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Frank Sinatra-The Voice

今日聴いているのは『The Voice』

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『Frankie』の次に本作を持ってきたのは、このアルバムも1955年に発売された過去の録音の寄せ集め的なアルバムだからである。1945〜47年と50年の録音で構成されている。

(余談:この『The Voice』は三宮のタワーレコードで見つけて買ったものなのだが、これが多分私のはじめてのCDのお買い物だったはずだ。Amazonで注文することは多かったものの、実際にレジに持って行って買うという感覚はその時がはじめてだった。)

『Frankie』と違うところは収録曲の多くがバラードであるという点。この方がコンセプトが分かりやすいし、私の好みでもある。40年代のシナトラの囁くようなバラードは非常にセクシーで素晴らしいのでこれから聴き始めるという方にもオススメしたい。ちなみに、この頃のアルバムタイトルである「フランキー」とか「ザ・ヴォイス」というのは彼のニックネームから取られたもの。「ザ・ヴォイス」なんて歌手として最高の称号ではなかろうか?


【感想】

“Don’t Know Why”からスタート。

“Try A Little Tenderness”は60年のキャピトル盤が有名だが、こちらのバージョンにはヴァースが付いているのと、しっとり歌ってる感じがしてより痺れる!こういう音楽で興奮してしまう自分、やはり現代の人間ではないのだろうか?

この曲と、”A Ghost Of A Chance””Paradise”の3曲は1945年の録音だが、戦争の影も見えない、ゆったりとした時間の流れが感じられる。

“These Foolish Things””She’s Funny That Way”も文句を付けるところのない完成度の高さだが、これ以上書いてるとキリがなくなる。

8曲目の”Fools Rush In”が初期のシナトラを代表する名品。後に『Nice’n Easy』で再録して、シナトラのバラードの最高傑作と呼ばれるようになった本作だが、そのキャピトル盤は後半の盛り上げ方がチトやりすぎと私には感じられる。このコロンビア盤が至高なのではないだろうか?こちらにはヴァースも付いていてお得だ。

後半の畳み掛け”That Old Black Magic””Lover”では次に紹介する予定のアルバム『Love Is A Kick』に近いサウンドを楽しむことができる。

36分でフィニッシュ。12曲なので1曲3分という計算。


【総評】

全体的にビング・クロスビーに似たスタイルの歌唱をしていて、古き良きアメリカの音楽という感じがする。キャピトルでも録音を残しているものがほとんどで、音楽性の変化を楽しみながら聴くのも一興か。強いて文句を付けるなら、9曲目の”Over The Rainbow”だけ収録レベルに届いてないというところ。歌唱がストレートすぎるし、コーラスもアルバムの空気に合っていない。


【この一曲】

“Fools Rush In”

公式YouTubeチャンネルから引用。

シナトラの真似をして歌おうとしてみると、息継ぎがとても難しいことが分かる。難曲の一つ。

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