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ドラマ「昼のセント酒」感想

昼の銭湯&ビールが最強なのは言われなくとも分かる。

主人公はほぼ毎回仕事をサボって昼から銭湯へ行く。そこがひっかかる。仕事で結果を出せているなら良いのだが、主人公は社内での営業成績最下位。そんな奴がこんなふうにサボって良い思いしてていいのかと少し腹立たしくもなる。サボる前に「今日だけは」と言い訳するのも腹立たしい。今日だけじゃなくて、毎回誘惑に負けてるじゃないか。バレてクビになってしまえ、と意地悪な気持ちにもなってしまう。

主演の戸次さんが体を仕上げ過ぎなのも気になった。腹筋シックスパックで引き締まった良い体。きっと主演ドラマで裸を晒すということで、相当鍛えたんだと思う(想像)。

まあ元々筋肉質なのかもしれないが、それにしてもこの役柄、しがないサラリーマンで、仕事サボって昼間から銭湯&居酒屋に行くような人である。

想定するにその肉体は、たいがいぽっちゃりさんなんじゃないか。自制が効かない人なわけだから。

仕事をサボって昼から銭湯&ビールと、筋肉質のストイックボディとは対極にある。

その時点で役作りに失敗しているのいえるのではないか。主演で張り切りすぎた戸次重幸のパーソナリティがそこに見えてしまい、作品に入って行きにくいのだ。

百歩譲って、いやいや戸次は元々ストイックマッチョボディなのだというのなら、この作品に合わせて、ぽっちゃりしてくるのがプロの役者というものだろう。

まあ、原作がマッチョなのだとしたら、ごめんなさいね。

あとは単純に戸次の演技がくどい。全般的にわざとらしいのだが、その極みは体を洗っている時の表情。あんなにくどくど表情変えながら体洗うのが不快。

物語として興醒めなのは、セント酒の最中で会社に呼び戻されるところ。見てるこっちまでガッカリして夢から覚めてしまう。セント酒の良さを疑似体験させてくれることすら無い。

最終回も伏線の回収一切なく、いつも通りの流れで終わり肩透かしを食った。

事務の女の子の片思い、エース社員との確執、上司との関係、何一つ進展なし。

なんだこのドラマ。もはやドラマでなくていい。普通に銭湯紹介の旅番組やってくれた方が良かった。

ただ、本作に登場する銭湯の多くが優良である。良い銭湯紹介してくれてありがとう。そしがや温泉の冷凍サウナとプール絶対行きます!