長沢芦雪_白象黒牛図屏風__左隻_プライスコレクション

奇想の絵師は作品も人生も破天荒!

 奇想の絵師――。それは近代の日本美術史においてあまり重要視されなかったものの、1970年に書かれた美術史家・辻惟雄の著書『奇想の系譜』によって脚光を浴びるようになった、個性あふれる江戸時代の絵師たち。その代表的存在が、誕生した順に、岩佐又兵衛、狩野山雪、白隠慧鶴、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、鈴木其—、歌川国芳の8人。すごさがわかりやすく、面白い作品で人気急上昇中の彼らにフォーカスした特別展「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」が、2月9日(土)~4月7日(日)の期間、東京都美術館で開催されます。それぞれがいかに奇想であったのか、たっぷり楽しめる特別展を鑑賞する前に知っておきたいのが、彼らの人生が作品同様に奇想天外だったということです。8人の奇想の絵師がおくった破天荒ライフを、特別展出品作品とともにご紹介します。(※展示期間に限りがあるものは、作品のキャプション中に記しています)

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