ただしさんのお嫁さん

大好きなおばあちゃんに
ただしさんのお嫁さんがいらっしゃいます。

名言の宝庫なおばあちゃん。

そのおばあちゃんがデイサービスに来始めたころは
白内障で目も見えづらく、
人見知りもあり、反応も薄いので、
どうしたら心を開いてくれるのか、考えていました。

いつも話のきっかけは、家族の話が多いです。
お子さんや、お孫さんの話は嬉しそうに話してくれるので
入り口にはバッチリです。
今回もその方法でいこう!と、
いろいろ聞いてみました。

その中で旦那さんの話になると少し言葉数が増えて、
語尾は強くなりました。
「いっつも飲み歩いて、遅くにならないと帰ってこないの。
正(ただし)って名前なんだけど、全然正しくないのよ。」
言葉数は決して多くはないのですが、
なんて面白い方なんだろうと思いました。

見た目は穏やかで、ものごしもやわらかく
口に手を当てて笑う、
表現として合っているかわからないのだけれど
丁寧に生きている女性です。

手を当てて笑うときに、
「お上品ですね。」
と声をかけると、
「違うの。歯がないの。」
と言われたときは、噴き出して笑ってしまいました。

ただしさんは、すごくひょうきんな方で
楽しくお話をしてくれる人だったそうです。

お二人の出会いを聞くと、
「なんだったかしら?」
と言われ、
お見合いか聞いても、
「それは違うの。
全然覚えていないわ。ふふ。」
というおばあちゃん。

話を聞く上での、ただしさんは
『毎晩お酒ばかり飲んでいる』
というあまり印象は良くないものでした。

あるとき、
「どんなところが結婚の決め手だったんですか?」
と聞くと、
「『何も言ってこない人』だったのよ。」
と。
「それっていいところなんですか?」
と聞くと、
「なんにでも口出しされるといやでしょ。
だけど、言ってこないのよ。
それは居心地がよかったの。」

不満はあったものの、
分かり合っているからこその、素敵な関係だったのだなと
その言葉で感じました。

おばあちゃんたちの言葉は
私には気づかなかったことを
気づかせてもらうことばかり…

それをいつか実感できるように
日々の経験値あげていきたいと思います!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?