3原色を理解するように

2018/9/7 追記

授業では理論的なことも少しやるが、まずは自分で色を作ることに慣れることに注力する。習うより慣れろ!だ。

ルソーの「エミール」などでも書かれている教育の基本なのだが、体験がなければ知識は身につかないのだ。体験があって初めて原理への興味が生まれ、知ることで体験の意味を理解する。

カンボジアの教育では、この体験が圧倒的に少ない。これを成人した人たちにどうやって効率良く教えなければならない。

自分がまずやるのは、プリター用の3色のインクを使って、マンゴーをドットで絵を描かせること。

混ぜた色は使わずにひらすら3色をドット打ちし、紙の上で色を作って行く。

ちなみに、先に挙げたように必要なのは「習うよりも慣れろ!」だが、成人に教えるときは、この作業は無意味ではないことを先にわかってもらい、作業のイメージをしやすくする必要があるため、当日ではない別の日に、マンゴーのデッサンや色についてもある程度の理論の説明もしているし、VTSの授業でスーラの絵画を観察もすでに経験済みの生徒を対象としている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョルジュ・スーラ

ちなみに、なぜ当日ではなく別の日なのかというと、気づきの体験をしてほしいからだ。説明は必要だが、直接言ってしまうと気づきにならないので。そういった細かいことの積み重ねが応用力を培うと考えている。

このような体験をいくつも重ねることで、色についての理解を深めていく必要があるのだが、現実では週一回の授業を数ヶ月で行わなければならないので、効率の良い体験をしてもらうのは未だ手探りだ。

最近の生徒たちの作品。こんなシンプルな課題でも個性が出てて面白い。


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