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【仕事】作品には人柄が表れる

少し前に元職場の上司から
市の展示会に参加するとお知らせをいただき、
作品を拝見しに行ってきた。

元々絵を描く部署にいたとはいえ、
個人的に製作した作品は見た事がなかった。

どんな絵を描くのだろうとワクワク。

会場に到着してパンフレットをもらい、
作品名を確認すると『』というタイトル。

桜だろうか?チューリップだろうか?
蝶々だろうか?鶯だろうか?
いろいろな妄想をしながら作品を探す。

上司の『春』はこれだった。

『春』
※撮影OK展示会


あぁ、私は春=華やかなだという
勝手な偏見があると気がついた。

たしかにこれも春だ。

展示会のお仲間が
絵になるものを絵にする人は多いけど、
絵にならないような風景を素敵な絵にしてしまうところが素晴らしい!
!」
と言っていた。

その掛けられた言葉が
上司らしいなと思った。

そうそう、
以前noteに綴った『はじまりの日』で
私を採用してくれた上司がこの上司である。
※リンクあり

男性社会の中でただ1人女性だった私を気にかけ、
いつもさりげなく声をかけてくれた。

中でも一番驚いた瞬間がある。

製造業だと清潔感を保てない男性も多い。
そんな時に集団の中だと陰でコソコソ言われるか、
汚ねーとかクサイとか文句を言われるか、
周りも上手く伝えることが出来ないことが多いと思う。

陰で言われても本人は気が付かないし、
直接ぶっきらぼうに言われても本人が意固地になる。

それがこの上司はそんな社員に
「髪が伸びてきたね、
この週末に散髪に行ったらどうかな?」
と声を掛けていた。

そしてこの社員は週明けに
サッパリとした姿で現れた。

私の採用理由にしても
人の欠点を指摘するのも
他人とは視点も表現も違うなぁと
社会人早々に大きな学びを受けた。

とても個性が強いわけではなく、
とても言葉が特別なわけではない。

人が気が付かないようなことに気が付き、
ふわっと優しいけど人の心を動かす言動


その人柄が絵にもよく表れていた。

人が目をつけないような風景を
コツコツと描いた優しい緑の絵。

見た瞬間はいい言葉が出てこず、
「写真みたいですね」と
在り来りにもならないようなことを
言ってしまったが、

上司は
「写真の方がいいよ。
写真には負けるよ。
絵は絵だからな。」
と言われた。

その謙遜なのか、
私への気遣いなのか、
やはり言葉選びが優しいなと思った。

また上司の絵を撮影して
じっくりと観ている女性がいた。

お知り合いなのかと思ったら
全く知らない方らしく、

「それ私の作品なんです!!」と
しゃしゃり出てしまいそうな場面だが
上司は「撮影してくれてる」と
そっとその姿を見ているだけだった。

深い意味は無いかもしれないが
敢えて作者を明かさないことは
観てくれてる人の想像力を
より働かせるのかもしれないなと思った。

そして絵を描くコツとして
・たまに遠くから見てみること
・疲れたら一旦はポイッとやってもいい
・また描きたくなったら描いてみる

と言っていた。

生真面目な上司から出てきた言葉としては
意外に感じつつも、
一所懸命になる自分にそう言い聞かせて
あの絵が完成したのだろうと感じた。

絵を描くコツは
仕事にも婚活にも言えるなと思った。

時に俯瞰して
時に立ち止まって
時に再スタートして。


私にとって正社員として働き始めて
初めてのトップの上司。

上司ってこんなに気にかけてくれて
頼りになって刺さる言葉をくれるのだと
私の上司像=この上司となった。

それからもたくさんの上司に出会ってきた。
まだこの上司を超える上司はいない。

ほかの上司たちごめん。笑

いや、年の功もあるだろうが
最初の存在が大きすぎる。

今後もこんな上司に会うことはないだろうな。

私はこんなに懐が深くないが、
こんな人柄、作品作りを出来る人になれるように
努力したい。

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