見出し画像

茶屋のお便り7月創刊号《後半》~そばで農業経営を成り立たせるために~

■ ソバに将来性はあるのか?

 前回の『茶屋のお便り7月号《前半》』ではソバとお米を比較して、ソバの方が労働時間当たりの利益が目に見えて大きいという話をしました。

 それでは米づくりを辞めてしまって全面的にソバに移行すればいいのかというと、今時点で現実的ではありません。お米は農協さんが全量買い取りしてくれますが、ソバは販路を開拓していく必要があります。これが簡単なことではありません。

 ただ、可能性をひとつ見つけることができました。

『ひょっとして、アイツか?』

 そうです。『年越しそば』です。

 同じく富山県の石川製麺さんが南砺市産のそば粉を使った年越しそばのプレミアムセットを販売しており、昨年は15,688食が完売しています。推定売上高は約1,300万円(茶屋ファーム調べ)となかなかの金額です。

 ご興味ある方はこちらから

 これをマネしたいと思っています。確かにほとんどの人は大晦日に家で年越しそばを食べますよね。

 利賀村では毎年2月にそば祭りを開催してきており大勢の方に来ていただいていたのですが、色々な要因で休止が続いています。利賀のそばを多くの方々に召し上がっていただく機会が損なわれるのは寂しいという思いがあります。大きなイベントで利賀に来ていただくのが難しくなった代わりに、村の外へ向けて販売していくことで利賀のそばを広めていきたいと考えています。

(※追記)そば祭りは今年令和5年に復活することになりました。ただ、先のことは分かりませんし、とんでもない山奥の利賀村まで来られない方もいらっしゃると思うので、外へ向けての販売は引き続き目指していきます。

 「利賀といえば、そば。そばといえば、利賀。」ちょっと大げさかもしれませんが、これまで諸先輩方が積み上げてきたものが薄れていかないようにしたいです。最後の締めの言葉っぽくなっていますが、ご安心ください。あとちょっとだけ続きます。マネをすると書きましたが、ただのモノマネでいいのかという話です。

■ ちゃきちゃき商品開発中

 そのまんまのコピーではなく独自性を出そうということで、岩魚の焼き干しから出汁をとったそばつゆを試作しています。試食会を繰り返しており、道半ばではありますが完成度は上がってきていると思います。

『炭火で焼いて、脂と水分を落としているところ』

 出汁といえばかつお節や昆布が王道だと思いますが、せっかく岩魚を使うので海の幸は合わせないつもりです。正直なところ、かつお節のような洗練された上品な味・香りとはならず、野暮ったさと言いますか旨味のなかに雑味も薄らかに感じられてしまいます。ですが、大晦日に1年を良きも悪しきも振り返りながら食べる年越しそばとして、かえって相応しいのではなかろうかと開き直っています。

『部屋とYシャツと私』

 そばとつゆと何かの3点セットにしたいなと思っていまして、出汁をとり終わったあとの岩魚を甘露煮にして添える予定です。骨も柔らかく丸ごと食べられて美味しいです。岩魚づくしのオリジナリティのある商品として、利賀の顔になるよう育てていきたいと思っています。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。今回は広報誌を少し書き直したものを投稿しましたが、色々と活動していくのでその模様をお伝えしていきたいと思っております。今後ともお付き合いいただけると幸いです。


 私ども茶屋ファームは富山県南砺市利賀村で主にソバの栽培をしている農業法人です。日頃の農作業や六次産業化の過程、そばを使った料理、蕎麦についての豆知識など色々と発信していこうと思っています。

 ご興味を持っていただけましたら「スキ」や「フォロー」もよろしくお願いします。「コメント」もお待ちしております。お気軽にどうぞ。
 X(twitter)もやっていますので、こちらも是非お願いします。⇒ https://twitter.com/chaya_farm

画像は「ぱくたそ」さんのフリー素材を使用しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?