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雑文

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記事一覧

2023秋 信州旅行記(その3完)

 卒業以来会っていなかった大学時代の友人に会いに、同じく大学時代の友人である在京の2名と信州を訪ねた、1泊2日の旅行記の3回目。2日目は乗鞍高原散策を満喫する。 2日目(2023.10.8 日)信州に来たら確認せねばならぬこと  5時半すぎにいったん目が覚めたが、再入眠。うつらうつらしていた6時半頃、同室のK氏のスマホからアラーム音が鳴る。  サークル現役時代から変わらず、iPhoneのプリセット音。同期の間では、編集作業で徹夜すると、幾度となく聞かされたおなじみの不快

2023秋 信州旅行記(その2)

 卒業以来会っていなかった大学時代の友人に会いに、同じく大学時代の友人である在京の2名と信州を訪ねた、1泊2日の旅行記の2回目。松本市から、同市旧安曇村の乗鞍高原へ向かう。 1日目(2023.10.7土)のつづき夜、西へ  駐車場に着いた頃には、もうほぼ日は落ちており、かろうじて空には青みが残っていた。再びH氏の運転により、車は西へ向かい始めたが、イオンモール松本周辺の渋滞でなかなか市街を抜けられない。気が付けばもう真っ暗である。  その間、大学時代につるんでいた連中の

2023秋 信州旅行記(その1)

 卒業以来会っていなかった大学時代の友人に会いに、同じく大学時代の友人である在京の2名と信州を訪ねた。松本市中心部と、同市旧安曇村の乗鞍高原をめぐる1泊2日の旅だった。 0日目(2023.10.6金) 旅は7日からだが、前日から休暇をとって夜に東京入りし、在京の友人K氏宅へ泊まることにした。  その前にせっかく東京まで来たので一人で映画鑑賞をした。初訪問となるポレポレ東中野にて、作品は大島新監督『国葬の日』。とても面白かったが、レビューは別稿で書くべきだろうから省く。

「80年 躍進する敦賀」は今 賀春CMの企業を見に行く

 YouTubeには古いCMの録画がたくさん投稿されていますが、最近目にした動画の中でもひときわ、珍しいと感じるものがありました。  内容はいずれも、敦賀市関連企業による賀春のあいさつ。登場するのは各企業の幹部。アナウンサーではありませんから、どうも喋りがたどたどしく、これが今となっては趣の深い映像になっています。  果たしてこれらの企業は今もあるのだろうか――。今回は、回数が余っている青春18きっぷを使って敦賀を訪ね、「80年 躍進する敦賀」に登場した各企業が今どうなっ

2023夏 瀬戸内旅行記 その3完(8月14日)広島・尾道

 先日のお盆休みに行った瀬戸内旅行の最終日・3日目。広島を観光し、尾道へ立ち寄って帰阪する。  (▼前回はこちらから) 平和公園再訪 横川のゲストハウス縁をチェックアウトし、再び平和公園へ。  前日に入れなかった平和記念資料館に再び来てみたが、やはり120分待ち。さすがに炎天下の待機は厳しいので断念。横にある国際会議場のカフェでモーニングを食べた。 ドライブ・マイ・カーのロケ地へ 広島平和記念公園にはシェアサイクルのポートがあり、ここで借りて南へ向かう。  広島市環

2023夏 瀬戸内旅行記 その2(8月13日)松山・広島

 先日のお盆休みに行った瀬戸内旅行の2日目。松山からいよいよ広島ゆきのフェリーに乗る。  (▼前回はこちら) 朝食執行 宿泊したネストホテル松山にて、朝食執行役員松山支店長に就任した。  写真左下の「鯛めし」が美味しかった。バイキング会場にあった説明書きによれば、今回食べた炊き込みご飯形式の鯛めしは松山・今治方面で食べられるもの。同じ「鯛めし」でも宇和島方面だと、タレに漬け込んだ刺し身をご飯の上に載せて食べるらしい。これはこれで食べてみたい。  またこれも当地の名物、

2023夏 瀬戸内旅行記 その1(8月12日)高松・松山

 久しぶりに青春18きっぷ旅行をした。これまで訪問も通過もしたことのない県のうち、今回は愛媛県、松山へ行くことにした。  途中まで同行する友人の提案で、松山からの帰路は広島までフェリーに乗ることに。これが素晴らしかった。  旅は2泊3日のスケジュールで、ルートは次のとおり。  8月12日(土)  大阪→高松→松山 鉄道(18きっぷ)  松山・勝山町「ネストホテル松山」に宿泊  8月13日(日)  松山→広島 フェリー  広島・横川「ゲストハウス縁」に宿泊  8月14

同じ場所から同じ映画を見ること

 座席指定制の映画館。売り場に「満員」の表示が出ているのを横目に、引き換え済みのチケットで検札を受け、最前列の左から2番目の席に荷物を置いた後トイレへ行った。  開映直前、トイレから戻りシアターに入ると、隣の一番左の席に若い女性が座っているのが見えた。  私が席に着こうと椅子から荷物を引き上げたところで、女性が声を掛けてきた。片言だったし、学生街の映画館だから、おそらく留学生である。「友達と来ていて、向こうに座っているんですが、代わってもらえませんか」と言われた。  少

自動ツイート機能がなくなった

 読書メーターで読了を登録すると、自動でその旨をツイートする機能がなくなった。ツイッターの仕様変更によるものらしい。  すでにツイログが終了し、ツイッターは、日々の生活をアーカイブするツールとしては使いにくくなっていた。だから読書メーターとツイッターを連携させる意味は小さくなったし、自動ツイート機能の終了通知には特に戸惑うこともなかった。  ところが、いざ終了してしばらくして気付いたが、ツイッターのタイムラインから消えたのは、自分の読書記録だけでなく、他人の読書記録も同様

十年一昔

 フェイスブックが「10年前のきょうの写真を見ろ」と言って、新快速が各駅停車する地域の写真を表示してきた。高校時代に部活動で訪ねた土地で撮った駅名標の写真だった。  当時の自分は漠然とした将来の不安に怯えていた。現在も続く読書習慣はこの頃できたものであり、今でこそ純粋に趣味として楽しく読んでいるが、当時は自分の知的欠陥を埋めなければならないという強迫的な気持ちに押されて読んでいたものだった。  十年一昔とよく言われる。確かに大学を出て、働きだして、実家を出て、という意味で

「言語化できてよかった」のか

 人の話に付き合っていると「悩みを言語化できてよかった」と言われることがよくあるが、その手の物言いがとても苦手だ。  いつからこんなに、ビジネスでもなんでもないのに、生活上の感情の吹き溜まりを「言語化」すれば何か道が開けるかのように信じられているのだろうか。  言葉が、迷っている人の背中を押すことはある。人と話していて、自分の迷いが何かしらの打開を見ることはある。  だから迷っている人間が人と話をすることには意味があるし、そういう人から指名されればいつでも話を聴こうじゃないか

無責任な積読

 未だに電子書籍には手を出さず、紙の本しか読まないが、借りるよりも買うほうが好きという厄介な性格でもあり、どうせ読めはしないだろう量の本がたくさん積み上がっている。  基本、仕事以外で人と会うことのない寂しい暮らしをしている。人と会わないと、感情が動く瞬間は、自分で設定しないとそう簡単にやってこない。そういう穏やかな生活がお気に入りという方もいるだろうが、私は退屈が苦手な人間なので、家の中にこもっていられず外出するのが常である。  しかし外出先の選択肢が幅広くあるわけでは

映画を人と見る

 どうもいまいち腑に落ちていない。誰かと映画館へ行って、一緒に映画を見るということが一体何なのか、腑に落ちていないのである。  と言っても「1人で見たほうが良い」と言いたいわけではない。「1人で見る」よりも「気心の知れた人と一緒に見る」のほうが豊かな気持ちになることに疑いはない。しかし、その「豊かな気持ち」が思ったほどでもない。  良い映画を何度も見ることに躊躇はないから、ある作品を1人で見に行った後、その作品を好きになりそうな人を誘って今度は2人で再鑑賞ということがしば

違う図書館に本を返してしまった

 住んでいる市の図書館で借りた本を、勤務先がある市の図書館の返却ポストへ誤って返してしまった。図書館利用歴は長いが、このうっかりは初めてだった。  間違ってますよという連絡の電話が、本を借りたほうの図書館から入った。返した先の図書館が預かってくれているので取りに行ってほしい、ということだった。  期限ギリギリの「返却」だったから急いで、預かってくれている図書館へ行って受け取りに行った。  電話で指示された通り、指定のカウンターで事情を説明したところすんなり本を返してくれ