ワールドトリガーの武器の設定の応用

ワールドトリガーの原始的な戦闘についていつも思うのが、嵐山隊の使うテレポートの使い方。

実は、空閑遊真くがゆうまにも似たようなトリガーが存在する。

エコーを使って印を使用するトリガー。

ランク戦で遊真は、自身の持つバウンドのボーダー版の汎用機能トリガーであるグラスホッパーを使って、敵の攻撃に応用する場面が多々ある。

何故かテレポーターを使う事をしない。

テレポーターは 3m~30m先に移動できるのに、攻撃を移動させるアフトクラトルのミラのような使い方をしない。

もし遊真が、テレポーターをミラのように使用できる知恵があれば、敵を自分の方へ引き寄せたり、敵を遠くへ飛ばしたりする戦術を取れる。

視線誘導で 3m~30m先へ移動できるテレポーターは、冬島隊長が使うゲート式のテレポーテーションのように、予め設定した地点移動ではないので、遊真が使うグラスホッパーのような使い方が可能な筈。

遊真はグラスホッパーで瓦礫や他人を飛ばしたり、武器を物質化して乱反射させる技をよく使う。

アフトクラトルのミラとハイレイン戦では、ゲートを使って敵の攻撃を開けたゲートで相手(敵)に返すという技を使ってる。

バイパーのような追尾弾以外は、真っすぐ飛ぶアステロイドのような武器の方が威力に勝るけど、ゲートを開けて敵に攻撃を返す場合、追尾弾などが近くに空けたゲートを通る場合、自分を追尾して被弾してる。

アフトクラトルのヴィザおうの使う「星の杖オルガノン」やブラックトリガーの「風刃ふうじん」のような斬撃を飛ばす攻撃を躱す際に、テレポーテーションは有効に作用する。

ボーダーの攻撃応用力は、意外と宝の持ち腐れだったり、トリオン消費量に対し効率の悪い戦術兵器を導入してる。

例えば、遊真が持つブラックトリガーには、瞬間最大効率を指定して利用できる機能が付いてる。

ダブル・トリプル・クワドラという風に、n重・n倍のラテン語の重・倍の数え方を漫画に取り入れてる。

最大でセプタ(七重)まで使用してる事から、7倍が限界値なのだろう。

実戦の兵器でも爆弾ではなく、敵をブレードで切り刻む傘の骨組みと同じ要領で刃を迫り上げて敵を切り刻むロケット弾が複数存在する。

こちらは、ロケットで槍を飛ばす英国の兵器。

爆発兵器と違い、狙った相手に衝撃を与えて倒すという発想は、銃弾を弓矢の矢や槍投げの拡張の発想で使用する兵器。

弾トリガーは、トリオン消費が大きい割に威力が弱いとされている。

また、トリオン兵器は、物質化する部分とエネルギーとして使用される部分やブレードや槍のように、刃物として使用される兵器の威力において、ブレード・トリガーの方が弾トリガーよりも威力があるとしてる。

三雲修みくもおさむが使うワイヤー戦術においても、何故か敵を拘束するワイヤー兵器を使用しない。

このように、Bola Wrap のワイヤー拘束銃などのような使い方もワイヤー攻撃として用意する事が可能。

木崎レイジが戦闘で炸裂弾メテオラの起爆に、ワイヤーを使う戦術が描写にあるが、作者の武器や兵器に対する知識の幅が狭いせいもあり、あり得ない程のトリオンが勿体もったいない使われ方をしてる。

一対一の対戦であれば、柔剣術などの方が圧倒的に戦闘や戦術に優れる。

ワールドトリガー 242話の三雲修が作った火力を限定して2ターンで8発ほどにトリオン弾数を限定して、個体の数を増やして特定の攻撃回数で撤退するという戦術を対人戦術でも使用するのが、本来のストーリー展開に必要な考え。

人がどうして武器を使うのか?

人の力の限界や個人技の限界が、武器の進化の過程だと理解してないからスーパーマン的な強さが、頭の悪い人達には分かりやすくウケる。

ワンパンの威力よりも銃の火力の方が高くて、長距離から攻撃できるから重火器を使う戦術が主流になってる。

また、大量破壊兵器の限界は、原爆5発分以上の爆撃でも僅か200万人都市のガザ地区の住民を3万人程度しか殺せてない事からも分かるように、爆発による破壊で人類を滅亡されるのは無理だと理解できる。

戦争というのは、相手の反撃兵器を壊して、消耗戦でお互いが疲弊し食料の備蓄が尽きれば自然と終わりを迎える。

その為の支援を求めるのがウクライナであり、ロシアはウクライナが抵抗し続ける間は、消耗戦を続ける意思を伝えている。

しかも外人部隊の傭兵を外国から呼んで、ロシア人兵士の損耗率を減らす算段に入ってる。

いわゆる格闘戦が派手であっても人の力の限界というのは、どんな人間でも戦車に踏み潰されれば死ぬし、爆弾が爆発すれば爆風で飛び散った破片で負傷する。

戦争で大量破壊兵器が導入される理由の一つに、爆弾で破壊した方が弾丸1発を撃つよりも殺傷力や敵が負傷する被害が大きいからであり、相手を殺す事よりも負傷者数を増やす事で戦いを長引かせないという狙いが隠されている。

もし、地球を攻めてくる異世界人が居たとして、それらの人々が地球の破壊と殲滅を目的にするのであれば、地球全体の80億人の人口を全て殺す事に繋がる。

生物を全て殺す事がどれだけ難しく、また自分達が異世界の微生物に対して抵抗を持っているのかなど、多くのリスクを持ってる。

また、500人程度の兵士の内、僅か130人程度の戦闘員しか存在しないボーダーと戦うのであれば、地球上の軍隊の方が圧倒的に強い筈。

敵が地球上の兵器では破壊できないトリオン物質という設定で物語が成り立ってるけど、実は、兵隊の多くが高校生という設定も矛盾してる。

法律の観点で言っても民間人が自主防衛任務にあたる事を前提としても国家が軍隊を派遣するだろうし、大学生や大学院生などが兵隊というのも変な話だったりする。

数千人規模の被害が出てるのであれば、自衛隊がボーダーとして境界防衛の特殊部隊を編成するだろう。

大規模な地球規模の損害が考えられるのであれば、オランダなどに拠点を置く地球防衛隊が組織されるだろう。

この動画内に紹介したような道具の使い方も豊富に情報が集まり、盾や剣を使った剣劇よりも敵を的確に倒す狙いの兵器を作るだろう。

人間の道具にトリオンのブレードを瞬間的に発動するブレード兵器や相手の動きを封じるトリオン製のあみなど、ブレードの弱点となる攻撃手段を違う形で応用に利用するだろう。

ボーダーという組織が、如何に戦術において素人の集団なのか理解できる。

実際に、トリオンを世界中の軍隊が抑えに来て、トリオンという兵器の拡張性を他の組織にも汎用性が広がるような組織が作られ、民間企業がスポンサーとして活動する防衛機関など直ぐに潰されるだろう。

1000人ぐらいの人員が居たとして、食料を断たれる事で地球上の敵国が攻めて来た時に勝てないだろうし、ストーリーの設定上、トリオン利権を巡って権利を行使してる以上、世界中から狙われる技術だろう。

武器としての破壊力も限定されるけど、人間がトリオン器官を保有してる事が分かれば、人身売買が世界中で横行するだろう。

ネイバーだけではなく利権を行使する以上、地球上にも敵になる勢力が沢山いる事を意味する。

そうなった時に、マザー・トリガーを死守できるのか?

この漫画の矛盾する部分は、山ほどあるんだよね。

ブレードやワイヤーの使い方、槍を含む刺突兵器しとつへいきの考えなど、実際の兵器開発者から見たら矛盾だらけの設定なのも漫画の範疇なんだよね。

どうせ漫画の範疇で物語を設定するのであれば、トリオン貧乏の三雲修のような人々が最初から活躍してる異世界の境界防衛機関にした方が良かったかもね。

火薬を炸裂させて発射の勢いを付けるとか、弓矢の先にトリオン製のやじりを取り付けて敵を倒すなどの方が、ゴリラ並みの腕力に強化されたトリオン体の力よりもパワーは明らかに大きい。

トリオンで全てをコントロールするという考えがバカげてる。

トリガーを生身でも起動できる設定もある訳だから、トリオン体の武器だけを別のエネルギーを保存する容器に入れて使うなど、発想の転換がある筈だけど、剣や槍を使う割に飛び道具が銃メインという考えもおかしい。

例えば、遊真が使うグラスホッパーのようにスプリングが使えるのなら、投擲弾として投げる事が可能だろう。

道路の真ん中にミサイル発射装置を埋め込んでるのに、もっと単純な仕組みが作れないのもストーリーの設定上の矛盾が多い。

ワールドトリガー23巻で使う香取葉子のワイヤー戦術を見ると分かるけど、びしのような使い方もある筈なのに、これらの武器を作ってない。

拘束用の道具があることで、地面に敵を縛りつけるという発想は面白い。

力と運動量が増えても疲れないというアドバンテージ以外に、死なないという設定が、ボーダーのトリガー性能の良い部分だろう。

作者の知見が狭いのも作話が子ども向けのチャンバラ劇の延長でしかなく、水戸黄門とか時代劇の影響を受けた世代の発想から抜け出てない。

筒に銃弾を入れて置き弾を仕掛けたり、トリオン量の低い隊員が戦いをサポートして戦術の幅を広げるトラップ戦術などが当たり前に機能する部隊が少なかったりする。

前衛と中衛、狙撃で後衛から支援するという考えと、一人がトラップ要員として罠を仕掛けておびき寄せる戦術など、攻めと待ちの戦術を仕掛けて、隠れながら敵を一人一人仕留めるというのが、実際の対人戦闘の基本だろう。

レーダー射撃で炸裂弾(メテオラ)を撃てるのに、迫撃砲としての応用がなかったり、ブレード・ミサイルのような発想がない。

アフトクラトルのラービットのような敵を倒すのに、筒に入れたブレード型バズーカ砲とかあったら、敵に刀で斬りかかるよりも圧倒的にリスクも少なく倒しやすい。

大規模侵攻から4年以上も開発に時間を費やしてるのに、バカしか居ない事が理解できる。

逆に言えば、異世界の文明も原始人レベルなのが理解できる。

例えば、我々の世界でも最も密度の高い炭素組織の構造を持つダイヤモンドなどと比較してもトリオンはそれ以上の結びつきを持ってる。

水も作れるという事は、トリオンそのものは水素だろう。

分子の結合もダイヤモンドと同じような構造で並んでるものを何らかの原子で包んだものがトリオンという答えになる。

ダイヤモンドの構造結晶なら摂氏4000℃以上の高熱でも燃えないし、燃え始めれば一気に燃え尽きる。

そういう物として考えた方が良いだろう。

実際に、遊真が交通事故に遭った際に、トリオンが割れて溢れ出てるので、原子を繋ぐ別の電子のような組織がトリオンという設定の筈。

そういう過程の話がないと、ストーリー上の設定に矛盾が生まれるからね。

直ぐに電子が結びつく事で、物の形が修復するという考えであれば、何となく理屈的に人間がトリオンをいじれる理由にも繋がる。

このストーリーの設定が実際に存在するなら、世界中がトリオン技術を欲しがるだろうね。

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