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初めてでも大丈夫!本格パテ・ド・カンパーニュ

こんにちはichiです。

最近は私事でパン作りの毎日を過ごしており、YouTubeの投稿は滞り、note記事もパン中心の投稿になっていました(笑)

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パンづくりを始めて水・小麦粉・自家製天然酵母にこだわり始めると、パンの沼からなかなか抜け出すことができないことは、あるあるなのかもしれません。

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ようやく沼から片足を抜け出すことができたという感覚があります…たぶん...(汗)

近々YouTube動画の方にも、まだ【パンの沼】に片足が入っている状態で、パン作りの動画や、私の好きな組み合わせのサンドイッチの作り方を紹介しようと思います。

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さて本題に入ります。

本日紹介する料理はパテ・ド・カンパーニュです。

フランス語で【田舎風のパテ】を意味するフランス料理の定番の前菜。

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お酒のおつまみ、また一品料理としても充分満足感を味わえる料理ですね。

パテ・ド・カンパーニュに限ったことではありませんが、作り手の数だけ選ぶ食材・分量・火入れ時間は異なります。

例えば、今回紹介する私のレシピは鶏レバーを使用しています。

フランスの伝統的なレシピの多くは豚レバーを使用して、より特徴的な香りと風味をパテ・ド・カンパーニュから味わえるレシピが大半だと思います。

レバーを入れる量は、主材料の豚肉の総量に対して30%くらいが目安になりますが、私は50%位入れるレシピが好みで、パテ・ド・カンパーニュの主材料の豚肉と同量入れるときもあります。

また豚ひき肉も、特に指定した豚肉の部位をひき肉にしてもらったわけでもなく、お肉屋さんに電話で前日に注文して購入したものです。

っというのも、パテ・ド・カンパーニュの魅力の一つには、豚の脂から得られる、その口溶けにあります。

豚ひき肉を完全に火を入れて冷たい状態で口に含むわけですから、パテの中に動物性の脂が少ないと口当たりはパサつき、味付けが良くても美味しいという印象には繋がりません。

そのためプロの料理人がレストランでパテ・ド・カンパーニュを作る際は、取引先のお肉業者に豚肉の部位を指定して注文します。

代表的な豚肉の部位は、豚の喉肉と豚の肩肉、もしくは首肉に近い背肉といった、脂分の多い部位を選びます。

特に喉肉は脂分が非常に多い部位になり、私はパテ・ド・カンパーニュのお肉の総量の30〜35%くらい喉肉をいれて作るレシピが好みです。

レシピによっては豚の背肉を5ミリ角に切って脂を補うレシピも一般的です。

そして食材を仕入れたら新鮮なうちにお肉を下処理した後に、 お肉の総量の1〜1.2%の塩をし、香味野菜と一緒にポルト酒、マデラ酒などの酒精強化ワインやコニャックなどのブランデーとともに一日マリネします。

翌日、マリネしたお肉とレバーを専用のミンチマシーンにかけてからしっかり練り込み、テリーヌ型に詰めて湯煎焼きする。

肉だねの中心温度が63〜65度になったらオーブンから取り出して、重しをして粗熱を取り、一晩冷蔵庫に寝かせて完成。・・・という流れになります。

はぁ〜、パテ・ド・カンパーニュの説明をするとキリがありません。 

作る工程にそれぞれの料理人はこだわりを持って作っているので、【これ!】という正解がないからです。

それでも最低限の守るべき調理工程や使うべき食材は決まっていますので、それぞれの工程を理解して調理することで素晴らしい味わいに仕上がります。

そうなんです!!

パテ・ド・カンパーニュって素朴な見た目をしていますがやっぱり時間と手間、経験・技術が必要な料理なんですよねー。

今の説明を聞いて、作るのが嫌になる方がいても不思議ではありませんね。

私だったらレシピ本を見ただけで本を閉じると思います(笑笑)

レストランのプロの調理場ではなく一般家庭の台所でパテ・ド・カンパーニュを作るにはちょっぴり?、いや結構ハードルの高い印象が強いかもしれません・・・がそこは、そこは諦めずにまずは、話を聞いてください。

シンプルな調理工程と、手に入りやすい食材でレシピを組み立て、初めてでも作れる本格的なパテドカンパーニュを紹介させてください。

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これから紹介するレシピでは、大切なポイントがより明確になるように、火入れする前の調理工程を3つの工程に分けて説明いたします。

動画と合わせて見ていただけたら、誰でも美味しいパテ・ド・カンパーニュを作ることができるレシピだからです。

パテ・ド・カンパーニュのレシピ

【材料と分量】
*型は容量が1500ml入る、25cmのケーキ型を使用
【パーツA】
鶏レバー 400g
塩 5g(鶏レバーの下味つけ用)
オリーブオイル 30g
コニャック 20g

【パーツB】

玉ねぎ 250g
塩 3g
オリーブオイル 25g

【パーツC】

豚ひき肉 800g
塩 9g(豚ひき肉用)

【パーツD】

コニャック 20g
ポルト酒  60g
ナツメグ 2g
黒胡椒 2g
ピスタチオ 50g
卵 2個(もしくは100g)

型に貼り付ける豚バラ肉のスライス 約30枚(又はベーコンスライスでも可)
ローリエ 4枚

調理工程はYouTube動画で紹介した手順でより詳しく説明させていただきます。

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1:【パーツA】鶏レバーの下処理

鶏レバーの量は豚ひき肉の総量の半分量を使用します。

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鶏レバーは中心に大きな筋があるので包丁で取り除きます。

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鶏レバーは必ず鮮度の良いものを使用します。匂いを嗅いで少しでも嫌な匂いがすると、仕上がりの味わいが臭みになるからです。

鶏レバーだけでなく、購入したらすぐに調理に取り掛かることがベストですね。

塩を両面にしたらオリーブオイルをひいたフライパンを強火にして表面に焼き色をつけます。

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この時点で完全に火を入れる必要はありません。あくまで両面に焼き色を付けて香ばしい香りをつけ加える工程になります。

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両面に均等に焼き色がついたらボウルに移します。

動画内ではフライパンにこびりついている鶏レバーの焼き残った一部を、コニャックでこそぎ落としていますが、コニャックがなければ無理をして行う工程ではありませんが、白ワイン又は少量の水で同じ工程をしても構いません。

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フライパンに残った旨味をコニャックで回収したら、焼き色を付けた鶏レバーと一緒にして粗熱が取れるよう冷ましておきます。

粗熱が取れたら小さく約1cm角にカットして、再びボウルに戻して鶏レバーからでた旨味たっぷりの液体と合わせます。

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これで【パーツA】の準備は完了です。

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2:【パーツB】玉ねぎのコンポート


玉ねぎのコンポートは、パテ・ド・カンパーニュに旨味・甘み、そしてしっとりとする口当たりを担う役割があります。今回のレシピでは少し多めに準備しています。

オリーブオイルをひいた鍋、又はフライパンに玉ねぎのみじん切りを入れて塩をします。

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中火で焼き色がつかないようにしんなりするまで炒めます。加熱後は約200gくらいになるまで炒めたら、別の器に移して冷ましておきます。

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冒頭でお話したように今回のレシピの主材料である豚ひき肉は、特に豚肉の部位を指定してひき肉にしたわけではありません。

するとしっとりする口当たりに必要な豚の脂分が必然的に足りない場合が出てきます。

そのため豚の脂分の代わりとなるしっとりとする口当たりを補うために、レシピでは玉ねぎのコンポートを多めに加えています。

【パーツA】・【パーツB】の両方がしっかり冷めた状態になるまでの時間、【パーツD】の計量を済ませておきましょう。

パテ・ド・カンパーニュの主材料となる豚ひき肉をこねる工程の【パーツC】に取り掛かると、一連の流れで後はすべての材料を合わせる工程になるからです。

型に詰める前の最後の工程に入る前に、計量した【パーツD】の材料を手元に揃えておくとスムーズに作業を行えますよ!!

3:【パーツA・B・C・Dをあわせて肉ダネを作る】

ボウルに入れた豚ひき肉に分量の塩をして豚ひき肉を粘りが出るまでこねます。

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塩はただ味をつけるだけの役割ではありません。

肉には主にアクチンとミオチンという名前の2種類のタンパク質で作られています。

ひき肉に塩を加えて練り混ぜると、ひき肉に含まれている水分に塩が溶けて食塩水になり、水溶性のアクチンやミオシンが溶け出します。これをさらに練り混ぜていくと、溶け出したアクチンとミオシンが絡み合い、粘りが出る状態になります。

この粘りを出すことで肉ダネが崩れにくく、焼き上がった後も肉汁が内側にとどまりやすい状態になります。

豚ひき肉に粘りが出てきたら、予め準備しておいた【パーツA】・【パーツB】を加えて優しく混ぜ合わせます。

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続いて計量しておいた【パーツD 】のポルト酒、コニャック(他のブランデーでも可)、ナツメグ、黒胡椒、ピスタチオ(お好みで)加えます。

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材料がしっかり混ぜ合わさったら落としラップをして一晩冷蔵庫で寝かせて、味わいを均一にします。

YouTube動画内では、

「時間のない!一日待てない!」という方のために、一晩寝かさずにそのまま次の工程に進んでいます。

最後に肉ダネにつなぎとなる溶き卵を加えて全体をしっかり混ぜ合わせます。

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味見をする時は少量取り出して、薄い形のハンバーグ型にします。

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両面焼いて火を通したら、冷凍庫(時間に余裕があればれもちろん冷蔵庫で冷ましてください)で5分ほど冷やして熱を取ってから味見をします。

パテ・ド・カンパーニュは基本的に温かい状態で食べないので、冷やしてから味見をしたほうが、仕上がりの味をイメージしやすいです。

これで肉ダネの下準備完了です。

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4:【肉ダネを型に詰める】

型に豚バラ肉のスライスを貼り付けます。ベーコンスライスでも構いませんが、豚バラスライスのほうが、仕上がりの表面もしっとり仕上がります。

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隙間がないよう一枚ずつ少しずつ重ね合わせます。

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肉ダネを型に詰めていきます。

ハンバーグを整形する容量で、肉ダネの空気を抜きながら型に詰めていく方法もありますが、手が汚れないようにスプーンを使って少しずつ詰めていく方法がオススメです。

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スプーンの背を使い空気を潰すようなイメージで肉ダネを詰めます。豚ばらスライスで一枚ずつ丁寧に肉ダネを包みます。表面にローリエをのせてアルミホイルを被せます。

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5:【型をオーブンで湯煎焼きする】

火入れ方法はオーブンで湯煎焼きします。

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型をバットなどの耐熱皿に移して熱湯を注いだら、160度に設定したオーブンで90分間焼きます。

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レストランで作るパテ・ド・カンパーニュの場合、火入れ方法は同じように湯煎焼きして火入れをする方法が一般的です。火入れ温度、火入れ時間は、使う食材の分量や調理器具のクセによって多少異なりますが、プロの料理人は中心温度を63〜65度の間に上げるように仕上げます。

火を入れすぎてしまうと、肉汁が出すぎて風味は落ち、パサついた口当たりになりやすいからです。

そのためオーブンで加熱しながら中心温度を確認できる専用のオーブンや調理器具を使って火入れをします。必ずしも毎回同じ加熱時間とは限りません。

しかし家庭で作る場合はベストな火入れも大切ですが,一番はしっかり加熱して豚肉に火が入っていることが重要です。

私が紹介するレシピで作る際は、160度に設定したオーブンで熱湯を注いだ湯煎焼きであれば、90分間の火入れで65〜70度までの間で火入れを完了させることができます。

6:【重しをして一晩冷蔵庫で寝かせる】


オーブンから出した湯煎のお湯を捨てます。火傷に注意ですね。

熱いうちに肉ダネと同じ位の重さの重しを表面にのせて平らにします。

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粗熱が取れるまで2〜3時間ほど常温で休ませてから冷蔵庫で一晩寝かせます。

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7:【型から外す】

冷蔵庫から取り出したばかりのパテは冷えているので、加熱後に肉ダネから出てきた肉汁や脂が冷え固まって型にくっついて取り外しづらいです。

湯煎などで10秒ほど型を温めると簡単に取り外すことができます。

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型から外したらお好みの厚みにカットします。

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1.5〜2cmの厚みにカットしました。

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出来上がりのパテ・ド・カンパーニュは、しっかりラップをして冷蔵庫で保存すれば1週間は保存が可能です。

型から外してすぐ食べても美味しいですが、翌日以降の方が味が馴染み、より美味しく召し上がれます。

付け合わせにパテ・ド・カンパーニュにぴったりのサラダも添えております。

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オリーブオイルで炒めてから、塩$・黒胡椒・りんご酢と蜂蜜でマリネした赤キャベツ。

にんじんの千切りをシンプルにオリーブオイルとライム果汁でマリネしたにんじんサラダ。

カリフラワーをターメリックとわせたピクルスです。酸味と甘味、食感のバランスが心地よいサラダです。

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パテ・ド・カンパーニュは食材の吟味、肉の下処理、調味料の計量、材料の混ぜ方、火入れなど一つ一つの工程を丁寧に積み重ねることで素晴らしい味わいを体験できます。

そのためプロが作るパテ・ド・カンパーニュは、手間も時間も惜しまずに料理人の技術と経験を詰め込んだ一品なのです。

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今回紹介した私のレシピは、自宅でプロのパテ・ド・カンパーニュを家庭でも再現しやすいように組み立てたレシピです。

初めて挑戦する方でも、記事を読んでから材料の計量とそれぞれの食材・調理工程が仕上がりの味わいに与える意味を理解していただける、最短で理想のパテ・ド・カンパーニュの味わいを自宅で実現・体験することができるはずです。

是非こちらのレシピを参考にしていただけると嬉しいです。

後悔はさせません。

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Chef Ichi

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