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うたのちから。

  私の最初の推し つるの剛士さんの楽曲に「うたのちから」という曲がある。
その歌詞には、こんな言葉が綴られている。

僕が歌ったからって世界が平和になる訳じゃない
僕が歌ったからって誰かを助けられる訳じゃない

うたのちから/つるの剛士

 確かに、誰かが歌を歌っただけで世界が平和になるのであれば、この世の中からありとあらゆる争いが消えるだろう。
 でも、誰かの歌によって「助けられた」経験は幾度となくある。
もちろんつるの剛士さんの楽曲にも助けられたし、その他のアーティストさんの楽曲にも何度も心を救われている。
そして先日、推し漫才師『三拍子』の高倉さん(RYO TAKAKURA)の楽曲に私は救われた。

(ここから少し暗い話があります。読みたくない方は「戻る」ボタンを押してください)

 ここ数日、私はなぜかメンタルが落ち込んでそれが身体の不調にまで出てきていた。
というか、一昨日くらいまで全然寝つきが良くなく、数日間睡眠不足のまま過ごしていた。
といっても、早朝アルバイトを休むことはなかったしその他の「やるべき事」も何とか遂行できていた。
だがしかし、余暇時間を有意義に使えなかったり、「やるべきというわけではないけどやりたい事」が出来なかったりと心が満たされることがなくなっていた。
録画した番組も溜まっていき、もともと自分からやりたいと思ってやり始めていた事も全然出来ないというジレンマも抱えており、「もしかしたら行きたいと思ってチケットを取っていたライブにも行けないのではないか」と考え始める始末。

 しかし、ある日の電車移動で聴いていたRYO TAKAKURAの「さんぽ日和」という楽曲に私は心を救われた。
(「さんぽ日和」はサブスク配信をしていないので誰でもフルで聴けるわけではないのが惜しい……)

 といっても、「さんぽ日和」は歌詞に心が震えるというジャンルの曲ではないし、曲を聴いて「明日からも頑張ろう!」と奮起させられたわけではない。
――と書くとあまり良い書き方ではないかもしれないが、当時の私にはそこまで深いメッセージ性など要らなかったのである。
明るい曲調と高倉さんの爽やかな歌声、そして深い意味を持たない歌詞。その全てが私の心を軽くしてくれたのだ。

 歌の力は偉大だ。
深い歌詞やしっとりした曲調が心に沁みて自然と涙が溢れてくる時もあるし、底抜けに明るい曲で泣きたい気分すら吹き飛ばす時もある。
明るい曲も暗い曲もそれぞれ違う「味」を持っているし、どんな曲にも優劣は無い。
好きなアーティストの曲はもちろんのこと、今まで聴いたことのなかったアーティストの曲に励まされてそこからまた新たな沼にハマることだってある。
ちなみにこれを書いている今は、ある推しのラジオ配信を聴いて少ししっとりした曲を聴きたい気分だ。
……まあ、明日も早いからそろそろ寝ようと思ってた時に「うたのちから」について書きたくなってこの記事を書いているので、これを書き終えたら何も聴かずに寝るのだけれど。

 明日も長時間電車に揺られる予定なので、どの媒体で誰の曲を聴こうかワクワクしながら眠りに就こうと思う。
 明日は猛暑予報であまり長い時間歩きたくはないが、私の心を立て直してくれた「さんぽ日和」を聴くのもまた一興なのかもしれない。

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