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ボストンでの産院選び

妊娠がわかってすぐ最初にすべきこととして頭に浮かんだのは産院予約。なぜなら東京で第一子妊娠したとき、厳しいお産環境の現実に心からげんなりしたからです。近くの大きな大学病院は妊娠6週0日までに予約しないと受付不可、家から唯一30分以内で通える距離の無痛分娩で有名な病院は妊娠7週で問い合わせた時点で満室で受付不可、という感じだったのです、、(妊娠検査薬は生理予定日一週間後に使えと書いてあるのにその直後か前に予約しなきゃ間に合わないじゃん…国は少子化対策とかいいつつ産院足りてないじゃん…以下永遠につづくぼやき)この時は結果的にもっと良い病院で予約し満足の行くお産ができたので良かったのですが、「妊娠判明⇒即産院予約すべき!」という教訓が私には刷り込まれたのでした。

しかしここは米国。驚くべきことに、妊娠しても実は8週を過ぎないと病院で見てくれない(保険が下りない)のです!8週以降となるとだいたい心拍が確認できている頃ですね。ある程度妊娠確度が上がってから正式に病院で妊娠として認めてもらう感じなのでしょうか。一喜一憂を減らすという意味でも診察を減らすという意味でも合理的なのかも…?同じ妊娠でも制度が変わると全然取り扱いが違うのは不思議ですね。というわけで、冒頭都内の例で脅してしまいましたが、米国の場合は急いで予約しなくても大丈夫なので、皆さん慌てないでくださいね。

産院の選び方

まず最初のステップとして、産院を自分で選ぶか選ばないかという分かれ目があります。どういうことかというと、①Primary doctor(主治医)と連携している産院で産む か ②自分で産院を選ぶ かのどちらかを選択できるのです。①の場合は自動的に産院が決まるものの、普段の健診はいつもと同じ病院に通うということになります。②の場合は、産院を自分で決め、普段の健診もその産院(またはその連携しているクリニック?ここはまだ未知です)に通うことになるようです。何も知らずにいつものかかりつけ医にかかると、「はい、じゃああなたは○○病院で産むことになるからね~」みたいな感じになるそうです。
※そもそものボストンの産院の仕組みについては、ボストン日本人会がまとめてくださっているこちらの資料がとても参考になりました!

私は、日本での初産で病院によって出産経験のクオリティが全然異なるというのを実感したので、納得行くお産への第一歩としても、主体的に産院を選びたいという気持ちが強く、早速検討を開始しました。

候補に挙がったのは、Mount Auburn Hospital, Beth Israel Deaconess Medical Center, Brigham and Women's Hospitalです。いずれも、ボストンを代表する有名な市内中心部に位置する総合病院で、かつ日本人に人気な産院として先輩に口コミで聞いていた病院です。
※ちなみに米国は麻酔による無痛分娩が当たり前なので、日本のように無痛分娩があるかないかで産院選択をする必要はありません。

たぶんどこで産んでも変なことにはならないだろうけど、どうやって絞り込むか…… 以下は私が検討した観点です。

①日本語環境で日本人医師の元で産みたいかどうか
実はボストンには日本人女性の産科医さんがいらっしゃいます!その先生にお願いする場合、アメリカにいながら、妊婦健診から出産時まで全て日本語で日本人の先生に担当してもらえるという何とも有難い経験ができます。岡村恭子先生という方で、産院はBeth Israel Deaconess Medical Centerになります。

②各産院の統計データをどう判断するか
googleで "Boston birthing center"などで検索していると、なんと各産院のお産に関する統計データの比較ができるウェブサイト(スマホ閲覧の場合はこちらのローデータのが方が見切れなくておすすめ)を見つけました!具体的には、First-time C-section rates (初産の帝王切開率)、Episiotomy rates(会陰切開率)、VBAC (帝王切開経験者の経膣分娩)率、Exclusive Breastfeeding rates (完全母乳率)、などの数字を比較できます。これらの数字からは、各病院がどれくらい(必要以上の医療介入をせずに)母親主体のお産・育児をサポートしているか、という傾向を把握できると考えられます。あくまで統計上の傾向なので、実際にはケースバイケースだったり蓋を開けてみないとわからない部分もあるかと思いますが、それでも各病院によって大きく数値が異なるという事実は、産院選びにおいて見逃せないポイントではないでしょうか。

③雰囲気
不安定な心と体で過ごす産院、できるだけ自分がしっくりくるかというのも大事なポイントだと思います。何もなければ病院見学に行きたいところですがまだコロナ渦真っ只中。代わりに参考にしたのは、各病院が出しているyoutubeの紹介ビデオです!どこも似たような感じではあるものの、病室や建物内、看護師さんの雰囲気などを比較することができます。ちなみに、しっかり調べてないですが、日本と違って追加料金なしで個室のところが多いようです。

その他にも、口コミBaby Friendly Hospitalであるかどうか、などが参考材料になるかと思います。食事も気になるところですが、どうせアメリカなのでどこに行ってもあまり期待はできないなと思って特に調べませんでした。そもそも入院日数も何もなければ日本より短いので、まぁ乗り切れるかな。。

私の選んだ産院

上記を踏まえて私が選んだのは……
Mount Auburn Hospital!

私が重視したのは以下のポイントです。
① 助産師さんの手厚いサポートの中、妊婦主導のお産ができる環境であること(病院都合による必要のない医療介入がないこと)。同時に、いざというときの医療体制が整った総合病院であること 。
② アメリカならではのお産を味わえること

①の助産師さんと病院の要件は、前回のお産の体験に基づく譲れないポイント。長女の出産では破水後陣痛が全く始まらなく、病院によってはすぐに陣痛促進剤や帝王切開でお産を即されていた可能性もありました。しかし妊婦主導のお産をモットーとしていたその産院では、リスクがない限り自然に産みたいという私の意志を尊重してくれ、助産師さんが二人三脚で陣痛を即すツボマッサージやエクササイズに一緒に取り組んでくれ、その甲斐あってか、感染リスクの上がるタイムリミット前に上手く陣痛が来てそのまま出産できました。一方で、生まれた直後に娘が上手く産声を上げられず、どうにか上げたと思ったらその勢いが強すぎて肺に穴が開いて一過性多呼吸になり、NICU行きへ。アクシデントに近い原因不明のよくある軽症だったらしく、すぐに回復し5日で退院、後遺症も0だったものの、もしNICUのない小さなクリニックや助産院だったらどうだったかなと思うとぞっとします。

これらを最も満たしている(と私が勝手に判断したのが)Mount Auburnでした。※実際にどうかはわかりませんよ!
・Midwife(助産師)の評判が良い(友人口コミ&ネット口コミ)。産院の紹介ビデオでもMidwifeが中心になっている ⇒ 助産師さんのサポートが手厚そう
・Harvard医学部と提携している。総合病院なので小児科もNICUも併設。噂によると麻酔のレベルが全米トップ(?) ⇒医療体制は問題なさそう
・統計データで、帝王切開率がダントツで低く、VBAC率や完母率がダントツに高い ⇒ 必要以上の医療介入が少なそう

アメリカならではのお産を味わえること、というのは、まぁ、個人的な趣味ですね。笑 日本人女医さんに最初から最後まで日本語で見てもらえるというオプションはめちゃめちゃ魅力的でしたが、、せっかく第二子でお産にも慣れてるし、特に刺激のない毎日なのでちょっとチャレンジ要素を入れたいかな、みたいな。後で後悔するかもですが。。笑 あとは、育児もそうですが、妊娠出産の常識って国や文化が変わるとけっこう違うので、それを他のアメリカ人と同じ目線で体験して、妊娠出産について再発見してみたいなという好奇心。 違う制度、違う仕組み、違う習慣、などから見えてくるものがあるのでは、と期待しています。

かなり長文になりましたが、以上、産院選びでした。
次回、予約編、次々回は初回健診編、の予定です!








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