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おむすびが心に届くとき

佐藤初女さんからおむすびの講習をはじめて受けたのは2008年のことでした。
このおむすびが一人の青年の命を救ったという話があります。
初女さんの握ったおむすびは丸くて全体がのりで包まれています。その時のおむすびは丁寧にタオルにくるまれていました。心遣いに胸を打たれた青年はおむすびを食べて自殺を思いとどまったそうです。

おむすびの日というのがあって1月17日の阪神大震で寒く厳しい時期に避難生活を強いられた人々は、ボランティアの方たちによって行われる炊き出しのおむすびに元気をもらったとありました。

おむすびには人を癒し、心をほぐし元気にするチカラがあるのです。
初女さんがおむすびを作るときは無心でいると聞きました。

作り方は一つあたり茶碗に軽く1杯の量のごはんに、ごはんにぴったりと合うように一枚ののりを四等分にして正方形に切ったのり、梅干し一個と塩を用意します。
まな板を濡れた布巾でさっと拭き、茶碗軽く一杯のごはんをひっくり返して伏せます。そこに種を取った梅干しを埋め込み、濡らした手に塩を少々取ってごはんの一粒ひとつぶが呼吸できるように、握っていきます。
ぎゅっと握らず、ふんわりとしすぎても崩れてしまうので、ちょうどよい頃合いで丸くします。
円盤のように丸くしたごはんを一度お皿に取ります。
手を洗ってよく拭いてからのりを持って一枚ののりの上に丸めたごはん、もう一枚ののりを正方形の角が上下で合うようにかぶせるように全体を包み込みます。
のりで包まれたおむすびが呼吸できるように、キッチンペーパーで包みます。

親しい方は人生の最後に食べたいものがこのおむすびだったから、お別れ会ではみんなでおむすびを作って食べたそうです。
おむすびは色々な人の思いを届けてくれます。

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