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人にはひとの、愛情表現


「彼からの愛情表現が少なくて不安…」

こんな言葉を一度は耳にしたり、言われたりしたことがないだろうか。なにを隠そうわたしの恋人も、そう、今そこでSwitchしながら吞気に鼻をほじってるあなた、また鼻血出んぞ。彼もそのひとりだ。

「好き」「愛してる」などの言葉がないのはもちろん、バレンタインやクリスマスなどのイベントにも全く興味がないし、スキンシップも少なめだ。彼曰く、そういうのが苦手というか、必要性を感じないらしい。

付き合った当初は周りから「え、その人大丈夫…?」と、過去イチ心配されるレベルだった。


それでも不思議と、わたしは恋人にそういう不満を感じたことがほぼない。(寝起き悪い、とか散らかしの天才、とかはあるけど)

わたしが甘いものが食べたい…とぼやいていたら、こっそり冷凍庫に好きなアイスを常備してくれるし、朝寝坊したらよく眠れたねと褒められ、手足を冷やしていてると風邪ひく!と叱られる。スーパーに行ったときは、わたしの手から買い物カゴを奪い、重たいものはほとんど持たせてくれない。

一般的に言われる〝愛情表現〟が少なくても愛されてると感じられるのは、こういう、日常に散りばめられた彼からの愛情に日々、守られているからだろう。


ムーミンとはお友達


恋人を見ていると、愛情表現なんてのは正解がなくて、無限に方法があるんだなとしみじみ感じる。

ネットに転がっている〝彼があなたを愛しているかどうかはココを見れば分かる!〟とか〝コレをされていたら本命確定!〟とか、友達の彼はこんなに尽くしてるのに…とか、ほんと当てにならない。好きって言われない、可愛いって言われない、スキンシップがほとんどない…それだけで愛情を測ろうとしてしまうのは、正直かなり性急だ。

かく云うわたしも昔は、言葉にされたことや、分かりやすく男女の関係につながるものにしか、安心材料を見つけられなかった。でも、言葉にはしなくても、ちゃんと愛情は伝えられるということを、少しずつ彼から教わった。

というか、男性ってそもそも、女性が思っている以上に言葉にする必要性を感じていない人が結構いる。もちろんそうでない人もいるし、逆にそれを悪用するヤツもいるが、女性以上に言葉の差は顕著に表れがちだ。それに加えて、言葉以外の愛情表現はもれなく斜め右とか左とか上とか、思いもよらない角度からくるものが多く、気づくのに時間がかかる。

つまり、真っ直ぐ言葉でほしい人は、隠しコマンドのようなアクションで愛情を伝えられても(本人らにその気はないことがほとんど)、気づくのに時間がかかったり、分からなかったり、結果、愛情表現が少ない!と感じてしまうんだと思う。

でも実際は、あなたを想っていないから言葉にしないんじゃなくて、信頼しているからこその言葉足らずであることがほとんどだ。


変顔がすごすぎて全然酒にフォーカスされない写真
なぜか普通の顔はしない


わたしの恋人にも一度「なんで好きとか言わないの?」って聞いてみたことがあったが、答えは「そうじゃなかったら、お金と時間かけて毎週会いに来ないから」だった。確かにそう。

それでも、たまには言葉で聞きたいなー…なんて思ったりもするので、そういう時はまず、わたしから伝えられるようにしている。〇〇してくれない…ばかり考えてしまう〝くれない族〟に、知らず知らずのうちに自分がなっていたことも、彼のこういう愛情から学ばせてもらった。


もし今、恋人からの愛情表現がなくて悩んでいたり、本当に相手は自分のことが好きなのか分からなくて不安…と思っている人は、ふたりで過ごす時間の中にある、言葉以外の隠れた愛情を探してみるのもいいかもしれない。

きっと、あなたが思っているよりたくさん、ちょっとヘンテコで不器用な、優しい発見ができる。

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