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「問い」と「答え」で物語を構成する『8つのネーム構造』



※全体の目次はコチラ

↓配信版



概要

漫画の1話をどう構成したらよいか?のお話

1話を3つの区画に分け、更に8要素に分解して考えると構成を理解する上で良いかもー。みたいな話をしていきます。

まずは3つの区画をざっと紹介。


3つの区画

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【1】導入があって→【2】メインの内容があり→【3】最後に結論があるという感じです。
まずはざっくり理解でOKです。

さらに、これから細かく8つの要素を一つ一つ解説していくのですが、少し長くなるので、先に結論を乱暴にまとめてしまいます。

今回の話を一言で言うと…
「問い」と「答え」で物語を作るとイイ感じになるよ!

上記をなんとなく頭のスミに置きながら、8つの要素を一つずつ解説していきます。


8つの要素

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全部並べるとこんな感じです。
カタカナ ガ イッパイ!
カタカナが苦手な人(主に私)は日本語の方だけ見ててください。

では、区画ごとに解説していきます。


【1】イントロ(導入)

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①HU:フックアップ「掴み」

・「こんな面白い話です」という掴み
読者の欲求に沿ったものを配置して「続きも読みたい!」と思わせる場所
・特に漫画は映画等と比べると短く手軽な媒体で、読者が離れるのも一瞬なので、早めにあると良いと思う

②SU:セットアップ「説明」

・世界観やキャラの説明(1H5W)
 キャラたちの「日常/普通」が描かれることが多い
・複雑だったりたくさん説明しようとすると、ココのページが増えやすくなるので注意
「短く、分かりやすく、面白く」が大事



【2】ボディ(内容)

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③CQ:セントラルクエスチョン「問い」

・この物語内で投げかけられる問い
 例:ヒロアカ1話…デクはヒーローになれるか?
   ワンピ1話 …ルフィはシャンクスに連れて行ってもらえるか?
・問いの答えは「⑦クライマックス」で描かれる
 答え=作品で言いたい事に繋がる部分でもある
・ココがボディのメインで、以下の④⑤⑥はメインを強めたり補強したりするためにある
・セットアップでの”日常”から”非日常”に移行する場所でもある
・問いには「目に見える問い」と「目に見えない問い」がある

④RA:リアクション「反応」

・”問い”を受けての反応
・反応によって「どういう問いか?」の解像度を上げる役割
・「読者がどう受け止めたらよいか?」の導線にもなる

⑤TP:ターニングポイント「転換点」

「クライマックスの方向」にベクトルを向ける場面
・ベクトルの向け方には「変化」と「深化」の2種類がある

変化:”問い”からベクトルの向きが変わる
深化:”問い”からベクトルの向きは変わらず、より強まっていく

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⑥SA:セカンドアクション「答えに向けての行動」

・⑤TPを受けての言動、思考、行動
・SA→CLのコントラストを強く演出できると、クライマックスが際立つ(具体例は後述)



【3】コンクルージョン(結論/まとめ)

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⑦CL:クライマックス「答え」

・”問い”に答える場面(=言いたい事を伝える
・⑥SAとのコントラストを強く演出できると「言いたい事」が際立つ

例:ワンピース1話
 SA:「シャンクス!腕が!!」  …絶望の黒
 CL:「この帽子をお前にあずける」…希望の白

⑧ED/CO:エンディング/コンティニュー「余韻/引き」

・良い余韻を残して終わる。もしくは次回への引きを作る



応用編


▼どの構成に『創作3ライン』のどのラインを入れるか?は決まってない
 流行りや作家性で変化する部分なので色々やってみるのが良いと思います

例えば…
①イントロ(23%)→ログライン「状況説明」
②ボディ(50%)→ディザイアライン「笑い話」
③コンクルージョン(27%)→コンセプションライン「教訓」
と構成すると落語のような伝統的な話になる


▼今回の構成に『欲求ピラミッド』を横倒しにする感じで配置すると、読みやすい作品になる気がします。
(ノープランでいきなり「価値観」の話からしても、なかなか読んでもらえないかも)

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…と、いう感じでいろいろ解説しましたが、これが”唯一の正解”というわけではないので、あまり考えすぎず色々やってみるのが良いかなと。
「悩んだ時のとりあえずの指標」ぐらいに思っとくのが良い気がします。


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