これでよかったの

介護のお仕事は会話が基本。
おじいちゃん、おばあちゃんたちは
孫のように、やさしく甘えさせてくれるので
とっても話しやすいです。

まずは、家族の事。
お子さんは何人いらっしゃるんですか?
から、お孫さんはおいくつですか?

そこから、旦那さんと奥さまとのなれそめを聞いて
「ヒューヒュー!」と一人騒いだりしています。笑

おじいちゃん、おばあちゃんとお話ししているときに
自分の人生で経験していないことをまるで自分の事みたいに想像するのも
すごく楽しいです。

あるおばあちゃんは、今もですが
昔からまつげの長い、目もぱっちりしたかわいらしい女性でした。
結婚する前、ある男の子と両思いでした。
彼と結婚するのだと、当時のおばあちゃんも、その彼も信じていました。

でもその男の子は、彼の母に言われてしまったそうです。
「あなたは身長が小さいのだから、
身長の大きな女性と結婚しなきゃいけないじゃない!」
と…

その言葉を受け、その2人は
結婚することができませんでした。
昔は当たり前だったのだとしたら自由になったもんだ!!
とびっくりしました。

そこから近所に住む、のちの旦那さんになる方のお姉さんに見初められ、
お見合いをすることになりました。

実際に会ってみると、男前で、身長も高かったそうですが
持病がありました。
当時は治る病気ではなかったそうです。
ご両親は心配したそうですが
真逆で、強気でした。
「そんな病気、私が治したる!」
と言って、結婚を決めました。
入退院を繰り返して、いろんな病院を回った末
最終的には良い薬にも恵まれ、完治したそうです。

旦那さんの方が先にデイサービスに来られていましたが
言葉数も少なく、おとなしくて、どちらかと言えば亭主関白で
家を出る時は「帽子がない!」と奥さまに強めにおっしゃっていて
「そんな言い方しなくてもー」と言ったこともありました。

でも、好きな野球の話をしたときや、
レクリエーションでいい結果が出たときの
笑った顔が子どものように
キラキラとかわいらしかったのを覚えています。
ギャップ萌えとはこのことですね。笑

そんなおとなしい旦那さんですが
「お前と結婚して本当によかった」
とよく言ってくれた、とお話ししてくれました。
私はこれですごく幸せだったのよ、と話す笑顔はとっても素敵です。

旦那さんが亡くなり、そのおばあちゃんがデイサービスを
利用されるようになって、知っているお二人の
知らなかった昔の話は聞いていてとってもほっこりします。

「今頃どっかの女の人と楽しくやってるわ」
と言いながらも
「先に逝っちゃったから、一人になるのがさみしいわ」
というそのおばあちゃん。

今の私にできることは、お話好きなおばあちゃんの
お話をたくさん聞くことかな、と思っています。

あと…
「早くあなたも私みたいに素敵な旦那様を見つけて報告してね。」
と言われていますが、こっちは難しそうです!笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?