ぬばたまのサラリーマン(Lv.19)

たくさんのスーツの人が終電に たくさんの僕がいる世界です

シンプルな悪役のいるゲームでは勇者になったこともあったよ

先輩のおごってくれた缶コーヒー 説教される前触れだった

美少女の尻尾をなでる夢ばかり見ながら僕らサラリーマンです

平凡な家に育って平凡に逃げてきたのが僕なのでしょう

十八歳で就職をした 仕事より先にビールとタバコを知った

僕だったのかゆらゆらと崩れそうな空き缶ばかり積み重ねている

オフィスから見える東京 ゴジラに踏まれて壊れてしまった街だ

あこがれの勇者になれないまま僕はネクタイを締めている →たたかう

あかねさす紫色のネクタイのセンスの悪さを笑われました


(宮本背水)

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