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小説 カフェインpart31

 恋に命をかけて小指の先切り落としガール
ブラッドで書かれた手紙 貴方への最終メッセージ
 
あぁまた自分傷つけて ひとり悲恋気取ってる
あぁいろっぱやいやつだと 尻軽にみられていいの?
 
重い強すぎて重いと言われとぼとぼとぼ帰ってきても
変えない変えられはしない
もしも無粋でもただの負担でも仕方ないわ二人の秘密
いろに出にけり 我が恋は気持ち 偲ぶれど
 
煙管をのみながらあでな姿の大年増レディー
襟の抜き方みればひと目かたぎではなさそうなオーラ
 
あぁ妖艶な微笑み 小股切れ上がり気味
あぁ丹花の唇 近所うわさでもちきり
 
不可解な女の言動と予測不可能な男の行動で世界はまわっている
ときに喧嘩して茶碗もかけて目を三角にしても結局
破れ鍋に綴蓋 あんたじゃなきゃ駄目なのさ
 
幾つになっても女は乙女 消せない絶えない
愛の業火をいつまでも夢見ている
何度ぶつかって砕け散ってこの身を削ってしまったとしても
いつか出逢う 貴方のため 歌います 恋のうた
 
怖いわ!
この曲をプロのミュージシャンに送り付けたってか。へったくそなベースなのは音楽に詳しくないわたしでもわかるよ。久々に聴いたカフェインの声は弾んでいて明るくていつもより女の子らしかった。
「恋す、大和をみなって唄だって言ってたかな。池田さんらしい個性的な唄だなって思いましたよ。今も時々聴いてるんですよ、俺。」
「馬場君。その亡くなったヴォーカルの人、なんて名前?」
「ラヂヲって名乗ってました。本名は非公開でしたよ。」

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