マガジンのカバー画像

新聞流通研究

30
新聞の版建てや流通に関する記事を中心に、新聞に関することをまとめています。
運営しているクリエイター

記事一覧

速報! #ガンジツスゴクオモイシンブン 2024

 2024年になりました。ことしも当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。年初恒例企画「ガンジツスゴクオモイシンブン」のページ数速報をお送りします。  新聞にとって元旦紙面(1月1日付朝刊)は大型企画やスクープ、政財界要人対談などを掲載し、企業の賀春広告を集めるなど、特に力を入れて製作する見せ場です。  別刷りが多数作られ重量が大きくなることから、新聞流通研究の同人サークル「横浜新聞研究所」が「シンカンセンスゴクカタイアイス」のパロディーとして「ガンジツスゴクオモイシン

阪神日本一、なんばで号外配布

 プロ野球日本シリーズは5日の第7戦で、阪神が7-1でオリックスに勝って4勝3敗とし、38年ぶり2度目の日本一に輝きました。  NHKがニュース速報で阪神日本一を伝えたのが午後9時44分。私は野球ファンではないので、大阪・九条の映画館「シネ・ヌーヴォ」で『不安は魂を食いつくす』を見ている最中でした。  22時すぎに終映し、映画館を出ると既に試合は終了。九条は、試合会場の京セラドーム大阪から徒歩9分前後の場所ですが、近くの商店街では、阪神、オリックスどちらのユニホームを見る

社会面はどこに──四国4県紙の紙面構成の特徴

 朝日、毎日、読売、産経の全国紙4紙(朝刊)は現在、共通して、おおむね以下のような紙面構成となっています。 1面に近い側に政治、国際、経済といった硬派面 最終面はテレビ番組表、ページをめくると社会面 中盤にスポーツ面と、文化、生活、オピニオンといった読み物系の紙面  しかし地方紙は全国紙と差別化するため、上記とは異なる紙面構成を採っていることがあります。  先日の記事で書いたように、このお盆の旅行で四国4県の県紙を購入しました。  これらの新聞を眺めていると、四国

四国の県紙は高松駅でそろう

 お盆休みの旅の道中、JR高松駅に立ち寄りました。  新聞マニアにはよく知られた話ですが、JR高松駅の「セブン-イレブン Kiosk 高松駅改札口店」では、当地の県紙、四国新聞だけでなく愛媛新聞、徳島新聞、高知新聞と、四国の県紙全てが販売されています。  写真は改札内で写したもので、基本的に商品は改札内に並んでいますが、改札外側にも窓口があり、新聞はこの窓口からでも購入できます。  「四国の玄関口」としての存在感を今も残す高松駅ならではの光景と言えるでしょう。  ちな

「特ダネは最終版だけ」が日経にもまだあった 日銀の金融政策修正案報道

 当局がまだ明らかにしていない重要ニュース、いわゆる「特ダネ」は、最終版だけに載せて他紙に追い付かれないようにする――。これが新聞業界の常道です。  日本経済新聞は昨今、この常道に反し、毎日18時に電子版で、翌日付朝刊掲載のトップ級ニュースを配信する「イブニングスクープ」を続けてきました。  しかし特ダネ中の特ダネとなると、日経も「最終版だけ掲載」に踏み切るようです。2023年7月28日付朝刊最終版に載ったのは、日銀が金融緩和策の修正案を議論するというもの。長らく続いた「

さようなら大阪日日新聞

 大阪日日新聞が7月31日付紙面の発行をもって休刊しました。 「大阪の地元紙」標榜 1911(明治44)年創刊の『帝国新聞』を源流とし、戦時中に一時休刊しますが、1946(昭和21)年に夕刊専売紙として復活。大阪に多数あった夕刊紙の一角として、暴力団抗争をめぐる熾烈な報道競争を演じました。  しかしバブル崩壊後は経営難に追い込まれ、2000年、鳥取県で日本海新聞を発行する新日本海新聞社による買収を受け、これに伴い朝刊専売の日刊紙に衣替えしました。以来「大阪の地元紙」を標榜

朝日新聞が文字拡大

※2023年5月8日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  朝日新聞は5月1日付朝刊から、一部紙面の本文文字の大きさを拡大しました。対象面は朝刊の1~3面、社会面、それに社会総合面で、夕刊と土曜別刷りbeにも導入されます。  4月5日付朝刊の社告によると、文字の横幅は約3.9mmのまま変わりませんが、扁平率を抑えて縦幅を約3.3mmから約3.6mmに大きくしたということです。  これにより1段に入る字数は12文字から11文字へと

2023年の #ガンジツスゴクオモイシンブン 広告面比較

※2023年1月4日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  新聞の収集や流通研究を趣味にする人の間で「ガンジツスゴクオモイシンブン」と呼ばれている新聞の元旦紙面は、企業広告も華やかなものが多くなります。新年にブランドイメージを打ち出す全面広告や、賀春挨拶としての名刺広告特集などに紙面の多くが割かれます。2023年の出稿状況はどうだったのでしょうか。  今回比較対象とするのは、大阪府東部で購入した次の5紙です。(カッコ内は地域面題字

速報! #ガンジツスゴクオモイシンブン 2023

※2023年1月1日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  2023年になりました。ことしも当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。  年初恒例企画「ガンジツスゴクオモイシンブン」のページ数速報をお送りします。  新聞にとって元旦紙面(1月1日付朝刊)は大型企画やスクープ、政財界要人対談などを掲載し、企業の賀春広告を集めるなど、特に力を入れて製作する見せ場です。別刷りが多数作られ重量が大きくなることから、新聞流通研究の同人サー

2022参院選 紙面の残議席反映状況 その2

※2022年8月5日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  先日、2022年参院選の開票速報を伝える7月11日付朝刊紙面の反映状況について紹介しました。  前回は集計時刻を横軸にグラフを作りましたが、今回は比例選開票率を横軸としたグラフを作ってみました。使う紙面は前回記事と同じものです。2019年のときにも同様のデータを作っていますので下記リンクからご覧いただけます。  グラフは、中面の各選挙区、比例代表の得票状況が詳細に載って

2022参院選 紙面の残議席反映状況

※2022年8月4日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  7月10日、参院選が投開票され、自民、公明の与党が改選議席の過半数を獲得し勝利しました。  この選挙の週末は休暇を取って東京に滞在し、月曜午前は関東で新聞を収集、午後帰阪後にも一揃い購入しました。全国紙、地方紙の11日朝刊は残り何議席のところまで紙面に盛り込めたのかをまとめます。 入手した紙面 東京新聞以外の地方紙はJR新宿駅の中央線特急ホームで信毎と山日、JR東京駅丸

ロシアがウクライナ侵攻 当日の夕刊

※2022年2月27日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  ロシアは2月24日、ウクライナに対し「特別軍事作戦」と称して軍事侵攻を始めました。プーチン大統領によるビデオ声明が国営テレビで放送されたのは、日本時間の同日正午前のことでした。在阪一般紙の夕刊の掲載状況をまとめます。 入手した夕刊 この日、仕事終わりに梅田、難波、天王寺を中心に駅売店やコンビニ等を回って入手できた夕刊は次のとおりでした。全国紙はいずれも大阪本社版です。

2022年の #ガンジツスゴクオモイシンブン

※2022年1月5日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  2022年になりました。ことしも当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。  年初恒例企画「ガンジツスゴクオモイシンブン」をお送りいたします。ことしは都合により、例年行っている鉄道を利用した新聞収集旅行は行わず、近所のコンビニで5大紙を集めるのみにとどめることになりました。簡単ではありますがその結果報告をご覧いただきます。 ガンジツスゴクオモイシンブンとは 新聞にとって

2021衆院選新聞調査(7)山口新聞

※2021年12月22日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第7回は山口新聞です。 甘利氏辞意の一報突っ込む 山口新聞は下関市のみなと山口合同新聞が発行する山口県内をエリアとする日刊紙です。水産専門紙『みなと新聞』の夕刊が源流というユニークな経緯を持つ新聞です。共同通信には加盟していないものの、記事の配信を受ける契約は結んでおり、県外ニュースはほとんどを共同通信の配信記事を掲載