見出し画像

ラブ山本ワンマンライブ『これからもラブしくお願い致します』

はじめに

山本一孝さん、もとい、ラブ山本さん、通称ラブさん。

シンガーソングライターであるとともに、会場となった京都は向日町のライブハウスSesond Roomsのスタッフでもあるので、普段はこちらが演者としてお世話になっているのですが、あんまりお話できてない……

いやほら、ラブさんの見た目ってなんかこう、ロン毛・髭・眼鏡っていうボタニカルショップの店主ぽさというか、苔やシダ植物にとても詳しそうというか(どんな偏見よ?)、何らかの玄人っぽさが漂ってて、おまけに寡黙な印象もあるので、私はてっきりクールなお方だと思ってたんですよ。

ある時気づきました。ちゃうやん、ただの恥ずかしがり屋さんや……!

ラブさん側からの絡みたさはひしひしと感じるのですが、私も相当の受身なので、会話のプレイスタイルとしての相性がよろしくない。決して嫌ってるわけじゃないんです。

こんな時どんな顔をすればいいかわからないの……。

ちょっと本音を漏らしがちに感想書きます

タキシード着るとかゆうてたんで、どんな感じなんかなと思ってたら、会場についた瞬間、衣装で煙草吸ってるご本人さんとご対面して、盛大な出落ちをかまされてしまいました。いまここでかよ。

一曲目早々、シールドの挿し忘れというハプニングがありましたが、大丈夫、私はちゃんとわかってます。場を和ませるためのテクニックです。最後にやるはずだった曲を歌ってしまったのも、そういう仕込みです。問題ないです。ねえ?

リハーサル中も先輩である川上さんに向かってナチュラルにタメ口聞くくらいにテンパってたっていうのも、きっと面白おかしいフィクションですよ! ねえ!?

いや、実際のところ心中はまったく穏やかではなかっただろうなーという気はしますが、あんまりそういう風に見えないんだよなあ……。

参考として動画引っ張ってきたけど、今とぜんぜんビジュアルが違うな?

私は親の影響でフォークやカントリーを聴いて育ったので、ラブさんの曲はすっと耳に馴染むんですよねえ。丁度いい温度のお茶を飲むような感じ。

不器用で健気で、ちょっぴり寂しいラブソングの数々もほんわかしますね。頑張って彼女を誘ったのに会話が続かなくて撃沈したり、気になる子に話し掛けたくても話題が見つからなくて遠目に見てる姿がありありと浮かびます(ん? これいつも見てるラブさんじゃね?)。

そんなこんなで、サポート・ラブ(なんだそりゃ)一人目、燕尾服姿の伊和月文奏(いわずもがな、以下、「がなくん」表記)くんが登場。

あらかわいい。

いや……成人男性に向かってかわいいはあかんか。まして「千歳飴食べる?」とかあかんな……あかんわな……書いてしもたし消す気もないけど……。

がなくんによるピアノ伴奏で、RCサクセションの『スローバラード』と、徳永英明の『レイニーブルー』のカバーでした。

中学の英語の授業でエリック・クラプトンに感銘を受けて音楽少年になった話や、空手の免状を持ってることなど、個人的な話も挟みつつ、一部の最後の曲、『ちょっと本音を漏らします』。これ以前聴いてすごく好きだったんだ(普通にこういう話をすればいいのでは?)。

これは以前から色んなところに書いてるけど、ラブさんは最後にもってくる歌詞が良いんですよねえ。

いつまでそんなくだらない歌を聴いてるの
はやく気づいてくれよ俺はここにいるぜ
(書き起こし:筆者)

ストレートに解釈すれば、「世の中の売れてる曲なんかより俺の歌を聴いてくれ」ってことだけど、「俺の歌なんか聴いてないで、生身の俺を救ってくれよ」っていう愚痴にも受け取れて。

口下手だからこそ、一つの言葉にいろんな気持ちが乗っかるんだろうなあ。

休憩を挟んで、二部で登場したのは、サポート・ラブ二人目、林愛果さん。白いレースのドレスで登場。

あらかわいい(二回目)。

ラブさんの挙動不審っぷりが凄かったですね。最近の仕事でスケベオヤジばっかり見てるので、こういう反応は可愛らしくて和みます。でも「こんなのがいいんですよ」とか拗ねないで! 主役は自分でしょう!?

演奏したのはハンバート・ハンバートの『同じ話』。これ、女性が亡くなってて、男性が遺影か何かに向かって話しかけてるって解釈してる人が多いんだよね。林さんの声がこの世ならざる感じでとても良かったです。うるっときた。

がなくんも再登場して、いよいよクライマックス。

が、『葛飾ラプソディー』の前奏でずっこけるがなくん。ラブさんの緊張が伝播しとるがな。がなだけに、ってか。やかましいわ!

気を取り直して手拍子とともにやり直し、そのまま『おおシャンゼリゼ』を合唱で大団円。うむ。終わりよければ全てよs……

「ありがとうございました、山本かずた……ラブ山本でした!」

そこは、そこだけは、キメるところやー!!!

アンコールで「レコ発です!」と音響席からフォローされてるのも、私が買ったCDにサインしようとして「『さん』書くの忘れそうになった」と呟いて「どんな関係ですか」と林さんにしっかり突っ込まれてるのも、とことんまでの格好つかなさこそ彼の魅力である……なんて、こんな締めでいいの? 本当にいいの?

えっ? ちょっとくらいかっこええこと書きたかったんだけど!?

おわりに

なお、この文章のノリはラブさんを踏襲したものであって、決して私が同類だからというわけではありませんよ? ちがうよ?(目を泳がせながら)

普段知的で売っているこの私が、澄ました顔の下でこんなくだらないことを考えているとは誰も信じないので大丈夫だろうとは思いますけど! ね! 一応ね!

執筆活動で生計を立てるという目標を持っております!!