自分でやるのが正解だと思ってた

今の旦那と結婚する少し前の話
私は2LDKの部屋を借りて子供と3人で暮らし始めたところだった
シングルマザーになって三年目
ワンオペでキリキリ舞いだった前の結婚では、自分は可哀そうな立場だと思って家庭を見てくれない相手にどこか八つ当たりのような気持ちでいた

シングルになって結局自分で始まり自分で終わると思った

夫婦でいるからやってくれるんじゃないかって甘えや期待が生まれる
夫婦でいるからやってもらえない落胆や怒りが生まれる

シングルになったらやることは同じなのに気持ちはスッキリとしていた
だって結局私以外は小さな子供たちだから、食事の支度も洗濯も私以外誰もいない
そう、はじめっから自分のやることだと思って向き合えばなんてことなかったんだ
隣にいる人と自分を重ね合わせて、どうしてやってくれない、なんで手伝わないとムキになって遂には離婚してしまったのだ

スッキリしながらも体は必死だった

気持ちは晴れやかになるものの、かかる出費はすべて自分の裁量
使うも使わないも、稼ぐも甘えるもすべて自分次第

仕事が好きだったから怖くはなかったけど、帰宅したら動けなくなるような日も度々あった

そんな折、今の主人と出会った
10歳も年下でルックスも好みではない
体一つで修行のために移住して、夢中で勉強をする若者…
くらいにしか思わなかった

ただ、ホテルに仮住まいだったので食事が思うようにいかないと話になり、子供たちと少しの時間を過ごしてくれたら私が作るから材料費は折半しよう
と提案した

彼の食事面も、我が家の食費も確かに心配だったが、それよりも
子供と三人で過ごしていて、何か不満があった時、子供を叱りつけすぎないか心配だった。

情けないけどこれが事実だ
父のように自分の気分で叱りつける人間でいたくなかったから、
他人を家にいれることで空気を換えたかった
冷静になれる強制的な時間を持ちたかった

倒れた時に見えたもの

無我夢中で仕事をして、子供のコンディションも万全でありたくって
シングルになっても楽しそう、って思ってもらいたかった
今になれば、誰の目線を気にしていたのかな…

そんな欲張りが祟り、熱を出した
水も飲めず這いつくばってでも子供の食事を作った

そんな時にたまたま訪れた主人(その時は同棲とかでもなく、たまに遊びに来てみんなでご飯を食べる人な位置)

「どうしてなんでも自分で頑張るの!僕だっているのに!」

とフラフラな私に叫び、布団を用意して私を運び、子供にカレーライスを作ってくれた

眼から鱗だった

前の生活では熱が出ても「ママに近づくと具合悪くなるから」と姑がすぐ隣の自宅に子供を連れていき、旦那は横目でネットサーフィン…そんな生活だったから具合が悪くなって男性に介抱されるなんて思ってもみなかった

10歳下のこの子は男だの女だの関係ない
目の前にある家事は得意な方がやり、そうでない者は違う家事を探してやればいい
本気でそう思い、実行する

熱にうなされながらも
こいつは何なんだろう、とぼんやりと思った

私のことが好きなのか?
まさか、10も上の子持ち、誰が好んで寄るか
でももしかしたら好きなのかも
今思えば完全に熱にやられていた

あの会話をきかっけに

あの会話をきっかけに、自分の頑張りすぎるところに気づいた
あの夜をきっかけに、彼は私を好きなのかもと勘違いし始めた
あの日をきっかけに、年齢なんて人の基準の何にもならないと知った

まさかこの相手と二人も子供を授かるなんて夢にも思わなかった
でも出会ってから私の気持ちは明らかに落ち着いた
与えて欲しがり、欲張る自分は身を潜め
現状を楽しみ、自分が幸せだと思うようになった

悔しいがあの会話がきっかけ

今日彼に「君のスゴイところは自分をかわいいと思っているところだ。なんだその自信は」と言われた
私からすれば、何言ってんだ?
お前が私は私のままでいい、って思わせたんじゃないか。
私が私をかわいいと思える唯一最強の人間なんだもの
自分が自分を愛せる一番の人間なんだもの

でもそんな視点をもらっておきながら今日も私は旦那をイジルのです

よろしければサポートをお願いいたします。ご支援いただいたお金はより面白いみんふぉと投稿の為に使います。よろしくお願いいたします💕