ママのハンバーグは宇宙一おいしいんよ!! 甥っ子が鼻息も荒めにわたしに言ってきた。 わたしの子も負けじと ウチのハンバーグだって宇宙一だ!! と言った。 わたしたち姉妹は下を向いてニヤニヤしてしまった。 なぜならそれは生協さんで買ったハンバーグだったからだ。 世の中には知らずにいたほうが幸せなこともあるよね? 子どもたちには黙っておいた。 これは姉上とわたし、二人だけの秘密である。
そう、子どものころから知っていた。 わたしの母上は焼き魚を食べるのが下手なことに。 幼少のころは、きっとお付きのばぁばにむしってもらっていたに ちがいない。 ・・・ ある日、塩サバメインの夕食時。 母上の食がすすまない。 ははん、これはきっと 鯖を自らのお箸で食べるのがイヤなのね? そうは言っても食べてもらわないと困るのでわたしは考えた。 それなら塩サバをほぐして海苔巻きにしてやろうと。 案の定、母上は海苔巻きにしたら普通にお召し上がりになる。 普通どころか、いつも
「家庭料理」。そう、家庭の味。 それはお母さんやお父さん、はたまた おばあちゃんやおじいちゃんがが作った味。 今では味わえないけど望郷のかなたにある味だったりもするが それはそれぞれが思うことで。 わが子に一度聞いたことがある。 「私が作ったごはんのなかで、一番好きな料理は何?」 わが子は 「鶏をゆでたやつ!」 そう答えた。 ・・・・それは、鶏をゆでただけで、 しかも味付けは塩を振っただけのやつ? 嗚呼、それが庭料理。