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蜘蛛の巣のフィールド

朝、散歩から帰ると家の前に立派な蜘蛛の巣が。出かける時はなかったのに、いつの間に編み上げたのだろう。

とっても精巧なつくり。蜘蛛の仕事は早くて美しい。設計図も持たず、何故あの精密な幾何学模様が描けるのか本当に摩訶不思議。

蜘蛛の巣を見つけると、つい足をとめてしまう。「最初の一本はどう架け渡したのだろう」とか「こんなに離れた枝と枝の間にどう糸を張ったのだろう」とか、あれこれ想像しながら眺めるのが楽しい。

糸のレースを張り巡らせて獲物を捕えるだなんて、巧みな生き方だなと思う。頭脳派な生き物だ。雨風で壊れても、くじけず何度でも編み上げる。その精神も素晴らしい。わたしだったら、とっくに心が折れているよ。

たまに、なんでもない道端でうっかり蜘蛛の巣にひっかかることがあって、蜘蛛はいとも簡単に人間までも捉える。たとえば数人並んで歩いていても、なぜかわたしだけ蜘蛛にひっかかったりするのだけど、あれはなんなのかね。これもまた摩訶不思議。

蜘蛛の巣は、晴れた日も綺麗だけど雨の日もまた神秘的。雨粒をまとった蜘蛛の巣は宝石みたい。雨粒の重さで弛みながら持ちこたえる感じとかもいい。ずっと見ていられる。

そんな美しい蜘蛛の巣だけれど、これは自然界という本来あるべき場所で見るから美しいのであって、これが家の中に蜘蛛の巣が張っていたら結構ぎょっとする。

やっぱり美しく輝くフィールドというのはあるのだなぁと思いつつ、ただ“本来あるべき場所”だなんて蜘蛛にとっては知ったことではなく、人間の勝手な都合に過ぎないよね、とも思うのでした。

※おまけ

▲事件は現場で起きている

蜘蛛=巣を張って獲物を捕獲するイメージがあるけど、巣を張らないタイプの蜘蛛も多く、その子たちは、歩きまわって獲物を捕らえるのだそう。写真はまさに、そんな徘徊型の蜘蛛がカマキリを捉えるシーン。自然界は美しく厳しい。


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