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ポーランド映画「Filip」を京都ヒストリカ国際映画祭で観た

ずいぶん日が経ってしまいましたが(そんなんばっかり…)、1月末に、京都ヒストリカ国際映画祭で、ポーランドの映画「Filip」を観てきました。

この映画祭に行くのは初めてで、当日券がまだ残っているのか、券はどこで売っているのか(会場の京都文化博物館のチケット売り場なのか、文化博物館の入場券との関係はどうなっているのか)等々、勝手がわからず、不安いっぱいで朝から向かいました。

幸い、EU映画祭のときのように混み混みではなく、好みの席が選べて、前後左右も詰まらずに済んで、ゆったりと鑑賞できました。

私が観た映画単独のパンフレットやチラシはなかったのは、かなり残念でしたが。

さて、その「Filip」ですが、どういう映画かというと、ナチが侵攻したポーランドで家族と恋人を殺されたユダヤ人青年が、ベルリンで出自を隠してホテルのボーイとして働き、ドイツ人女性を次々たぶらかしては捨てるということを繰り返して復讐するのだが、真の愛に目覚めて…というような話。

主人公はユダヤ人なので、もしそのことがバレたら大変なことになります。ただでさえ、ドイツ占領下の国の出身者がドイツ女性と関係をもつと処罰されます。見せしめに絞首刑になることもあるのです。ましてやユダヤ人をや。

それなのに、なぜ彼が次々ドイツ人女性を抱いては捨てるなんてことを繰り返せたかというと、ドイツ人以外の男性と関係をもったドイツ人女性もまた辱めを受けるのですね。丸刈りにされて、さらしものになるのです。だから、ひどい捨てられ方をしても、なかなか告発することができないのです。主人公はそれをわかっていてやっているのです。

それが復讐になるのか…? というのがまず疑問。

冒頭、あんなに爽やかな青年だった主人公が、こんなヤな奴になってしまって… なのに、こんなすてきな良家のお嬢さんが惹かれるだろうか… と、あまり共感できないままでした。

まあ面白くなかったというほど悪くはないけれど、おすすめするかといえばどうかな、というところでしょうか。

ただ、アフタートークでも話題になったのですが、主人公を演じた役者さんの肉体美は確かにすごかった!

夫が戦地に行って寂しいご婦人方がこぞって彼を誘うという設定も納得の身体でした(笑)

あ、あと、いろんな言語が錯綜するのが面白かったです。ポーランド語、ドイツ語、フランス語などなど。

なお、原作は、1961年に書かれたポーランドの作家レオポルド・ティルマンド(Leopold Tyrmand)の小説だそうです。

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