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チョイス

今日会ったある人が、目が真っ赤だった。
毛細血管が脆くなるお年頃の人でもあるので、
「眼底出血ですよね?この時期、なりやすいみたいですね。お大事に。」
と声をかけた。
その際に顔を間近でみると、目の周りにうっすら青いアザがあった。
誰かに殴られたに違いない。
彼女は、「よくなるんですよ、これ、、、」と言いながらも、顔を背けるように、後ろを向いた。
それ以上は何も聞けなかった。

その人は、コロナ禍以降ずっとツイていない。
シンガーとして、勤めていたお店が閉まった。
予定していた、色々なコンサート、イベントなどがどんどんキャンセルされた。
教えに行っていた教室も、しばらく休業になった。
本当に、どうやって生活しているのかと心配になるような状況が続いていたのを知っている。

その頃に遠距離でお付き合いしていた男性からは、振られた。
「実は、転勤してきたこの地で、好きな人が出来て結婚するから、別れて欲しい。」
と言われたそうだ。
しかも、彼女と付き合っていた頃、その男性は別居こそしていたけれど、離婚出来ていない妻がいて、別れたら結婚するという約束をしていた。
結局、離婚しても彼女と結婚話を進めることはなく、そのまま転勤で遠方に行った。そして、その地で違う人と出会い、愛が芽生え、すぐに結婚することになったのだ。

他にも、ある。
悪い人ではないのだけれど、少しズレているというか、よくコミュニケーションミスが起こり、人を怒らせたり、不快にさせる。
最近も、私との共通の知人の逆鱗に触れていた。

仕事も上手くいかず、プライベートも上手くいっていない。

家に帰って、その話を主人にした。
「上手くいかないレールに乗っている時って、全てが上手くいかないものだけど、どうして、彼女はああなってしまったのかしら?」

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