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三浦春馬さんを語ろう。「恋空」でブレイクした17歳

三浦春馬さんを語ろう。13年間の思い出とこれから」を書いた際、大幅に削った私の記憶と思い出。この半年間、時系列整理したり、見逃していたことを追加したり、もう一度見返したり。この記憶を残しておきたいと思いました。

個人的な見解がかなり多くなりますが、三浦春馬さんの活動記録も兼ねて綴りたいと思います。
まずは私が出会った17歳の春馬くん。大きなブレイクとなった年でした。

最初のビッグウェーブ『恋空』

春馬くん自身「恋空が最初のビッグウェーブだった」と話していたように、世の中に広く「三浦春馬」の名前が知れ渡ったきっかけが、2007年11月3日に公開になった映画『恋空』。私が最初に名前を覚えたのもこの時でした。(子役時代も見ていたと、最近気づきました)

原作は当時流行っていた携帯小説で女子高生に絶大な人気があり、主役の新垣結衣ちゃんはポッキーのCMがめちゃくちゃ可愛く人気絶頂期、10月には六本木ヒルズで飛行機で空にハートを描くなんて大々的なイベントもあり、番宣もたくさん!

春馬くんはそれまでも十分活躍していたけれど、朝ドラや大河、「14才の母」など、どちらかと言うと大人向けの作品が多かったので「キャーッ♡」と言うようなファンは少なかったのでしょう。『恋空』を境に「外を歩いていると声をかけられるようになった」と。

当初、どちらかと言うとインタビューは結衣ちゃんが中心で、春馬くんは「相手役」と言う立ち位置。それが、だんだん春馬くん中心の話題が増え、12月にはドラマで小栗旬さんと共演、なんてニュースが出たり、写真集も発売になり、あっという間に人気者に!

最初に見かけた時「うわー、この子は人気出るだろうなー」と思ったのだけど、本当に三浦春馬人気が足音をたてて大きくなっている感じがして、見ていてワクワクした時期でした。

「ヒロ」役の春馬くん

『恋空』で演じたヒロは、金髪(白髪に近い)に片耳ピアス、学校サボって美嘉(結衣)ちゃんを家に連れて行ってしまうようなかなりの不良で、強く激しい男の子。途中でガンで余命が短いことを知り、美嘉を悲しませないようにわざと離れ、冷たい態度を取りながらも遠くから美嘉を想い続ける、根は優しくて男気があると言う、ちょっと複雑な役。

1回り以上年齢が違う私は「最近の高校生ってこんな過激なの?」なんて余計なことを考えてしまったのですが、それでも泣ける。
何より冒頭の出会うシーンと、最後のシーンが強烈に印象に残っています。

まず冒頭の出会うシーン、2人がぶつかった後の10秒くらいのアップ。セリフがなく、表情もほとんど変わらないのに、ト書きが10行くらい浮かびそうな表情。そして、なんと意思のある眼差しと綺麗な斜め45度。
「少女漫画から抜け出したような」と思っていたのだけど、この10秒は「抜け出したような、じゃなくて、まんまそのまま。」

そして後半、病院で再会する場面。本当に消え行ってしまいそうなほど儚く、透明感があり、言葉以上に物言う目。
ラストは朦朧とした意識の中で薄目を開けて、一筋の涙を流し微笑むように息を引き取る。

心電図「ツー」などの演出もなく、ほんの1mm 2mmの顔の動きでこんなにリアルで綺麗な死に方をした人がいただろうか?しかも17歳!


「泣くシーンや、辛いシーンが多くて、カットがかかった後も大変だった」といったことを話す結衣ちゃんの隣で、春馬くんは「僕は別にそうでもないです」的な反応。休憩時間も春馬くんはニコニコという話題も。
当時はあまり役に入り込むタイプではなく、本番でいきなり集中できちゃう人なんだな、と思っていました。後に「憑依型」と言われるようになるとは、この時は全く思いもせず。
実際は完成を見て号泣し、暴力のシーンなどがトラウマのようにもなっていたそう。

12月以降、怒涛の公開ラッシュ

恋空のヒットが続く中、12月には写真集発売と、小栗旬さんと共演の連ドラ『ボンビーメン』の制作発表会見があり、年が開けて1月から3月まで『ボンビーメン』放送中に、1月19日『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』、2月16日『奈緒子』と、2本の映画が公開。

「また新しい映画?すごいね、この売り出し方」とテレビに向かって突っ込む私。

撮影は春頃に『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』。5月6月で『恋空』。7月から長崎で『奈緒子』の走り込み合宿から始まって、そのまま8月まで撮影。前半にまとめて撮影していた様子。

貧乏男子の制作発表記者会見の時に

「共演したい俳優さんはいる?」と聞かれたので「小栗旬さん」と答えたら、すぐに共演できちゃって、嬉しい。

と。すごく大事にされていて、事務所もここで売り出そう、と12月に照準を合わせてきたのでしょう。

2月15日に開催されたアカデミー賞では『恋空』で新人俳優賞を受賞。
売れるべくして売れた、なのでしょうが、すごい半年でした。

人生初の金髪と色白さん

撮影時期と同時に気になったのが髪と肌の色。
『恋空』の役のために金髪(銀髪?)にしていた時、「まだ顔が知られていなかったのでリアル不良に絡まれそうになって怖かった」と話していたけれど、『ネガティブ〜』から続けてあの髪だった模様。

『恋空』の黒髪はカツラ。元気な時の顔色は濃い色のファンデーションで、病気になった後が素の肌の色。
心電図つけられた姿に「うわ、全身白い!白ファンデ塗ってるんじゃなくて、本当に色白なんだ」とびっくり。

そして『奈緒子』の撮影時には真夏に屋外で走ってそれなりに日焼けしているのに、11月の恋空プロモーションの時にはすっかり色白さんに戻っています。どれだけ色白なの!と驚きます。

ドラマ『ボンビーメン』

1月から3月に日本テレビ系 火曜10時枠で放送された『貧乏男子 ボンビーメン』。憧れの小栗旬さんとの共演で、会見の時から番宣でも役の中でもとても嬉しそうで、お目目キラキラな春馬くん。天然記念物並にかわいい春馬くん全開の白石ちゃんでした。

ただ、視聴者の反応は微妙で。
恋空でヒロのファンになった人が『ボンビーメン』を見ると「ヒロを見てかっこいい!と思ったのに、情けないし頼りない」みたいな反応もあり。素の春馬くんもシャイだったので、恋空ファンの方がそのまま100%三浦春馬にハマりきれなかった印象はあり、俳優さんって難しいなーと思って見ていました。

この時小栗さん人気絶頂期だったのですが、小栗さんファンからも「小栗旬にはかっこいい役をやって欲しい」「情けない小栗旬は見たくない」的な意見があって、残念ながらこのドラマはあまり人気が上がらず。

ただ、小栗さんはこの時に共演した山田優さんと結婚されてますし、この後も春馬くんを可愛がってくれていますので、とてもいい出会いの作品だったと思います。

映画『奈緒子』

『恋空』の撮影のあと、髪もさっぱり短くなって、天才ランナー役。意外と少ない爽やか体育会系の役で、シャイで真面目で一途、と言う春馬くんと通じるところもあり。スポーツものなのに表情で話が進む、春馬くんにぴったりの作品かと。

主演の上野樹里さんも表情が上手な女優さんなので、2人でセリフがほとんどない中進むシーンは特に引き込まれます。船付き場で奈緒子(樹里さん)を迎えるシーン、2人で海まで走るシーン、練習の最中先輩に伝えきれない雄介(春馬くん)に奈緒子がお水を渡すシーン、などなど。映画らしい空気感がとても良いです。

監督の「尖って無邪気、笑いつつ泣く目」と言う表現がすごく的確で。タイトルは『奈緒子』ですが、雄介が主演なんじゃないかと、密かに思っています。


​樹里さんも同じ事務所なので、事務所がプロモーションに力を入れていたと思いますが、あまりにも立て続けのリリースだったのと、公開前日がアカデミー賞授賞式で『恋空』話題が続いていたので、埋もれてしまった感がありました。
樹里さんも「のだめカンタービレ」が大当たりした後で、「元気な子」と言うイメージが強い時だったのかと。ハマり役や大ヒット作品の直後はなかなか難しいですね。

この映画のライバル役に綾野剛さんが出演されていますが、綾野剛さんは元々陸上部だったそうで、走る姿がとても綺麗。この時25歳?綾野剛さんが若く見えるのか、春馬くんが大人っぽいのか、とても8歳の差があるとは思えません。役者さんってすごい。

一から走り方を学んだ春馬くんは、「肉離れを起こしても文句も言わず走り続けた。」(カメラマンの猪本雅三さんTwitterより)そう。撮影前に怪我をしたそうですが、皆には言わず黙々と練習を続けて本番に臨んだとか。役作りのストイックさと真面目さはこの時からですね。

映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』

主演ではないので、あまり取り上げられることがなく、私も存在を知ったのは最近でした。最初から事故で亡くなっている設定なので、回想シーンとしての出演で、それほど多くはありませんが、『恋空』のヒロと同じ銀髪でとても印象に残る役。

喧嘩のシーンの動きがとてもかっこいい!
空手を習っていたこともあり、バネと瞬発力が明らかに演技の域を超えていて「絶対、喧嘩強いだろう!」と言う感じ。この後ヤンキーの役が増えるのも納得です。

そして、ベースを弾きながら歌っている姿が様になっていて、歌が上手い。
私もバンドをやっていましたが、歌いながらベースを弾いて、体であのノリができる人ってあまりいません。元々のリズム感が相当良かったのだと思います。
曲も詩もよく、高校生バンドがちょっと弾いてみた、とは思えない演奏。この映画の中で際立ったシーンです。

ストーリーや演出などはその他作品と比べると少々荒いのですが、「歌えて、動けて、かっこよくてかわいい」春馬くんの才能の原点をぎゅっと詰めた作品でした。

高校2年生

「高校1年の頃は学校に行けていたけど、2年生くらいから行けなくなった」と話していたように、10月以降はほとんど行けていないんじゃない?と言う活躍ぶり。

『恋空』と『奈緒子』の劇中アップの表情をまじまじと見て、こんなに完璧にパーツの揃った顔の人が、本当にこの世にいるものなんだ。。なんて思ったものです。

秋くらいに初めて見た時は、とても控え目でシャイな印象でしたが、12月頃にはだいぶ慣れたようで、いつもニコニコ、ほわっと穏やかな感じに。
しかし、大人っぽく受け答えしてるかと思えば、自己紹介で自分の名前を咬んでしまったり、舞台挨拶で樹里さんに「筋肉がカチカチ」とツンツンされ照れまくっていたり。

「すごいなー」と「面白いなー」、「かっこいいなー」と「可愛いなー」が交互にやってくる高校2年生の春馬くんでした。


 18歳に続きます


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