


消滅都市で組織の実験に利用された子どもたちに
もし、犠牲を払う意味でも第一原質の石として見出すものがあったのなら

ラピスを象徴とする石は
【青色】でなければなりません。

つまり、不純物が入った石
【緑色】は失敗作というわけです。


そうであれば
緑色の鉱石が生えた姿のホシとソルたちは
組織の被験体として成功していると言えるのでしょうか?

もっとも、ホシとソルたちにはこういった石の資質ではなく、
もっと別の原理が働き、特別な力と資質があったとみています。
それが【未婚の女性】と関係性のある子だったのかもしれません。

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