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小説 カフェインpart32

 あの方=ラヂヲだって裏付ける表記もたくさん出てきた。探せば探すほど痛くなってひりひりした。
 
ご機嫌いかがですか?
体調いかがですか?
 
突然CD-Rを送り付けてすみません。
プロに送っていいものではないとわかっています。
でも、送りたかったのです。
聴かなくとも構いません、自己満足です。
 
私はとても貴方が好きです、どうしようもなく。
頭が狂っているのか、いつも確かめて生きている私にはこの気持ちが恋なのか判らなくてとてもつらいです。
 
多分狂っているのでしょう。
 
それでもあなたの声が聴きたい。
 
ラヂオに向けて書かれたと思われる文章が結構出てきた。
 
好きで好きでみっともないほど好きで
嫌われても好きでどうしたらいい?
消せない気持ちをどうしたらいい?
自分が消えられたらいい
でも怖くて消えらんなくて涙が出てしようがない
幻視を見るほど幻聴が聞こえるほど
貴方のことを想っている
自分を見失っているよ
世界がなくなってしまえばいい
そうすればこの思いも消える
でも貴方には生き残っていてほしい
矛盾しているね、馬鹿馬鹿しい
 
また手紙を書いてしまった。
何度あきらめようとしてもまた書いてしまうよ。つらいよ。
色々とあきらめてきたから貴方のこともあきらめることができるはずなんだけど強欲なのだなぁ。
貴方の音楽や歌詞からしか貴方という人物を知らないのに恥ずかしいほど想っている。
気持ちの悪いファンだよなぁ。
わたしはね妖怪なの、妖怪馬鹿。誰も踊るわたしを見ない。わたしはけだもの、気持ちの悪い生き物。
はやく冬にならないかな。
 
別に彼氏とかいいや。
独りでも多分平気だろう。
貴方がいなきゃ一緒だもん。
わたしが貴方になれればな。
 
阿呆。何人の人が同じことを思っているというのか。カフェインがいくら個性的で魅力的な女の子だったとしたってファンのうちの一人にすぎない。ラヂヲとやらが振り向いてくれるわけないじゃないか。CD-R聴かれずに捨てられただろうね。でもさ、テンション上がっちゃって感情に歯止めがきかなかったんだろ。中学校時代の西門に対する暴走とおんなじ、ストーカー気質のあんたのことだもんね。これがいわゆるしでかし?カフェイン師匠。みんなには隠してたんだね、後追いしてしまうほどの恋心。
 
あなたの黒のコンバースになりたい
あなたの爪弾くギターの五弦になりたい
あなたが剥いたみかんの皮になりたい
あなたを包む温かいコートになりたい
わたしは自分じゃないものになりたい

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