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アマガエルセラピー 02

カエルと仲よしになる

 餌付けしてカエルと仲を深めていきます。腹ペコを満たしてくれる相手に好意を持つのは本能で、次第に手から直接食べるようになります。キラキラした瞳でガン見しておねだりしたり、目が合うと口をぱくっと開けてアピールする子もいます。

 自分が与える餌をおいしそうに食べる姿を見ると、脳内に愛情ホルモンのオキシトシンが分泌され最高に癒されます。ただし、餌付けは一筋縄ではいきません。野生のカエルは生きた餌しか食べないからです。

 なかでも活クモが大好物。日が落ちたら近所をパトロールし、巣を張り始めたクモを捕まえます。手が届かない巣から落とすには、トマト栽培で使う支柱が役に立ちます。手の平に離したクモは逃げようと、お尻から出した糸にぶら下がりながら悠長に降りていきます。この習性が好都合で、宙吊りになったクモをカエルの視界に入れれば、たちまち野生を感じるすばしこさで食いつきます。

 近所のクモをあらかた捕り尽くしたら、次はハエの出番です。釣具店で淡水魚の餌に使うサシを手に入れます。1袋80匹程度が1~2週間で成虫になり、漬物用バケツに入れた野菜ネットで飼育します。果物ゼリーと水をあげれば1ヵ月くらいは生かせます。ハエは羽が意外と使えます。つまんであげるのに便利だし、まだ慣れない子には羽を切って目の前に落とせばいいからです。

 成虫になるまでの積算温度の読みが外れ、ハエが足りなくなることがままあります。そんなときは仕方なく30キロ離れた隣町のペットショップまでドライブして、ヨーロッパイエコオロギを買ってきます。コオロギは飛び跳ねるので扱いが難しく、半分くらいは無駄にしてしまいます。

 クモを捕り、ハエを飼い、逃げ回るコオロギを追い駆け、妻から白い目で見られることも多々ありますが、かわいいカエルのためを思えばどうってことありません。


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