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三浦春馬さんを語ろう。 27歳 旅

大河ドラマの出番が終わって以降、しばらく見かけなかった27歳の春馬くん。
これまでも撮影や稽古などで数ヶ月見かけないことは度々あったのであまり気にしていなかったのですが、ロンドンに留学していたとのこと。

秋の連ドラ『オトナ高校』以降は、映画や特別ドラマなど撮影時期と公開時期のズレもあり、とても同じ人に見えないカメレオンぶり炸裂。「これ、いつ撮ったんだろう?」と思いながら観てました。

公開順だと全く別人に思える役柄も、撮影順に観るとなるほど!と思えたり、同じ時期にこの役?と驚いたり、また違った楽しみが多々。なので、ここからは撮影順に追っていきたいと思います。

ドラマ  『オトナ高校』

10月14日にスタートした『オトナ高校』。テレビ朝日土曜23:00からのドラマはこれが初(その前はSmastation)で、全8話という少し短めの連ドラ。

深刻な少子化問題に歯止めをかけるため、政府が打ち立てた「第2義務教育法案」に基づき異性との性体験のない30歳以上の男女が強制的に入学させられる「オトナ高校」が誕生。

そこに入学させられた、東大卒・高身長・高年収、自他共に認めるエリートだけど恋愛はポンコツな荒川英人:チェリート(春馬くん)、表向きは遊び人の上司:サショー(高橋克己)さん、不倫しているのに重すぎて便利な女扱いのスペア(黒木メイサ)さん、などなどが奮闘する学園モノ。

ちょっとぶっ飛んだ設定だけど、「結婚したいのにできない」「彼氏彼女ができない」と言って相談にくる方々の悩みと全く一致していて、リアル過ぎて笑っていいのか悪いのか。バスタオルを何回使って洗うかなんて、同棲初期や結婚まもない夫婦の喧嘩でよく聞く話(これは春馬くんのお友達情報だそう)。

チェリート春馬くんの、タカビーで自己中で女心全くわかっていないダメ男モードの時の嫌味な感じ&時々「気色悪い」とさえ思ってしまう怪しい動きと、ちょっと素直になっている時に見せるかっこいい&可愛いぶりと、心の声を白バックピンクライトで叫んでいる時のぶっ飛びぶりの、一人3役(正しくは役じゃなくてモード)具合がすごい。

『サムライハイスクール』で2役演じ分け、変顔も多々披露していたけれど、その上を行く顔芸。表情筋どうなっているんだろう?

春馬くんなのに、無理だわ〜。と思ったり、あ、やっぱりかっこいい、なんて思ったり。メイン俳優さん達の演技力のおかげで、とてもとても笑えるコメディに仕上がっているけれど、なんかちょっと心が痛む。

ヒロイン役が松井愛莉さん、曲が高橋優さん、という面々からして、事務所の力が強かった枠だったのかな?と思います。

時期的に色んな憶測が出ているこのドラマ。地上波主役はやっぱり大きいし、こんな難しい役出来る人そうそういないので、最初から春馬くん予定だったならそれでいいし、代役だったとしても説得したい事務所の気持ちもわかるし、ここまでのコメディは春馬くんの中でも新境地で、このおかげで今後繋がった仕事もあるので、良かったのではないかと思います。

もし説得した代役だったなら、言い方と対処の方法かな、と。何事もコミュニケーション大事ですね。
「留学切り上げて仕事します!」って公表してこの役やったら、もっと話題になって好感度上がったと思うのだけど、、、ダメなのかしら?

こんなコメディも出来るんだ!と幅も広がったし、演技力の評判も上がったけど、ネタ的に公に出しづらかったドラマのように思います。

バーベキューしたり、温泉に行ったり、楽しそうな現場でした。いつも楽しそうではあるのですが、学園ものの時、特に楽しそうに感じます。


映画  『SUNNY 強い気持ち・強い愛』

10月中旬〜12月頃撮影、翌年8月31日公開。90年代の懐かしい曲が散りばめられたコギャル世代6人組の思い出と、彼女達の現代(2018年)を描いた作品。

主役の奈美の現代を篠原涼子さん。コギャル時代を広瀬すずさんが演じ、春馬くんはコギャル奈美の初恋の大学生でDJの 渉 役。そして、大人奈美が最後に渉のお店に会いに行った先で会う、渉の息子役の一人2役。

出番はそんなに多くないのだけれど、ロン毛時代のキムタクを彷彿させるルックス&かっこいい極みの仕草の数々。

台本には「とにかくかっこよく登場」のように書かれていたようで、「当時の流行りであったロン毛を何度もかき上げ(笑)、嫌味がない感じをどこまで自然に出せるかが難しいところでありました(笑)」と。

主役は女性陣なので、舞台挨拶なども出ることはありませんでしたが、いやあ、ロン毛も似合う。なにその爽やかさ!結局、美形は何しても似合うってことですね。

そして、現代パートで篠原涼子さんが訪れるカフェで、渉の20年後を橋爪淳さんが顎にホクロを描いて登場。息子役で短髪姿の春馬くん(ほくろなし)が登場。

いかにも湘南のカフェのマスター親子にいそうなお洒落な雰囲気で、しかも橋爪さん、DJ渉(春馬くん)の20年後の面影あり。渉役がしっかり作り込まれているのに対して、息子の「はいよー」は春馬くんの素っぽくて、それもまた良き。

篠原涼子さんとは『ラストシンデレラ』再び。
少しの出番なのにとても印象深い作品でした。

しかもこれ、『オトナ高校』と同じ時期の撮影。
チェリートと渉、うーん。同じ人には思えないわ。


ドラマ 『Tourist』

年が明けて2018年の1月から2月頃に撮影されたParavi初のオリジナルドラマ『Tourist』。アジア3カ国を舞台にオール海外ロケで、史上初の3局またいで放送する1話約60分 x 3話のオムニバスドラマ。

1カ国につき約1週間、3カ国3話を1か月ほどで撮影したそうで、3話それぞれ別の女優さんが主役。スタッフも現地のスタッフさんやハリウッドでも活躍されているスタッフさんなど、別々のスタッフ陣、異なる監督さんで、3話通しての参加は春馬くん演じる天久真のみ、という面白い企画。

1話 バンコク篇:水川あさみさん、9月29日0:35- (TBS)
2話 台北篇:池田エライザさん、 10月2日0:12-(テレビ東京)
3話 ホーチミン篇:尾野真千子さん、10月8日0:30- (WOWOW)

実際の撮影は台北→バンコク→ホーチミン

いろんな事情を抱えて旅に来ている女性と出会い、恋人のように過ごす旅人。とてもミステリアスな役なのだけど、「プロデューサーと一緒に、彼の経歴から、今どういう状態なのか、この旅の最終目的は何なのかまで、かなり細かく話をして、真という人間をつくり上げていきました」

ということで、3話見終わると「あ、なるほど!」と思える作品。
3人の女性それぞれとの距離感とか、会話のテンポ、声の調子も全部違っていて、それもわざと「対峙する相手によって表情も変化する」のを表現したそう。

複数の女優さんと、それぞれの距離感で、、、って、『東京公園』『真夜中の五分前』『地獄のオルフェウス』に続き、春馬くん真骨頂の設定のように思います。
漏れなく、この作品もステキ。

池田エライザさんとの出会いのカフェでの会話は、間合いやテンポは完全に2人のアドリブでキャッチボールを楽しんだそう。噴水に落ちて水をかけるのも春馬くんのアドリブ。思いっきり顔にかかってしまって、エライザさんがやり返したそう。

舞台『地獄のオルフェウス』、ドラマ『わたしを離さないで』でも共演した水川あさみさんとは、ウノのシーンや水をかけ合うシーンなど、はしゃぐ姿がまるで素の姿。ちょっと背中を捩りながらのけぞる姿勢、ザ・春馬くん、って感じです。

初共演の尾野真千子さんとは、「お互いどういう人なのかつかめないまま撮影が終わってしまった気がします」というものの、ホーチミン篇の真が一番ナチュラルで春馬くんっぽく見えるのは私の贔屓目でしょうか?

「この『ホーチミン篇』は天久真の中にある母親像が浮き彫りになる回。母親を労る気持ちと、母親の周りに男性の影が見え隠れすることで生まれる少しの嫉妬心と。そういういろんなよくわからない感情と向き合いながら、それこそ僕自身の母親像も投影させつつ、真を演じていました。そんな僕に対し、尾野さんは母性のようなものを身にまとい対峙してくれた気がして。おかげで僕自身、すごく神秘的な気持ちになれた。そういう意味でもめちゃくちゃ印象深いですね、尾野さんとのお芝居は」

はい。作品も印象深いです。

1話しか出演しない女優さん達の方が当然出番は多く、春馬くんは自由時間があったそうで、観光したり食べ歩きしたりしていたそう。ベトナムとタイは初だったそうで、リアル旅人感とか、開放感のような雰囲気が出てると思います。

ついでに、この撮影の前、年末年始にイタリア、スペイン、NYに旅行に行っていたそうで、本当に旅続きの時期。

孤独感と人懐っこさ、優しさとクールさ、安心感と不安感。いろんな二面性を絶妙なバランスで保っている、ちょっと不安定な真が、青年から渋大人へ移行中の春馬くんと重なって、絶妙な雰囲気を醸し出しているのではないかと。

実際のオンエアはこの年の秋、半年以上後なので、ツーリスト公開時のインタビューは撮影時とはちょっと心境が変わっている感じがします。


映画『銀魂2』

『Tourist』の翌月、3月に撮影されたのが映画『銀魂2』。公開は8月17日なのでちょっと先。ガンガン告知PVが流れていたのに、私はしばらくの間「あー、GACKTすっかり俳優だねー、かっこいいねー。春馬くん名前あるけど、どこで出てるんだろう」なんて思ってました。失礼。

作品については垣公華子さんのnoteがとても素晴らしいので、内容や演技についてはこちらで。

福田監督から「伊東鴨太郎役は三浦春馬一択」と指名キャスティングだったそうで、ほんと、ぴったりの役。髪も眉毛も染めて、メガネにもこだわり、声も変えて。ここまで外見から完璧に作ってしまう役作り、尊敬します。

福田監督とも「いつか一緒に仕事したいね」とお話しされていたそうですが、出演の決めての1つは小栗旬さん主演だから、と。『ハーロック』以来約5年ぶり。演技そのもので言うと春馬くん18歳の時の『クローズゼロ2』以来なので9年ぶり。

尊敬する小栗さんとの再共演も嬉しそうでしたが、この時は子役時代からのご縁の柳楽優弥さんとのエピソードや空気感の方が印象にあります。

・柳楽さんの方が1学年上だけど、実は10日しか誕生日が違わず、子役時代からいつもオーディション会場で会っていた。(2人談)
・春馬くんはいつも主役を勝ち取っていく人。オーディション会場に春馬くんがいると、ああ、ダメだという空気が流れた。(柳楽さん)
・当時は負ける気がしなかった。けど、1回負けて友達役での出演のことがあって、とても悔しかった(春馬くん)
・今回、現場に入る前から春馬くんと共演する、と言うことで意識高いところでスタートできた。やりやすい、とかそういう次元ではなくて、わざわざ言葉で説明しなくても、何となく場の空気がお互いに共有できていた。(柳楽さん)

2人とも殺陣のシーンは最初のテストから息が合ってとてもやりやすかったそうで、子役からならではの現場でのあり方など、共通する部分が多いらしく、「役者に種類というのはないと思いますが、あえて分類するなら同じ部類」と。

お互いに共演するのを楽しみにしていて、共演して更に共鳴したようで、イベントの時などいつも隣にいたのが印象的でした。

そして、公開時の小栗さんとの対談。

小栗:僕からすると年下の俳優の中でも、春馬はちょっと危なっかしい存在だなって(笑)。我も強いし、変な意味で馴れ合うのも好きじゃないから、自分のスタンスでいいんだけど…
三浦:自分のスタンスでいいんだけど、自分のスタンスがわからなくなっちゃうんですよね(笑)
小栗:(明確なことは)わからないけど、ずっと気になっている存在には変わりないです。   (モデルプレスさん)

『銀魂2』も「福田組」と言われ、福田監督作品に多数出演されてる俳優さんが多い作品。

連ドラ主演の時には大体決まった脚本家の先生に書いてもらっている方もいる中で、言われてみれば春馬くんは20代になってからあまり決まった方と何度も、と言うのがない。

「〇〇組」と、つるんでしまった方がもしかしたら楽なのかも知れないけれど、私自身つるまない人間なので、ちょっと可笑しくなってしまいました。

知らず知らずのうちに、人は自分と似ているものを持っている人に惹かれるものですね。


人生の旅

実際には27歳で公開されたのは『オトナ高校』と『お〜いお茶』のCMくらいなので、それ以外の時期に見かけることはほとんどありませんでした。

留学や年末旅行に行っていたのも、2018年秋冬頃に知ったことですが、昨年「海外行った方がいいよ」と思っていたので、旅行だったとしても行けてよかったな、、と思った年。

日本製の青森取材では、2010年のCM撮影で訪れたねぶたラッセランドのすぐ近くにいたり、群馬では偶然朝ドラ『ファイト』の時、14歳の春馬くんが書いたサイン付きのだるまが取材先にあったり。
小栗さん、柳楽さん、篠原涼子さんなど縁ある方との久しぶりの共演や、NYでキンキーブーツスタッフさんとの再会など、懐かしい方や過去の自分との再会が多い時期だったように思います。

田中監督から『天外者』のお話しをいただいたのも2017年のようなので、この年から論語の勉強など、五代さんの準備を始めていたのではないかと。

なんとなく、今までずっと突っ走ってきた感じがあったのですが、27歳でちょっと落ち着いて過去や未来を考えたのかな?と。

下記はツーリスト公開時なので、実際には28歳の秋のコメント。

「今回のツーリストの本編を演じさせていただいて、振り返るじゃないですか。自分にとって旅ってなんだろう、と思うようになりました。そこで思いついたのが、自分自身への“確認”。どの旅も “旅を終えた時に、新しい自分が待っているだろうか”という期待感を含めて旅に出た自分がいたと気づきました。」

「大事なのは、スキルではなく、ちゃんとやりたいことを主張したり、自分の言いたいことを伝えることなんだなって。そこから僕自身もオープンになれたし、違う国や文化の人たちとのコミュニケーションをより楽しめるようになりました。それは日本に帰ってからも同じで。それまでよりずっと開放的になれた気がします。同じ環境でずっと悶々としていても何も変わらない。環境を変えて、刺激を得ることで、新しい自分の可能性に気づいたり、自分がいかに恵まれた場所にいるのかわかることもある。そういう意味でも、旅は人生においてすごく価値のあること。そんなふうに自分と重ね合わせながら、各回の主人公たちと一緒に自分の人生について考えてもらえたら嬉しいです」

「細やかな作業が織りなす臨場感」「継承の難解さに心を掻かれた」「日本酒愛に火が灯った地」など、『日本製』の中でもとても繊細で詩的なサブタイトルをつけている時期。

かと思えば、取材中話を聞きながらおにぎり4個食べていたり、いただいた米糠を行きつけのお店に袋ごと置いてきちゃったり、空港のゲートにいたのに、英語の勉強に集中しすぎて飛行機を2回も乗り過ごしたり。

このギャップ、クセになります。





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この内容は以前「三浦春馬さんを語ろう。13年間の思い出とこれから」を書いた際、大幅に削った私の記憶と思い出です。個人的な見解になりますこと、ご了承ください。

17歳から年齢別に綴っています。
26歳 ← 前後はこちら → 28歳

一部分の抜粋は誤解を招く表現もございます。
引用、転載の際は事前にご連絡いただけましたら幸いです。

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