こんばんは

高校時代の恩師に勧められたので始めてみる。
独り言ならX(旧Twitter)に書くし、レポート以外で最近長文なんて書いていないなぁ、、なんて思いつつ。自己満足的に自分のペースで徒に文章を書こうかな。日記のように。

今月から読み進めているA.S.バイアットの『抱擁』。㊤だけで650ページもあるこの小説もいよいよ読み終わりそうである。と言っても残り100ページほどあるが。
先月読んだモームの『月と六ペンス』やイシグロの『日の名残り』などに比べて難解。主人公の視点のパートだけでなく、作中に登場する架空の詩人達による詩や短編、手紙が随所挿入されるので慣れるまで一苦労。だがこれが面白い。当たり前のように繰り出される有名文学者の名前、神話、聖書の教え、時には生物学者や歴史学者の名前まで。バイアットの知見の広さに何度も驚かされると共に自身がいかに勉強不足かを思い知らされる。まぁとりあえず作品の感想については㊦も読み終わってからじっくり書こう。(㊤を読み終えたら『オセロー』を読み直すつもりなので少し先になるかもしれない…)

バイアットといえば、マーガレット・ドラブルの姉として知られることの方が多いかもしれない。もちろんドラブル好きの私としてもそういう認識だった。大学2回生の時に魅了されたドラブル。彼女の作品とは本当に相性がいいように感じる…
真面目で知的で世間を尖った風に見るプライドの高いヒロインの息苦しさを鮮やかに描ききった『碾臼』。男性と対等になろうと戦ってきた当時のフェミニストたちが押し殺してきた「女性らしさ」の貴重性を見事に描ききった作品だ。卒業論文にはこの作品で挑もうかと思ったが、あまりにもロザマンドに感情移入してしまったので没にした。代わりに取り上げたのは、感情移入というよりも叱責を受けた気分になるアイリス・マードックの『ユニコーン』をチョイス。幻想に逃げるのではなく現実と向き合い、真実を見抜くこと。胃にキリキリとした痛みを感じながら取り組んだ。とはいえ今では大満足。どの女性作家も尊敬すべき偉人である。

さて、大学院ではシェイクスピアをします、と宣言したもののどうなるやら。やはり女性作家に絞るべきだったのだろうか…?春休みはまだまだあるのでもう少し考えよう。今は、

Love is the extremely difficult realization that something other than oneself is real.
愛とは自分以外の何かを実在している物として認める、極めて困難な認識である。
- Iris Murdoch 

私を含めた大勢の人間がいかにエゴイスティックで視野の狭い生き物であるかを気づかせてくれたマードックに感謝。持つべきものはありのままを受け入れる心。注意深く「見る」ということ。


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