見出し画像

いろはにほへと

「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす」

色は匂へど 散りぬるを 我が世たれぞ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず

今日の出会いは、この和歌との出会いだった。

もちろん、日本人なら誰もが知っている『いろはカルタ』の詩だ。

でも今日、私はこの和歌に込められた意味を潜在意識レベルで理解し、読みながら涙を浮かべた。


四柱推命師をしている親友から、今月の吉日と私にとっての吉方位を教えてもらい、その日にお水取りをすると運気が上がるからねと言われていた。
お水取りというのは、その方向に出掛けて行って、神社仏閣をお参りしたり、美味しいものを食べたり飲んだりしてゆっくり過ごすこと。
遠方に旅行に行くのが最善だけれど、無理そうなら近場でもいいからやってみるといいと聞かされていたので、自宅から自転車で行ける範囲で、朝から吉報位でヨガをし、手打ちパスタをいただき、美味しいコーヒーをゆっくりいただいた後、そのカフェからすぐそばにある今宮神社に行ってみようと思いたった。

いつもなら、方向音痴の私は、近くてもGoogleマップを開いて目的地に向かうが、さすがに分かるだろうと思い、マップを開かず、その方向に向かった。
神社というのは森か林のように大きな木が植っているから、塀の奥に背の高い木々がたくさん並んでいるのが見えたので、何の疑いもなく「あっ!もう着いた!」と思いその正面入り口の方に回った。
するとそこは、今宮神社ではなく大徳寺だった。
「あれ?間違えた!さすが方向音痴だわ。」と独り言を呟くも、駐車場係のおじさんが、なかなかの勢いで、こっちに止めて!!と誘導してくれたので、何かのお導きかもと切り替えて、大徳寺を拝観することを決めた。

大徳寺は、たくさん塔頭が中にある大きな寺院だ。大徳寺全体が拝観できるわけではなかった。
2つの塔頭寺院が特別拝観となっていて、その一つ、黄梅院を拝観することにした。

門をくぐると、緑のもみじのカーテンがサワサワと音を立てて迎えてくれたように感じた。
中は思っていたよりも広く、美しい庭園を携えた書院の中は雪舟の一番弟子が描いた襖絵で各部屋を重厚にしていた。
何人かの外国人観光客とすれ違いながら、奥に進んでいくと、部屋と部屋の間のほんの短い廊下の壁にかかる書が目に入った。

「ここでこの書に出会ったあなたにぜひ心に刻んで帰ってほしいという下りから始まる文章を読み出した。
周りを見回すと誰もいない。
少し遠いところにある縁側に、腰掛けているヨーロピアンらしい女性が見えただけだった。
今ここでこれを読めるのは、私だけだ、、、、と思った。
だから私はこのメッセージを受け取るべくしてここに来たのだと確信した。

何が書いてあったかというと、

「いろはにほへと、、、、、、、、、、、、、、、、、」
この和歌の意味を説明し人生に例えていたのだ。

この和歌は、”詠み人知らず”であるけれど、なんと日本語47音を全て重複せず書かれている意味のとおる七五調の詩で、しかも悟りの境地を説いている。

その書には、この和歌の意味をもみじに例えて、人生に照らし合わせて説かれていた。

「もみじは美しい新緑の姿から紅葉して赤く色づきその美しさで人々を魅了する。けれど、木枯らしが吹き、風雨に晒され地に落ち枯れ果て土となる。
この世に生じたものは必ず滅する。諸行無常。この世に生まれ、どんなに繁栄しても全て不変であることはなく、必ず滅び死する。また同じように見えるもみじの葉は、全て違う形で色も微妙に違う。
木の枝からいつ落ちるかもそれぞれ分からない。
先のことはわからない。
だから、精一杯今の美しさを愛でれば良い。
人生も然り。
誰もが赤子としてこの世に生まれ、乳を飲ませてもらい育ててもらい、大きくなり大人になる。
それぞれ、姿形も違い、能力も違う。
個性が違う。
先のことを心配しようが、夢を持とうが、今よりほんの先の未来のことは誰もわからない。
いつ死ぬかもどのように死ぬかも分からない。
ならば、今やりたいこと、出来ることを行動に変えて精一杯やった時、その喜びを一心に感じ生きていくことが人生を幸せに生きていくことなのだ。
この世に生ずるものは必ず滅する。
人生の山や谷を乗り越え、心安らかに今を生きよ。」

読んでいるうちに涙が溢れた。
明らかに言霊が込められたこの書は、いったい誰が書いたのか。この塔頭の住職なのか、はたまた前の住職か。
現代の言葉で書かれていたから、それほど古いものではないだろう。

書院内はもちろん撮影禁止だったので、私も覚えている範囲で書いているけれど、正確に読み取ったかどうかは別として、私は上記のようにこの書の言霊を受け取った。

諸行無常のこの世を、覚悟を決めて生きていこう。




HP
女流作家 風乃音羽

LINE公式アカウント
YouTube KAZENOチャンネル
チャンネル登録、高評価お願いします🤲

よろしくお願いします。いただいたサポート費用はクリエイターとして、レベルアップするための活動に役立てるようにいたします。ありがとうございます🥰