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『Inscryption』と『UnderTale』のゲームデザイン

※『Inscryption』と『UnderTale』の重大なネタバレあり。クリア後推奨


気になってたInscryptionをやっとプレイ。
このゲームでしか遊べない体験を提供してくれる類のゲームでした。

遊び終わってみて、『UnderTale』との共通点(主にゲームデザインでの)が頭に浮かんだので自分用に整理。

※以下ネタバレ








◎共通点

①開始数分で掴み&基本ルール説明
②コアゲームがユニークで面白い
③合間に「気になる謎」を配置
④「ゲームの多重構想」を「メタ構図」と繋げてる
⑤リブート感

①開始数分で掴み&基本ルール説明

まずはゲームのルールを説明してプレイヤーを「なるほど分かった」という状態にしつつ、「このゲームはこういう面白さを持ってます」という掴みで惹きつける

とりあえず遊ばせて教えてくれる
「嘘のルールを説明される」という掴み&ルール説明


②コアゲームがユニークで面白い

ユニークでしっかりしたコアゲームを土台にしつつ、進行(プレイヤーの学習)に合わせてルールを追加したり、遊び方を変えたりして飽きさせない

『UnderTale』…弾避けゲーム
『Inscryption』…カードゲーム

よりシューティングっぽいステージ
章ごとにルールやビジュアルが変化


③合間に「気になる謎」を配置

コアゲームを「分かる分かる。面白い」と遊ばせている合間に、「気になる謎」を配置してゲームの底の深さをプレイヤーに期待させる。

なぜかオコジョの顔が四角くなっていく…


④「ゲームの多重構想」を「メタ構図」と繋げてる

メタ要素は最近話題となるゲームが良く持っているが、特に『Inscryption』は、階層が変わる楽しさを意図的にデザインしてる。

『UnderTale』
 ・階層3:(メタRPG?)
 ・階層2:誰も傷つけなくていいRPG
 ・階層1:弾避けゲーム

『Inscryption』
 ・階層4:inscriptionの謎を追う(ARG)
 ・階層3:inscriptionの謎を追う(ゲーム内)
 ・階層2:小屋からの脱出ゲーム(各ステージクリア)
 ・階層1:デッキ構築型カードゲーム

メタ構造やその設定を物語の合間でチラ見せるため、初見だと若干「ん?どういうこと?」となるような部分もあるが、漫画などと違ってゲームは「…よう分からんけど、目の前のゲームが面白いからとりあえず遊び進めるか」ということができるので、これはこれでありな気も。

ただ、メタ要素は使われるほど鮮度が落ちていくので、数年後も使えるような手法ではないかも。

個人的には1章終了後の時系列で結構混乱した


⑤リブート感

「あのゲームってつまりここが面白いよね!」という要素を抽出して、作者ごとのアレンジ加えてリブートして作っている印象を感じる。(特に『UnderTale』から)

Toby Foxによる『シン・MOTHER』

『Inscryption』の方はリブートという感じとはちょっと違いかもだけど、「オレたち、こういうカードゲーム遊んできたよね!こういうのってこういうところが面白いよね!」というある程度の共通認識というか…、そういったモノの上で作られているのを感じる。
そういう「カードゲームにおけるプレイヤーとの共通認識」とARGを上手に仕上げたのが『Inscryption』なのかなぁと。

2章は個人的にカードヒーローを思い出した


◎相違点

相違点は色々あるけど、やはり「何を体験させたいか?」という部分が一番大きいかも。

『UnderTale』…キャラや物語を魅力的に見せる
『Inscryption』…カードゲーム愛&謎を解き明かす体験

(上記はあくまで推測)
これは制作者自身が「何を作りたいのか?/伝えたいのか?」みたいな部分に寄ってくるものなので、ある種違ってても当たり前と言える。



◎まとめ

どっちも良いゲーム!

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