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■行ってみたいウォーキング■鉄道目線で歩く渋谷(前編:東横線に沿って)

渋谷の町は、数年前まで職場があった町なので、昼休みに散歩し続けたりして、色んなスポットを歩き回っていました。今回はそんな中で、特に「鉄道」に注目して、渋谷の町を歩くウォーキングコースを作ってみました。なかなか楽しいコースになりそうです。

■コースはこちら

そのコース、こんな感じで考えてみました。中目黒駅をスタートして、東急東横線沿いに代官山駅を過ぎ、JR線を越えて渋谷川沿いに北上、渋谷駅周辺を回り、宮下公園に行き、最後は道玄坂を登って神泉駅に至るルートです。距離は約4kmになります。

今回考えたウォーキングコース。鉄道沿いに歩くことも重要ですが、
実は地形を知るという意味でも面白いコースと思います。

では、見どころを具体的に紹介したいと思います。

■①中目黒駅からスタート

東横線と日比谷線の乗換駅、中目黒。
今は副都心線の電車も乗り入れます。
中目黒駅正面口を出ると、目の前は山手通り。
山手通りを跨ぐ架道橋。実は興味深い事実が。
外側が東急線、内側が東京メトロ日比谷線の線路ですが・・。
実は、真ん中の日比谷線の線路は元々の東横線の高架橋を流用し、
東横線の線路は、当時の営団地下鉄が新設した高架橋を使用しているのです。
真ん中の日比谷線の高架橋が、ちょっと古そうな雰囲気になっています。
目黒川橋梁も同じ感じで架設されました。
なので、なぜか東横線の橋に「北千住起点〇〇km」みたいな、
不思議な標示がされています。
逆に真ん中の日比谷線の橋が、「渋谷起点〇〇km」という標示があります。

メトロアーカイブスアルバムに、日比谷線の建設史が公開されており、この区間の施工経緯が書かれています。元々の東横線の高架橋が、少し改良を加えたうえで日比谷線の高架橋に転用され、外側に東横線の新しい高架橋が築造されています。

中目黒駅の作られた順番が記された工事誌。

■②日比谷線坑口部

別所架道橋を通ります。
この場所は、ちょっと悲しい事故があった現場。
2000年に発生した、日比谷線脱線事故があった場所です。

犠牲者5名を出した脱線事故。急カーブで車両が脱線しました。

このあたりは、日比谷線の線路を入れるために、台地を削って場所を確保したそうです。
工事誌に記載された、当時の切土工事の概要。結構大掛かりですね。
このあたりで日比谷線が地下に潜ります。
そして、東横線の進む先にも、渋谷隧道が見えます。
駒沢通りが坂道を登っていきます。
駒沢通りにはかつて都電が走っていました。

■③旧山手通り

渋谷隧道の真上を旧山手通りが横切ります。
舗装の切れ目が、どうも開削トンネルの形に切れている感じがします。
旧山手通り沿いの駐車場の奥に、渋谷トンネル坑口があります。
代官山交番前交差点。とてもおしゃれなお店が建ち並ぶエリアです。

■④代官山駅

代官山駅。渋谷トンネルの反対側の坑口は、この駅のすぐ手前です。
この写真の真下を、トンネルが抜けているイメージです。
駅の真横の道は、谷底めがけて急勾配で下り坂になります。
急勾配の道を降りていくと、急に駅のホームが現れます。
狭い谷底に作られた駅なのですね。
狭い谷を越える橋が架かります。そんなちょっと複雑な感じも、この街の特徴でしょうか。
せっかくなので、その陸橋の上にも行ってみました。
ここは2013年に一晩で一気に地下化工事をした場所です。
陸橋の階段から眺めた、渋谷方面の地下線入口。
本当に激しい起伏の町ですね。

■⑤ログロード代官山

地下化された東横線の真上の、旧東横線廃線敷が、イメージアップしました。
お洒落なお店が建ち並ぶゾーンに。
とはいえ、擁壁は現役当時を彷彿とさせます。
こんな感じのおしゃれスポットなのですが・・、
きちんと現役時代の境界杭もありました。

谷底を降りてきた線路は、渋谷川のさらに深い谷をめがけて進みますが、その手前にあるのが・・、

■⑥四反道跨線人道橋

JR線と、それを跨ぐ陸橋です。
老朽化による架け替え工事が始まっています。
今の橋が渡れるのも、もう少しの期間しかないかもしれません。
橋の上から。南側は恵比寿駅に繋がっています。
うお、渋谷って、相鉄線と繋がってるんだね、という一枚(笑)。

■⑦渋谷ブリッジ

ここには、かつて東横線のトラス跨線橋が架かっていました。
それを1日で撤去した工事が、ありました。
橋を渡ったところから広がる細長くカーブした商業施設。
高架橋をイメージした意匠になっています。「79」は、渋谷駅を起点に「柱番号」
を辿ることができるのです。(かなりマニアックで、実はみんな知らないのでは)
高架橋っぽい新しい建物の柱(71番)と、オブジェ的に残された旧:高架橋の橋脚(70番)
当時の高架橋柱のコンクリートっぽいですが、解説等が殆ど無いので、
知らない人には何のことだかわからないかも(笑)。

■⑧並木橋と駅跡

並木橋付近の廃線敷空間。本当は東急の高架橋を残して遊歩道化
したかったのですが、実現せずに不思議なモニュメントが並ぶ空間に。
信号用のトラフの部材がベンチになっています。
注目のトマソン案件、健在(笑)。ドアを開けたら落っこちます。
高架下だった時代は、小さな通路があったのかもしれませんね。
並木橋付近に来ました。60番の柱も、新しく作られたオブジェのようなものです。
このあたりは、川沿いに高架線は走った区間。これが新並木橋です。
お、こんなところに、オブジェの紹介が。これを見ていない人には
ちょっと理解不能な空間。もう少し説明を充実させても良いかも。
新並木橋のすぐ隣に架かるこの橋が、並木橋です。
並木橋から伸びる、渋谷川。少し水が流れていますが・・
下水処理場の処理水を流す、「清流復活事業」により、水が流れています。
そして、この「59番」は、説明が無いので意味が解りませんが・・
恐らく、「並木橋駅跡」があったことを示すホームのオブジェ、のはず・・。

■⑨渋谷貨物駅跡

並木橋から、猿楽橋に向かって少し散策。

さかえ湯。並木橋の近くにある銭湯。渋谷駅徒歩圏に、現役です。
渋谷駅に通じるカルバートは補強工事のため閉鎖中です。
猿楽橋を下から。リベットが美しい橋です。
老朽化で架け替えされていく予定です。
ここから渋谷駅新南改札、生協のビルなどが連なる箇所が、渋谷貨物駅跡。

■⑩渋谷ストリーム

渋谷ストリームに来ました。TOKYOのモニュメントに踏まれていますが、
ここにもレールが埋め込まれているモニュメントが(笑)。
繁みに隠れる形で残されている、分岐器レールと
電化柱のモニュメント。
渋谷ストリームの2階の通路には、レールを模したモニュメントが。
「22番」は、柱ではなく、ペイントなのですね(笑)。
3階に登りました。桜丘口再開発のビルが完成間近。
両街区を結ぶ通路と、新改札が建設中です。
今は人影まばらな3階ですが、近いうちに
人が押し寄せるコンコースになるでしょうね。
ストリームとスクランブルスクエアを結ぶ、国道246号上のデッキ。
昔の東横線のかまぼこ駅舎をモチーフにしています。
東横線の駅は、実は4番線までありましたが、今は3番線まで。
4番線があったところに、現在の埼京線ホームができています。
横から見ると、こんな感じ。国道246、デッキ、首都高渋谷線に囲まれた空間。

■⑪国道246号ガード

国道246号のガードに降りてきました。実は、このストリームの連絡橋は、
鉄道高架橋をそのまま流用して歩道橋に転用しているのです。
当時の銘板。鮮明に見えませんが、
【昭和36年 東京急行電鉄株式会社建造 駒場架道橋】と読めます。
下から眺めると、旧鉄道橋の雰囲気が色濃く残ります。
埼京線の高架橋(左)が再開発で新設されました。
それ以外の高架橋は旧来のまま。改良工事はまだまだ続きます。
埼京線北行きと、山手線の架道橋。架け替えに向けた工事が続いています。
山手線外回りホーム。線路切換工事が終わったので、
解体工事が始まっています。ホームの一部は首都高の柱で支えられています!
これまであった屋根が解体された、山手線ホーム周辺。
まだまだこれから大きく変貌していきそうです。
ということで、渋谷駅の西口歩道橋に到着しました。

前半はここまで。後半では、渋谷駅周辺を歩き、その後井の頭線の神泉駅付近を歩きます。

■終わりに

渋谷駅周辺を歩くウォーキングコース、鉄道目線中心といいながら、なかなか変化に富んだコースで、とても興味深いと思います。後半戦も見どころ満載ですので、お楽しみに。

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