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「子どもに伝えたい日本文化は?」和樂webスタッフに、5つの質問をぶつけてみた

こんにちは! 和樂webのスタッフ、鳩です。7月まで3回に渡って西川流四世家元西川千雅さんとセバスチャン高木編集長の対談を実施しました。その特別編として、8月11日(水)18時、西川さんと和樂webスタッフによるトークイベントを開催することになりました! 

▼8月11日(水)18時スタート!和樂web対談スピンオフ!20-30代編集部スタッフによる運営の裏側と「日本文化」のぶっちゃけトーク(無料)

今回は、このイベントに先駆けてスタッフにとったアンケートを公開。「日本文化に対するイメージ」や「和樂webに関わって興味を持った日本文化」などぶっちゃけ回答してもらいました。和樂webの活動にご興味のある方はもちろん、日本文化にあんまり興味のない方にもぜひご覧いただきたい回答結果です!


スタッフ9名のプロフィール

アンケートの回答結果の前に、簡単に自己紹介を。以下、編集部に加入した順で9名のスタッフを紹介します。

【1.きむら】ウェブディレクター。和樂web歴がスタッフの中で一番長い。1994年生まれのさそり座の女。地元・北千住を愛す。大学在学中、和樂編集部で3年間アルバイトをする。就活に挫折していたところ、編集長に捕獲される。好きになるものの偏りが激しいことが悩み。最近心に響いたコトバは「お酒は嗜好品ではなく必需品」。アルコールは正義だと思っている。
【2.とま子】1995年、埼玉県出身、埼玉在住。和樂webスタッフ第二号。TikTokや御書印、広告案件など担当。地元の特産品がトマトだからと無理矢理「とま子」と名付けられたが、まあまあ気に入っている。和樂編集部でアルバイトしていたところある日編集長に収穫される。MBTI性格診断ではINFP型。検索するとサジェストに生きづらい、社会不適合者と出てくる。睡眠と甘いものが好き。
【3.鳩】ウェブディレクター。我の名は、ミステリアス鳩仮面である。1988年4月生まれ、埼玉出身。叔父は鳩界で一世を風靡したピジョン・ザ・グレート。憧れの存在はイトーヨーカドーの鳩。
【4.サッチー】銀行に10年務めたあと和樂webのスタッフに。音声コンテンツ『日本文化はロックだぜ!ベイベ』聞き手、商品開発、御書印など担当。頭も体も硬いので、今一番欲しいのは柔軟性。
【5.chiaki】コンテンツディレクター。大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。
【6.あきみず】足利在住。主に編集部記事の執筆など。人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。
【7.瓦谷】兵庫県在住。主に編集部記事の執筆など。幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。十五代目片岡仁左衛門ラブ。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。
【8.アキナス】平成元年生まれ。つい最近スタッフに加入。SNSなど担当。コピーライターとして10年勤めるも、ひょんなことからイスラエル在住に。好物の茗荷と長ネギが食べられずに悶絶する日々を送っています。好きなものは妖怪と盆踊りと飲酒。
【9.安藤】名古屋在住、Facebook担当。つい最近スタッフに加入。1986年生まれ。何かを書いたり書いてもらったりする仕事をして10年。「雅楽×インバウンド」を主な事業とする小さな会社もやっていますが、日々戦う相手は家に勝手に住み着いている猫や鳩です。最近は妙な友情まで感じるようになってきました。


スタッフへの質問

今回は5つの質問をスタッフにぶつけてみました。

Q1.和樂webに関わるまで日本文化にどんな印象をもっていた?
Q2."セバスチャン体験(※)"は、どんなインパクトがあった?
Q3.和樂webに関わってから興味を持った日本文化は? 
Q4.子どもに日本文化すすめするとしたら、何をどうやって紹介する?
Q5.他に何か訴えたいことがあれば!


※セバスチャン高木編集長との出会い


Q1.和樂webに関わるまで日本文化にどんな印象をもっていた?


自分の人生とは関係のないもの。知識のない自分には楽しめないもの。(きむら)

なんとなくオタクっぽいものだと思っていました。特に戦国や平安時代など。(chiaki)

ルールを知らないと入りづらい。年上の人の高貴な趣味のイメージ。(鳩)

アート系は、昔は好きだったけど最近ご無沙汰だな〜。歴史は大河が見れないくらい無知だから正直苦手(アキナス)

日本文化は、茶道や伝統芸能などに触れていたけど、とてもデリケートで、楽しく紹介するのは難しい世界。(瓦谷)

興味はあっても、なんとなくのぼやっとした感じしか認識していなかった。なんとなく背筋を正して語らないといけない?みたいな雰囲気。(あきみず)

ありがちエピソードですが、司馬遼太郎の『燃えよ剣』を中学生の時に読んで土方歳三に心酔し、そこから幕末ワールドへ一直線だったので、「日本人はいざとなれば熱く燃える民族なのだ」と思ってました。それはいまも変わらないかも。一方で平安〜鎌倉などの面白さも知れました。(安藤)

日本文化と聞いて真っ先に思いつくのは漫画とかアニメとか秋葉原のオタク文化とかポップカルチャーでした。歌舞伎とか日本美術とかはすぐに思い浮かばなくて、ちょっと渋くて年齢層の高い人が楽しんでいるイメージ。伝統やルールを守らなきゃいけないとか、堅いイメージがあって自分には程遠い存在だなと思っていました。(とま子)

「色んな知識がないと楽しめなそう。」「自分の生活からは遠い存在。」白洲正子の着物に関する文を高校で読んでから、凛としていて背筋が伸びる≒ちゃんとしてる、悪く言えば緊張するイメージがすごく強かった。〜道は体系化されているので、全部知っていかないとダメみたいなイメージがある。(サッチー)


Q2."セバスチャン体験"は、どんなインパクトがあった?

▼セバスチャン高木とはどんな人物か?

すごくものごとに柔軟な方で、私のバカでふざけた部分を受け入れて下さって(そんなつもりはないかもしれませんが)、心から嬉しくて高木さんのために頑張りたいなと思いました。(chiaki)

日本文化を固定化しない!という気概をもっておられるのかなと、一番「らしさ」で語られそうな部分をあえて斬新に切り取っていく手管に感激しています!(アキナス)

1.で書いたような日本文化に対する先入観が大きく崩れた。勝手なイメージで日々の生活から遠ざけていたのは自分自身だと気づいたし、想像以上に身近にある面白いものが日本文化だと思う。今まで遠ざかっていた分、きっと発見も多い。(サッチー)

『漫画から日本のことを学んだ』など数々の勇気をもらうパワーワードをもらった。演劇科の大学で出会った超個性的な講師陣以来の衝撃度。(瓦谷)


何よりも、就業形態。今までのマイ常識が完全崩壊。それと、いろいろな面での柔軟性。あと、差別表現について、それまで気付いていなかった(無自覚の差別)ものがかなりあったことに衝撃。(あきみず)

直接やり取りさせてもらう以前、共通の知人であるカメラマンの方から「むちゃくちゃ“やんちゃ“な人だから、安藤くん、気をつけなよ笑」と言われ、パンクロッカーのような人を想像していましたが、実際には物静かな「詩人」のような印象で、真逆すぎるくらい真逆のギャップがすごく印象的でした。(安藤)

「それっぽいデザイン、かっこつけはNG!この世はそれっぽいので蔓延している」雑誌の編集に憧れていたこともあり、webの前は雑誌和樂の編集部でアルバイトをしていました。でもアルバイトの頃に高木さんからこの言葉を聞いてハッとさせられました!自分がやりたいのはかっこつけではないなと気づきました。高木さんから上から目線はだめともよく言われたので、普段からこれは上から目線なのか下から目線なのかを気にするようになり、自分のものさしにもなりました。(とま子)

初期の媒体資料の「(日本文化の)ライバルは映画、ランチ、ビール!」に衝撃を受けた。はちゃめちゃでかい台風に巻き込まれるようにして入っていったので、インパクトを感じる間も無く今まできたかんじ。(鳩)

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(バカバカしさだけが人々を熱狂させるコンテンツになる!『和樂』編集長 高木史郎 ×「北欧、暮らしの道具店」代表 青木耕平 対談前編 https://kurashicom.jp/1045  より)

アルバイトからぬるっと入ったので大きなインパクトを感じたことはなかったけど、高木さんのスピード感がすごいのでしがみついていないと振り落とされてしまうという気持ちでここまできた。「茶の湯ROCK」「国宝対決」などなど高木さんが生んださまざまな特集から、日本文化の楽しみ方を学んだ。(プロレスと歌舞伎って比べていいんだ……と思ってました)(きむら)

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Q3.和樂webに関わってから興味を持った日本文化は? 

「浮世絵」ものを描く感覚が今と似ているものもあれば全然違うものもあり、当時の人のフィルターをうかがえるのが面白いです!(アキナス)

「浮世絵」今まで全く興味のない分野で、良さもわからりませんでした。なんとなく北斎と写楽は見たことあるなぁという程度。でも知れば知るほど好きになるし、今では部屋に飾るつもりでいます(部屋が片付いたら......)。(chiaki)


「浮世絵」日本文化のどの分野から入ればいいかわからなかったけど、浮世絵が1番入りやすかったです。きっかけは海外の美術館サイトで見つけた歌麿の美人画です。北斎とか写楽とか有名な作品しか知らなかったので、こんなかわいい絵も浮世絵なの!?と驚いた作品!

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知識がそこまでなくても自分が良いと思ったものを掘り起こしたりするだけでも楽しいです。作品だけじゃなくて浮世絵師や版元がキャラ立ってて人物としても魅力的!幕府との闘いもドラマチックで惹かれます!(とま子)

「浮世絵」全部おなじ絵に見えていたのが、作者ごとの個性だったり歴史だったりを知ることで楽しみかたが変った。「民藝」なんとなくすてきな器〜のイメージからロックな運動にがらっと変った。「歴史」苦手だったけど和樂webの記事や漫画を通じてばくっと掴むことで、浮世絵をはじめとする芸術の背景もわかっておもしろくなった。(鳩)

「浮世絵」当時の人たちの生活をのぞいているようで楽しい。もともと浮世絵は渋いものというイメージだったのでこんなにコミカルなものやカッコいいものがあると思っていなかった。「歌舞伎」は難しい、知識がないと眠くなるというイメージだった。実際観に行ってみたら、セリフが全てわからなくても笑えたり、衣装の美しさや俳優さんの動きのかっこよさに感動できた。知識がなくても楽しめてまた行きたいと思えた。(きむら)

「春画」たとえばエロという視点で日本文化を見たことがなかったので、ネイティブなのにカルチャーショックを受けた気がします。春画にも興味がわきました。エロいから、というよりも、基本的に「恥の文化」とか言われるような奥ゆかしさがあるのに、一枚めくってみたら世界でも稀なほどドストレートな表現で、そこに高木さんのようなギャップがあり面白く感じます。「なんでこう描こうと思った!?」と画家に尋ねてみたいです。(安藤)

「工芸」「アートの歴史」。今までもやっとしていたのがようやくすっきり。あとは「浮世絵」。まともに向き合ったことなかったので、いろいろ新鮮。(あきみず)

「歌舞伎」。以前から好きで見てきたけれど、スタッフと一緒に観劇して、より好きになったし、初観劇の人のピュアな感想を聞いて、今後の可能性を感じた。「刀剣」恐ろしくて怖い世界だと誤解をしていた。取材で知った刀剣のお蔭で、愛でる文化だと知った。また刀剣に詳しいスタッフの助言や記事の存在が大きい。(瓦谷)

「和歌」高校時代百人一首の暗唱をしたけど教養くらいにしか捉えていなかった。当時のコミュニケーション手段でもあったこと、詠まれている内容が想像以上に共感でき、遠い存在だった昔の人と繋がれた気がする。あと、ユーモアも含まれていて自分が思っていたよりずっと身近で親しみやすいものだった。「浮世絵」元々は神奈川沖浪裏や東海道五十三次くらいのイメージしかなかった。浮世絵の流れをイノベーション目線で知ったり、蔦屋重三郎の生涯、浮世絵の広告としての側面などを知ることで、浮世絵という文化が現代にも通じる文化として面白く感じられるようになった。歌川国芳のカッコ良さと喜多川歌麿の色っぽい作品は今までの浮世絵のイメージを大きく覆した絵師。(サッチー)


Q4.子どもに日本文化すすめするとしたら、何をどうやって紹介する?

ジャンルは絞らずにまずは漫画を通していろんな日本文化に興味を持ってもらいたいです。(とま子)

和歌の情景の美しさや、込められた想い。古文の流れるような美しさ。平安貴族の普遍的で繊細な感性。(chiaki)

狂言や落語を勧めたい。子どもの方が入っていきやすいシュールだったり、とんでもない内容もあるので。また、笑いから入ると楽しめるから。(瓦谷)

歌舞伎はヒーローものがおおいのと、悪役善役がわかりやすいのでお子様もノリやすいかも。(アキナス)

まずは小さいうちからいろんな美術館に一緒に行ったり、歌舞伎を観に行ったりして、日本文化を日常の中にものとして感じてもらい、自分の好きなジャンルを自分でみつけてもらいたい。(きむら)

自分が伝えられるのが上記かな?と思うので3と同じ。セバスチャン編集長のような知識とトークはないので、美術館やら画集やら絵やらにどんどんふれる機会をつくりたい。(鳩)

春画はおすすめできませんが(笑)、浮世絵そのものはぜひおすすめしたいです。同時代の西洋の絵画と比べたとき、巧拙で比較してしまいがちですが、構図の面白さや画家の視点といったものが洋の東西を越えて重なる部分があり、並べてみると子供でも十分理解できるかと思います。(安藤)

やっぱり日本の刀!工芸のすべてが集結しているとよく言われる(けど、陶芸とか入らないかな、と思うので、必ずしも真実ではないのかな?)し、日本文化のエッセンスみたいな雰囲気も持っている。(あきみず)

自分たちが日本文化を楽しんでいる姿を子どもが見て何か引っかかるものがあればいいと思う。あえて無理に紹介はしない。ひとつだけ挙げるとすれば古典を含む日本語でしょうか。私はコミュニケーションが苦手だけど、和樂webで仕事をして少し楽しくなりました。言葉の面白さとともに伝えたい。(サッチー)


Q5.他に何か訴えたいことがあれば!

和樂webは活動の幅が広いので、多くの人に知ってもらいたい。(瓦谷)

和樂Webの公式Facebookはエンゲージメント(いいね!やシェア、コメントなどのリアクションのこと)の率の高さが日本トップクラスのアカウントだと自負しています。特にコメント欄を見ると、日本文化に関してはみんな一家言あることがよくわかります。コメント欄を見る、という楽しみ方もあるかと。ぜひご覧ください!(安藤)

日本文化の捉え方の広さが和楽webの魅力かなと思うので、これからもとんがり続けて欲しいです…!(アキナス)

いわゆる「日本文化」とは今私たちの日常から切り離されている気がしますが、浮世絵や歌舞伎、和歌も、ふだんの生活にあるものだと思っているので、もっと誰もが気軽に心動かすことができたらいいなと思っています。(chiaki)

個人的には自分なりの日本文化の楽しみ方を見つけるまで時間がかかりました。(まだ模索中ですが…)和樂webはこうじゃなきゃいけない!というのはなくて、こういう楽しみ方もあるという提案なので、記事や商品、音声などいろんな入り口から自分に合った楽しみ方を見つけてくれたら嬉しいなと思います!(とま子)




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