ピースオブケイク加藤貞顕氏&デジタルメディア研究所橘川幸夫氏の対談メモ(1/2)
先日、都内某所で、ピースオブケイク代表・加藤貞顕氏とデジタルメディア研究所所長・橘川幸夫氏の対談がありました。
加藤氏の「cakes」から「note」にいたるメディア開発の過程とその問題意識、橘川氏のメディアの捉え方とその活用方法は、非常に示唆に富む内容でした。
セミナー自体はややクローズドだったのですが、出版及びネット業界的にもオープンに知の財産として共有すべきかと考え、メモを公開いたします。
本は一番消費される場所(電車等)で売られていない
電車やバスの中では雑誌や本を読む人よりスマホをみている人がほとんど
本が移動などのスキマ時間で売られていないのは致命的
一方で、音楽はCDの売上は下がったがJASRACの売上は落ちていない。ウェブとリアル(イベントなど)に転換しただけ
電子書籍は閉じているからこそ課金できるが、デジタルの「オープンでシェアできる」という特性とは正反対
ウェブで課金するときの障害、具体的にはデバイス・課金手段・クリエイターの心理的障壁・消費者の心理的障壁などは無くなってきた
そこでまずは「cakes」を始めた
・週150円、月500円
・1記事3分以内で読める
・売上の60%をクリエイターに配分
単行本発売前の連載媒体としても使われている
・統計学は最強の学問である(35万部)
・ゼロ(33万部)
・僕らの新しい道徳
マネタイズしながら書いて、本のマーケティングもできる
「note」とはcakesのオープン化を真反対からはじめたもの。ソーシャルメディアプラットフォーム
かんたんに記事がつくれる
かんたんに記事が売買できる
ファンとつながることができる
トーク
・140文字のもの。ブログに投稿しツイッターに流すのは大変なので作った
イメージ
・写真やマンガを載せられる
テキスト
・ブロクのようなもの
サウンド
ムービー
いずれ連携できるようになる
フォローとタイムラインがある
それで購読習慣がつけられる
(開発中の)アプリではプッシュ通知ができる
投稿が簡単なのが重要
Instagramが普及したのはアホみたいに簡単にかっこいい写真が撮れるから
ファンと直接つながれる
高野寛の弾き語り、くるり、伊集院光など利用者が増えている
いろんな課金方法が出てきた
岡田育さんの随時更新型ノート
・有料、●●万円も売れた
・書き足す途中で値上げしている
橘川幸夫さんのノート
・「スキ」がたまったら有料にする
ペイウォールのラインを文末においたノート
・「投げ銭」になる
コンテンツ単位でのコミュニティもできている
やろうとしているのは
コミュニケーション、マーケティング、クリエイティブの一体化
ひたすらシンプルに
いいものはなんでも採用
機能は小出しにする
既存の常識を疑う
ランキングはつけない
・そこをみんなが見てしまいコンテンツの多様性が失われるから
カテゴリーもない
・ブログを書いたあとにカテゴリーをつけてもしっくりこない
新機能「マガジン」はノートを束ねる機能
自分のコンテンツならまとめて販売可能
他人のコンテンツならキュレーションになる
フォローができる
自分のコンテンツを束ねるとできること
・カテゴリー、ショーケース、アルバム、写真集、マンガ、連載、ファンクラブ、メルマガ、本、雑誌、
継続課金を準備しており、ファンクラブの運営もできる
・既存のファンクラブのASPはクローズド。ファンにしか広がらない
他人のノートを束ねるとできること
・ブックマーク、キュレーション
・フォロー
コンテンツビジネスの価値の源泉はどこか?
・過去:データをパッケージして流通することで課金
・現在:インターネットによってビジネスがゆらいでいる
・未来:コミュニケーションと体験に価値がシフトする
もともと本も粒の大きいコミュニケーション。その粒を小さくやりやすくすればいいだけ
問題はクリエイティブではなくマーケティングにある。売る場所づくり
今後、検討している機能
・検索
・アプリ
・レコメンド、マーケティング機能
・ビューアの拡充
プロの使用も歓迎
・ファンクラブ
・テレビ、ラジオなどの番組
・雑誌、会報
・クラウドファンディング的に使う
(つづく)
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