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一つひとつ丁寧に生きる

誰もが歓迎される場所

龍村仁監督のドキュメンタリー映画ガイアシンフォニーを見たときに、この方にお会いしたいと思いました。
ご自身の大病から食の大切さに気づき、一緒に食事をして話を聴いて心を癒す活動をされていた佐藤初女さんです。
活動の拠点となっている森のイスキアに行くことが叶ったのは、すでに行ったことがある友人から繋げてもらい二年が経っていました。
青森県弘前市から車で湯殿まで着くと、日本百名山の岩木山が近くに見えました。
森の中にあり、冬は雪が積もるので閉じなくてはならないくらいの場所です。
三角屋根に大きな入り口の扉、木の看板には森のイスキアと書かれています。
初女さんがおむすびを作っている大きなポスターが貼ってある玄関を上がると、左手の広間に案内されました。
みんなで一緒に食事をする大きなちゃぶ台がありました。
台所の窓から目の前に雄大な岩木山が見えています。その台所でスタッフの方たちと料理はていねいに準備されています。
食事の時間までしばらく周りを散策して、近くの池で蛇が水面を泳いでいたり、森の奥では茶色のウサギに会うという歓迎を受けました。

ちゃぶ台を囲んで

初女さんは訪れた人達と食卓について食事をされます。
銘々に盛り付けられた料理をいただいて、緊張していたのもつかの間、ゆっくりとした時間が流れ、そこに流れる空気はあたたかく愛に満ち溢れていました、
奥の部屋にはオルガンとキリストの像、小さな祭壇があって十字架もあり教会のようでした。
私が行ってもよかったのかなとほんの少し思っていましたが、どなたでもあたたかく迎え入れようという思いが込められた場所でした。
その日は私たちの他に団体でいらしている方たちがご一緒で、森のイスキアに泊まりきれない人たちは別のところに宿泊していました。
初女さんの自宅に招かれたようなどうぞ温泉に入ってくつろいで、ゆっくりしてくださいと言われています。

小さなところに宿る大切なこと

食はいのち、いのちをいただく、それを実践されているのを見せていただきました。
食材が痛くないように人参の気持ちになって皮をむいていたことや、炊飯器の前で正座してお米をじっくり観察しながら給水状況を確かめていました。
漬物石はお漬物の状態に応じて大きさを変えていくつも用意してあり、ちょっと重すぎるかなと様子をみながら石を決めていくのだそうです。
目の前にある物や人やそのことに向き合う在り方を一つひとつ丁寧にという言葉で表現されていますが、全身全霊で向き合う姿勢、初女さんの圧倒的な愛が全てだったのです。


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