チャンユー

28歳、男性。 福井県福井市出身。 東京都在住。 現在はIT企業で営業職として勤務。 …

チャンユー

28歳、男性。 福井県福井市出身。 東京都在住。 現在はIT企業で営業職として勤務。 日々の気づきをエッセイとして、したためております。

最近の記事

エッセイ #20| コロナになった

 年末の感じが好きだ。  家路に着こうと背中を丸めて歩く人たちを眺めるのが好きだし、クリスマスだの大晦日だのといって浮き足立っている街全体が好きだ。  クリスマスを楽しもうとプレゼントやケーキを買う人がいたり、年末年始に家族で美味しいものを食べるために買い物を楽しんでいる人がいたり、街ゆく人の日常が透けて見えるから好きなのかもしれない。  僕もご多分に漏れず浮き足立っていたわけだが、12月22日、2022年も終わりに近づく頃、朝起きると喉がイガイガした。気にせず仕事をし

    • エッセイ #19| 家の熱帯魚が毎日一匹ずつ減っていった話

       小学生の頃、家で熱帯魚を飼っていた。  5cmくらいの小さいのがグッピー。  15cmくらいのがエンゼルフィッシュ。  玄関に水槽があって、グッピーは30匹くらい、エンゼルフィッシュは2匹くらいいたと思う。  グッピーは赤と水色が混ざったとても綺麗な色をしていて、水の中を泳ぐ姿を見るの時間は楽しかった。グッピーたちの泳ぎに見惚れてしまったのは、僕が泳げないからかもしれない。  そう、僕は泳げない。  小学3年生くらいの頃、学年の泳げない子たちが夏休みに学校に招集さ

      • エッセイ #18| 畳がaならソファはbであるレア体験

         中学生の時に月9を見て好きになった女優さんが、  「高校時代の体操服を今も取っておいていて、寝る時は体操服を着ています。」  とテレビ番組で言っていた。  とても綺麗でファンだった女優さんが、羊みたいなふわふわのパジャマとかではなく、体操服を寝巻きにしているということに、中学生の僕はひどく萌えた。  本来共存し得ないだろうと思い込んでいるものが混在している状況に魅力を感じることがある。綺麗な女優さんと体操服のように、それは日常によく潜んでいて、時折顔を覗かせる。ぜひ

        • エッセイ #5+6| ほくろ除去

           僕は小さい頃からほくろが多かった。  顔にもほくろがたくさんあって、小さいものもカウントすると多分20個以上はあった。小中学校の頃は友達にいじられることもあったが、それでいじめられることはなかったし(友達に恵まれていた環境に感謝したい)、性格も明るいので時には自虐的にボケたりもしていた。自分も周りもそんな感じだったのでそこまで気にはしていなかったのだが、26歳の頃に転機が訪れた。  2019年12月、コロナウィルスが突如として現れ、人々の生活は一変した。外出自粛を余儀な

        エッセイ #20| コロナになった

          エッセイ #17| 余裕のある人になる

           マクドナルドには中毒性がある。  肉の塩分、濃いめのケチャップ、口に含んで5回くらい咀嚼すれば飲み込めてしまう柔らかさ。文字に起こすだけで反射的に唾液で口が満たされる。  大学生の時は、サークル終わりに"アフター"と称して毎週毎週マックに行っていたが、それから10年近くが経ち、30歳を目前に控えた僕にとって、毎週マクドナルドに通うということは寿命を縮めることとほとんど同義である。  なので、普段からおめおめとマック行くわけにはいかないのであるが、頑張った日やチートデイ

          エッセイ #17| 余裕のある人になる

          エッセイ #16| 横向きに生えた親知らずを抜いた話②

           僕の親知らず奮闘記。大学生の頃にこの戦いが始まり、そこから8年の模様を#15にまとめた。  今回は、下の歯の抜歯編である。  横向きに生えた下の歯の親知らず。かかりつけの歯医者に紹介状を書いてもらい、大学病院に行くも、抜歯できるのは数ヶ月先とのこと。その間、親知らずが急激に痛くなってしまい、すがる思いで近所の歯医者に駆け込んだ。 「うちでも30分くらいあれば抜けますよ。」 「へっ?」 「なんなら今日この後、抜けますよ。」 「今日?!」  大学病院は2ヶ月先なの

          エッセイ #16| 横向きに生えた親知らずを抜いた話②

          エッセイ #15| 横向きに生えた親知らずを抜いた話①

           親知らずを抜いた。  親知らずというのは人によって生え方が異なるが、僕の場合は下の歯が横向きに生えており、抜く必要があった。話は1週間前に遡るのだが、その前にまず、僕と親知らずの奮闘記を綴りたい。  大学生の頃、京都のマクドナルドでやわこいハンバーガーを食べていたときに奥歯付近に激痛が走り、歯医者に駆け寄った。先生の見解はこうである。 「刺さってはるね、親知らずが下の歯茎に。上の歯の親知らずが伸びて、下の歯茎に刺さって歯茎に穴あいてます。これ親知らず抜かなあかんね。」

          エッセイ #15| 横向きに生えた親知らずを抜いた話①

          エッセイ #14| タラ・マダニのブリーフ猫男になりたい

           今から3年前、2019年に森美術館でやっていた"未来と芸術展"という展示に行った。  都市や建築、ライフスタイル、人々の身体、そして社会が、テクノロジーによってどのように変わってゆくのかを作品で表現し、ある種の問いを投げかけるような内容だった。  そう。  つまりは難しかった。  SF映画で見るような世界がそう遠くない未来で待っているかもしれないというワクワクがあり、知的好奇心がくすぐられるような展示ではあったのだが、少々頭を使うのであった。  「ぐ、ぐぬぬぬぬ…。

          エッセイ #14| タラ・マダニのブリーフ猫男になりたい

          エッセイ #13| 歌姫とは言うがなぜ歌殿と言わないのか

           たまたま見ていたテレビで歌番組をやっていた。   中学生くらいのときはMステを始めとする歌番組をよく見ていたが、今はネットでいつでもどこでもMVが見れるし、歌番組の数はきっと減ってるんだろうなぁ、などと考えていると、歌番組の司会者が 「いや〜まさに平成の歌姫ですね!」  と言った。  それを聞いてなんだか違和感を覚えてしまい、  「平成の歌姫…かぁ。」  と、50歳の管理職おじさんが平成の歌姫を懐かしむような声のトーンで、平成ど真ん中世代、28歳の僕は思わず部屋で

          エッセイ #13| 歌姫とは言うがなぜ歌殿と言わないのか

          エッセイ #12| オードリーの漫才中にとんでもない空中戦が繰り広げられていた話

           僕はリトルトゥースだ。  リトルトゥースというのは、オードリーのオールナイトニッポン(以下ANN)というラジオ番組のリスナーの呼び名である。ラジオ番組というのはだいたいその番組お決まりのコーナーがあり、リスナーからのメールやハガキを読むものが一般的であるのだが、オードリーのANNはコーナーほぼなく、メールも全く読まない。終始2人のフリートークで展開されていくので、初めて聴く人でも、この2人のトークさえおもしろければ確実に楽しめる。そして、この2人のトークはおもしろい。

          エッセイ #12| オードリーの漫才中にとんでもない空中戦が繰り広げられていた話

          エッセイ #11| 大戸屋の店員さん

           大戸屋が好きだ。  ラーメン屋や中華料理など、普段外食をするときは、"栄養バランス悪そうだな"とか考えてしまうので一抹の罪悪感があるのだが、大戸屋の場合はその罪悪感がやわらぐ。その答えは簡単で、ヘルシーメニューが多いからだ。  休日一人でぶらぶらして、どこかでごはんを食べて帰ろうかなと思った時、近くに大戸屋があると、ええい入ってしまえ!という判断が下しやすいため、非常に重宝している。  1年前くらいに大戸屋に行った時のことだ。  休日のお昼でお店が混んでいたが、うま

          エッセイ #11| 大戸屋の店員さん

          エッセイ #10|「アーメンっ」

           いとこが結婚した。  いとこは1つ歳下の男の子で、僕と同じ町内で生まれた。地元の福井県で育ち、就職をし、同級生と結婚した。身内の結婚はおめでたいし嬉しいものだ。  そのいとこが結婚式をするというので、東京から福井に帰った。久しぶりに帰省をしたが、実家はというと特に変わりはなく、帰省したときのルーティンもいつも同じなので、その変わらない日常が、東京で装備した僕の鎧を脱がせてくれるのと同時に、その一方で、実家の近所を散歩してみると見慣れない家や店が散見されるため、少しずつ変

          エッセイ #10|「アーメンっ」

          エッセイ #9|ファスティング②

           前回の記事で、嵐の松潤に影響されてファスティングに興味を持ったことを書いたが、今回はその実践編である。  色々やり方はあるのかもしれないが、自分で決めたファスティング時のルールはとてもシンプルで、固形のものは摂取しない、ただそれだけだ(ただし酵素のサプリは除く)。なので、水に加えて、野菜ジュース、甘酒、具なし味噌汁などは良しとした。  期間は3日間にした。なぜなら松潤が3日間でやってたからだ。それ以外に理由などいらぬのだ。「day1!」「day2!」「day3!」…。言

          エッセイ #9|ファスティング②

          エッセイ #8|ファスティング①

           おうち時間。  ステイホーム。  最近ではあまり聞かなくなったが、コロナと共にこんな言葉が世界を包み、世界中のみんなが、それぞれの時間を自宅で過ごすことを余儀なくされた。  有名人たちも、SNSでたくさんの人たちに、たくさんのメッセージを届けた。星野源の「うちで踊ろう」や、芸人たちのギャグリレーが懐かしい。そんな中、あるInstagramのアカウントでこんなストーリーを見つけた。 「ゴールデンウィークが休みでも、どこにも行けないので、家でファスティング中!」  ん

          エッセイ #8|ファスティング①

          エッセイ #7|ええやんの話

          人間味-【にんげんみ】 〘名〙 いかにも人間らしいあたたかい持ち味。「ーにあふれた人」  人間味を垣間見る瞬間は、いい。  本来ただの風景に過ぎない、街人Aや街人B。そんなモブキャラに対しても、人間味が垣間見えると印象が変わる。彼ら彼女らに対してぐっと親近感が湧くし、人間という種族の目撃者になっている"覗き見感"があるし、何より少しあたたかい気持ちになる。  先日、近所のカフェに行った時のことだ。カウンター席で本を読んでいると、今風の女子2人が店に入ってきた。2人とも2

          エッセイ #7|ええやんの話

          エッセイ #6|ほくろ除去②

           前回の記事で、コロナを機に顔のほくろを除去することにした経緯を綴った。今回はその施術編だ。  受付のお姉さんの後押しもあり、合計15個のほくろを葬ることにした僕は、受付でその時を待っていた。施術後の自分が楽しみだったし、会社の人たちや友達にこの体験をどう話してやろうかと考えているとあっという間にその時は来た。  名前を呼ばれて案内された方について行くと、歯医者のような施術室に通された。中には40代くらいの男性の先生と、その隣には助手らしき女性が立っている。どうやらこの人

          エッセイ #6|ほくろ除去②