Your Authentic Self と多様性

最近、私のまわりで「Your authentic self」という言葉を頻繁に耳にします。日本語で言うと「偽りのない真実のあなた」といったところでしょうか。「人はそれぞれ異なっている。その違いを尊重しましょう。そしてあなたもYour authentic self でいれば良い」といったコンテキストで使われています。つまり「自分の個性も、他者の個性も尊重することで、調和を保ちましょう」ということです。ここで勘違いしてはいけないのが、このコンテキストでの「Your authentic self」は、自分のわがままを通すことを正当化するために使われているわけではないということです。

「Be your authentic self」という言葉は、人の個性を全面的に肯定する非常に強い意味を持っていますが、「郷に入れば郷に従え」の精神で生きてきた人には懐疑的に響くのではないでしょうか。かくいう私もその1人です。ありのままの自分を曝け出してもうまくいかないというのを経験的に知っていますし、人種や文化的背景が異なったり見慣れないものがあったりすれば、人は無意識に警戒してしまうことを知っているからです。一方で、「郷に入れば郷に従え」の精神で異文化に溶け込もうとしても、何かしら壁にぶつかることも知っています。結局、「郷に入れば郷に従え」は人に優しい解決策ではないわけです。

(そもそも「Your authentic self って何?」という疑問も湧いてきますが、それについて勉強するのは別の機会にしたいと思います。)

私のように「自分と他者の個性を、本当の意味で同時に尊重するのは理想論だ」と感じてしまうのは、古い人間の価値観なのかもしれません。もっと多様性に富んだ社会になり、「他者と自分の違い」が当たり前になれば、自然にこの概念を受け入れることができる人が増えるのかもしれません。

世界の多くの場所で多様化が進んでいる今だからこそ、このように他者と自分の両方を尊重する概念を大切にすべきであるようにも思います。20年後には、また新しい概念が生まれているかもしれませんしね。

と、むにゃむにゃ書きましたが、それでも、世の中の多様性がもっと進んで、多くの人にとってもっと生きやすい世界になると良いなと思います。

綺麗事を書いているみたいに歯切れの悪い終わり方で失礼!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?